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山頭火の病蹟 人見 一彦(著) - せせらぎ出版
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山頭火の病蹟 (サントウカノビョウセキ) ころり往生、喪失体験、アルコール依存 (コロリオウジョウ、ソウシツタイケン、アルコールイゾン)

文芸
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四六判
253ページ
並製
定価 1,750円+税
ISBN
978-4-88416-238-2   COPY
ISBN 13
9784884162382   COPY
ISBN 10h
4-88416-238-2   COPY
ISBN 10
4884162382   COPY
出版者記号
88416   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年7月
書店発売日
登録日
2015年3月5日
最終更新日
2022年11月28日
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紹介

「捨てきれない荷物のおもさまへうしろ」
残された日記を読み解き、俳人・山頭火の生涯と作品を精神病理学の視点から考察する。

目次

まえがき
第一章「ころり往生」の精神病理
Ⅰ 句と酒の行乞流転
Ⅱ 夢遊病者の日記
Ⅲ 泥酔、自問自答、懺悔
Ⅳ 山頭火と芭蕉
Ⅴ 終焉の地四国へ
Ⅵ ころり往生を念願
Ⅶ ころり往生に至る精神病理
第二章 自殺未遂の精神病理
Ⅰ カルモチンによる自殺未遂
Ⅱ 自殺未遂後の二週間
Ⅲ 自殺未遂に至る一年半の生活
Ⅳ 昭和十年という年
第三章 喪失体験の精神病理
Ⅰ 母親の喪失
Ⅱ 悪夢
Ⅲ 故郷
第四章 両価性の精神病理
Ⅰ 山頭火と妻
Ⅱ 山頭火と息子
第五章 依存性の精神病理
Ⅰ 山頭火と同人たち
Ⅱ 山頭火の心友、緑平
Ⅲ 山頭火の支え手たち

前書きなど

昭和十五年十月十一日山頭火は自ら希望した「ころり往生」を遂げたが、それに先立つ十月二日「犬から餅を頂戴した」という有名なエピソードがある。酔っ払って深夜に帰庵し寝床に入ると、どこからともなくついて来た犬に大きな餅のご馳走になったという話であり、日記に餅の絵を描いている。独特のけれんみのなさのあらわれだ、悟りの心境だとか、山頭火の至った至福の世界ではないかとも評されている。
そのような解釈が可能としても、このエピソードが果たして意識清明な世界の現実の出来事であったのであろうかという疑問を抱いたのが執筆の動機である。ころり往生に至る経過について山頭火日記を中心に精神医学的に詳細に検討すると、アルコール依存に起因する精神病理現象、振戦せん妄に基づく典型的な視覚的幻覚であると判断される。その背景を探って全生涯を精神病理学的に考察した。(まえがきより)

著者プロフィール

人見 一彦  (ヒトミ カズヒコ)  (

近畿大学名誉教授、精神医学

上記内容は本書刊行時のものです。