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那覇の市場で古本屋
ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々
- 初版年月日
- 2013年7月
- 書店発売日
- 2013年7月31日
- 登録日
- 2013年7月11日
- 最終更新日
- 2013年9月26日
書評掲載情報
2013-09-29 |
朝日新聞
評者: 内澤旬子(文筆家、イラストレーター) |
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紹介
日本一大きな新刊書店の書店員から日本一狭い古本屋の女店主へ。三畳の帳場から眺める日々の切れはしを綴ったエッセイ集。「ジュンク堂那覇店が開店するときに東京から異動してきた私が、その二年後にひとりで古書店を始めるとは、自分でも思いもしなかったー」。
市場通りは行き交う人も本もおもしろい。三畳の帳場から眺める、日々の切れはしを綴ったエッセイ集。
目次
古本屋、始めました
Ⅰ 沖縄で沖縄の本を売る
人文とジンブン
沖縄本の棚
沖縄では本は売れない?
近い本、遠い本
目をこらす
コンビニから餅屋まで
船に乗って
面白くて厄介
EKE
異動と移住
次にやる人
Ⅱ 開店前夜
二十年後
沖縄語辞典
不動産屋・自練・本屋
世界のウチナーンチュ大会
古本とコーヒー
本棚
店の名前
開店前夜
「とくふく堂」閉店 みーぐち 看板
開店の日
Ⅲ 路上に座って店番中
机とヒンプン
「日本一狭い古本屋」と呼ばれて
牧志三ー三ー一
地縁
金々節
市場中央通り
数字
ひも
くもこ
立体
沖縄の元気な古本屋
ウララをうたう
フクロウ
大市
ユッカヌヒー
読んでいない本について
ジンブン
那覇の本屋さんだいたいマップ・沖縄本島の古書店データ
Ⅳ 市場通り繁昌節 オフ・ビート・ウララ
エプロン あとつぎ 箱 電球 夜と朝 別の朝 I'm open 美容院 職業占い 女の子には向かない職業 末は作家ね ダイヤルは四列 スピリチュアル・ミャーク 一号線 ツイード テニスコート 鼻 首里 線引 OKINAWA 新年会 旧正月侵出 異動と移住、その後 三十年前のウララ
おまけ 「広州書墟」 ウララ、中国の古書イベントに行く
あとがき
前書きなど
古本屋、始めました
二〇一一年十一月、沖縄は那覇で古本屋を始めた。
豚ので有名な第一牧志公設市場の向かい側で、隣は漬物屋さんと洋服屋さん、前は鰹節屋さん。通りには土産物屋も餅屋も傘屋もある。アーケードの下、みんな道にせり出して、顔をつきあわせて店番をしている。
畳三畳のスペースに本を並べる。メインは沖縄に関する本で、ほかに人文・文芸・芸術・実用書など、試行錯誤しながら少しずつ揃えている。
店のお客さまは、地元の方と観光の方が半分ずつくらい。牧志公設市場は観光客向けになってしまったと言われており、確かに地元の若い人は少ないけれど、まだまだ毎日の買い物をしに来る人はいる。野菜を抱えた人が外の棚に目をとめて文庫を買われたり、「ずいぶん古い本を売ってるね、沖縄の本ならいいの? うちにたくさんあるから今度持ってくるよ」と言ってくださったり。
ぶらぶら歩いている観光客も、ふと立ちどまってウチナーグチ(沖縄の言葉)の本や紅型の写真集を手にとっていく。沖縄の特産物はマンゴーやちんすこうだけでなく、沖縄県産本というものもあるのだと知ってもらえたらいい。
ジュンク堂書店那覇店が開店するときに東京から異動してきた私が、その二年後にひとりで古本屋を始めるとは、自分でも思いもしなかった。いまだに冗談のような気がしながら、毎日シャッターを開けて、市場中央通りに一日じゅう座っている。
「市場の古本屋ウララ」、那覇の台所であり観光地としても有名な牧志公設市場の向かいにあります。お近くにお越しの際はお立ち寄りください。ご不要な本がありましたら、お譲りください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
版元から一言
ジュンク堂那覇店に異動してきた書店員が、気がつけば那覇の市場商店街で、畳三畳ほどのスペースの日本一狭い古本屋さんになっていた! それだけでも興味をそそります。日々の様子・心情をつづったエッセイ集です。
上記内容は本書刊行時のものです。