龍潭のほとりにてリュウキュウの少年
南城 秀夫:著
発行:ボーダーインク この版元の本一覧
四六判 180ページ 並製
定価:1,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-89982-129-8 C0093
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年10月 書店発売日:2007年10月02日
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紹介

「ぼくたちもここも不思議だねぇ」戦後の沖縄・首里の町で過ごした少年期の成長を通して浮かび上がる、ノスタルジアと家族のメモリアル。1950〜60年代の沖縄は、戦争が終わり、米軍統治下にあり、町には奇妙な安堵感と緊張感と無国籍な雰囲気に包まれていた。その中で少年期を過ごす主人公の少年の思いを、首里の町のたたずまいと幼年期の不思議と心に残る体験、そして家族の記憶を、時にノスタルジックに、時に幼年期に対する哲学的な考察を交えた文体で綴る、戦後リュウキュウ時代の小説。「リュウキュウ青年のアイビー留学記」に続く、「リュウキュウ」小説第二弾。

目次

第一部 首里の町 当蔵大通り 夢想の時代 炎上 ムツオ アメリカーがちゅううんどうー 龍潭池畔の教会と坂下の観音堂 コージロー 第二部 神崎と朝堅 渦巻 暁空丸 異国の少年 曲がった鼻 サーダガ生まれの浸礼 落日

前書きなど

 私は琉球の古都、首里の町に生まれた。
 首里の町は人口、五万人ほどの中規模の町。那覇市の東の高台にある。野牛の背のような荒々しい丘陵の多い沖縄でも、とりわけ居丈高に迫上がって、夏はより一層の太陽に、冬はより一層の北風に晒されている。静かな、しかし頑固な丘。太陽や北風どころか無数の砲撃に晒されて、その硬い白肌を剥き出しにされても文化という水脈を枯らさずにその内部に保ってきた丘。石畳をアスファルトに衣替えしても、破壊された首里城の跡に新しい文化の象徴である琉球大学が建っても、現代に屈服しようとしないで遥かニライカナイの海を凝視する丘。龍樋の口からは石灰孔に篭められた雨水が飛沫を上げて溢れ出し、円鑑池や龍潭に絶え間なく注がれていた。

版元から一言

「リュウキュウ青年のアイビー留学記」に続く、著者の小説第二弾。米軍統治下で育ったリュウキュウのいち少年の視点で、沖縄戦後の首里の町の様子が細かく分かる描写は作品の特徴である。当時のイラスト地図も付録として付けている。

著者プロフィール

南城 秀夫(ナンジョウ ヒデオ )

昭和25年  那覇市首里生まれ
昭和49年  エルカミーノ大学教養学部修了
昭和53年  コロンビア大学社会学部終了
平成 3 年  オクラホマ大学行政学部修士課程修了
平成14年  オクラホマ大学経済学部修士課程修了
英語教師、専門商社アメリカ代表などを経て、現在、国際協力関係に従事
著書に『リュウキュウ青年のアイビー留学記』(文芸社)。

上記内容は本書刊行時のものです。
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