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北方諸民族の世界観 荻原 眞子(著) - 草風館
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北方諸民族の世界観 (ホッポウショミンゾクノセカイカン)

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発行:草風館
A5判
512ページ
上製
定価 9,515円+税
ISBN
978-4-88323-086-0   COPY
ISBN 13
9784883230860   COPY
ISBN 10h
4-88323-086-4   COPY
ISBN 10
4883230864   COPY
出版者記号
88323   COPY
Cコード
C3039  
3:専門 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
1996年6月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

豊かな伝承を持つアイヌ民族の口承文芸を近接するアムール・サハリン地域の諸民族の神話・伝承と比較研究した画期的労作。アイヌ民族に対する社会的関心が大きい今、貴重な研究。

目次

序 論
 第一章 アイヌとアムール・サハリン地域の文化複合について
    1 はじめに
    2 アムール・サハリン地域の住民
    3 トゥングース・満州語の分類
    4 トゥングース・満州問題
    5 アムール・サハリン地域の文化視合
    6 アムール・サハリン地域の基層文化
 第二章 アムール・サハリン地域の神話世界
      ――創世神話を中心として――
    1 口承文芸のジャンルについて・
    2 創世神話について
    3 今後の課題

第一部 創世神話
 第一章 射日神話
    1 はじめに
    2 東アジアの射日神話
    3 アムール・サハリン地域の射日神話
    4 トウングース・満州語系諸族の射日神話の構成
    5 ニヴフの「二羽の四十雀」について
    6 アムール・サハリン地域の文化複合についての手掛り
 第二章 兄妹始祖神話
    1 問題の所在 /
    2 アムール・サハリン地域の伝承
    3 アムール・サハリン地域の伝承の特質
    4 北東シベリア地域の伝承
    5 北東シベリア地域の伝承の特質
    6 北方における兄妹始祖神話
    付.ハダウをめぐって
       ――死の起源と最初のシャマンについての覚書――

第二部 虎、熊、シャチ――「主」の観念と世界観をめぐって
 序 章
 第一章 虎、熊、天神、狩猟神
   1 虎をめぐる伝承
   2 熊をめぐる伝承
   3 天神、狩猟神、守護神についての伝承
 第二章 シャチと水界の「主」
   1 シャチと水界の「主」の観念および儀礼
   2 シャチをめぐる伝承  ′
   3 水界の「主」をめぐる伝承
 第三章 双子崇拝と狩耕民の世界観
   1 双子崇拝
   2 アントロモルフィズムと変身
   3 「主」の観念

第三部 アイヌの口承文芸――神謡kamui-yukarの考察
 序章
 第一章 巫謡とシャマンの歌
    1 アイヌの「巫謡」について
    2 近隣諸族における巫歌
    3 アイヌの「巫謡」と巫歌、そして、神謡の起源について
    4 結論
 第二章 仮面仮装と狩猟儀礼をめぐって
    はじめに
    1 仮面と仮装
    2 シベリアにおける仮面の分布
    3 仮装と狩猟儀礼
    4 動物の像を所持して行なう儀礼
    5 問題の所在一結論に代えて
    付.エヴェンキの狩猟儀礼における巫歌
 第三章 アイヌの神議(1)動物説話の類型
    はじめに 
    1 動物を叙述主体とする神謡の類型
    2 動物世界と人間世界との関係をテーマとする神謡
    3 動物説話の機能
    4 結論
 第四章 アイヌの神謡(2)神謡成立の可能性
    はじめに
    1 恋愛、求婚、婚姻をテーマとする神謡
   2 人と動物の婚姻譚
    3 神謡の類型についてのまとめ

結 論

前書きなど

 本書はユーラシアの北方諸民族に対する民族学的な関心から出発し、特に、アイヌと周辺民族の文化の比較研究を志しながら、その方法論を模索したひとつの足跡である。アイヌおよびその文化に対する関心と研究には長い歴史があり、アイヌに向けられる社会的な関心は今日ますます大きくなりつつある。そして、アイヌの文化を周辺諸地域の文化と比較してその特徴を明らかにし、それを人類の文化史のなかに位置づけようとする試みは近年になって俄かに活気を帯びてきており、着実な進展をみせ始めていることは喜ばしいことである。しかしながら、解明すべき課題は少なくない。
 たとえば、金田一京助はアイヌの英雄叙事詩ユーカラの採集と刊行に甚大な貢献をなし、ユーカラがイーリアス、オデュセイア、マハーパーラタなど世界の三大叙事詩にも比屑しうるアイヌの誇るべき遺産であると喧伝した。にもかかわらず、ユーカラは今なお世界文学のなかには然るべき位置を与えられてはいない。ユーカラにとどまらず、アイヌの口承文芸は多くのジャンルからなる豊かな伝承世界を呈示している。このような口承文芸を何らかの方法で比較研究の狙上にのぼせることは、取りもなおさず、アイヌとアイヌの文化を正当に評価し、その人類文化史での役割を明確にすることになるものと考えられる。本稿はそのような観点にたち、アイヌの口承文芸の比較研究のアプローチの方法を模索しながら、アイヌにもっとも近接したアムール・サハリン地域の諸民族の神話・伝承との比較を試み、今後の研究の展望を見い出そうとしたものである。(「まえがき」より)

版元から一言

Essays on Ideas and Beliefs among the Northern Peoples
――Myths and Tales of the Ainu, Natives of Amur-Sakhalin Region――

著者プロフィール

荻原 眞子  (オギワラ シンコ)  (

中国、山西省生まれ。1965年上智大学卒業。東京大学大学院博士課程単位取得退学。学術博士。専門、北アジア民族学、口承文芸。現在、千葉大学文学部日本文化学科ユーラシア言語文文化講座教授。
著書:『東北アジアの神話・伝説』(東方書店)ほか

上記内容は本書刊行時のものです。