発行:草風館
この版元の本一覧
A5判 248ページ 並製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-88323-098-3(4-88323-098-8) C1036
在庫あり
奥付の初版発行年月:1997年06月
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紹介
おそらく「自分の父は癩(ハンセン病)者である」と宣言したのは初めてのことだろう。部落解放運動に参加して目覚めていくなかで近代日本が犯したスティグマを告発する痛切な書である。
目次
一、忘れられてきた「らい」
二、反差別連帯の闘いからも見落とされた「らい」——接点としての「けがれ」
三、「らい」者の息子宣言
四、一人の権力者と隔離政策——光田イズムに触れて−—
五、父の収容——棄てられ人に 1937年——
六、父との再会——1945年以降——
七、父の手紙——再び父を求めて——
八、父を支えた宿業観——問われている宗教——
九、まとめ——切り開いた人々 そして、もし父在りせば——
前書きなど
朝日新聞 1997.12.2
父と街歩きたかった
ハンセン病と闘う便りに心打たれ
揺れた気持ち、部落解放運動も契機
部落解放運動と解放教育に長年、尽力してきた九州産業大学教授の林力さん(73)が、癩(らい)=ハンセン病=患者だった父の生涯と自分の生き方を重ねて語った「父からの手紙ー再び『癩者』の息子として」(草風館)を出版した。本の結びで林さんは「もし父が生きていれば一緒に博多の街を歩きたい」と病気の治った回復者が社会復帰を果たす姿を描く。大阪市浪速区、部落解放研究所の村越末男理事長(67)は「人権侵害と差別に対する闘いの具体的な事例としてこの本を多くの人に読んでほしい」といっている。(企画報道室 安村弘)
佐賀新聞 1998.3.16
こころ欄
差別の構造断罪
部落解放運動に重ね合わせ
ハンセン病患者の強制隔離を規定した「らい予防法」の廃止から、間もなく2年。人権抑圧の歴史を告発する手記やルポルタージュが出版されているが、九州大学教授の林力さん(73)が執筆した『父からの手紙ー再び「癩(らい)者」の息子として』は、患者だった父親の生涯を部落解放運動にかかわる自分の生き方に重ねて語ったという点に重みを持つ。90年にわたって予防法の存在を許してきたことが照射するものは何か。過去ではなく、日本社会の人権意識の現状を、深く静かに問いかける。
雑誌「部落解放」 1997.11
本の紹介
癩(ハンセン病)に対する偏見・差別をなくすための啓蒙の重要性を力説する人は多いが、林氏のように、癩の異形(後遺症)に世間の目と感性を慣れさせねばならない、とわが身の問題として主張されたのは初めてである。社会復帰に対して熱意を示さない厚生省や関係者は、耳が痛いのではないか。(島 比呂志)
著者プロフィール
林 力(ハヤシ チカラ)
1924年生まれ。現在、九州産業大学国際文化部教授。あらゆる差別をなくす福岡県民会議事務局長。ヒューマンライツ福岡市民会議会長。
著書:『若き教師たちへ』『人権百話』等
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