発行:草風館
この版元の本一覧
A5判 216ページ 上製
定価:6,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-88323-063-1(4-88323-063-5) C3025
在庫あり
奥付の初版発行年月:1993年06月
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紹介
東北・アイヌ語地名の研究
地名は、その土地で生活した人々の言語の痕跡であり、土地の歴史を刻み込んだ文化遺産でもある。古くからの地名変更に多くの抵抗が起きるのも、こうした認識が浸透していることの証明と言えるであろう。
本書は、40年以上にわたってアイヌ語地名の研究を続けてきた著者が、ここ10年の成果をまとめた。田子、山内、三内、長内、米内、比立内など、東北に残るアイヌ語地名と思われる例について、詳しい検証がなされている。
「仙台から秋田・山形県境付近にかけての線から北方に、一段と濃く分布するアイヌ語地名こそ、蝦夷(えみし)が残した足跡であり、北東北の蝦夷はアイヌ語を常用していた」。これが著者の結論だ。
著者は仙台鉱山監督局長、軍需省化学局長などを歴任した後、北海道曹達社長、会長を務めた。昨年7月、93歳で死去しており、本書が遺稿集となった。
(1993.9.12 河北新報)
目次
第一編 アイヌ語地名遊記
初山別の楽しかった調査紀行
一、調査に出かけるまで 二、調査紀行 三、高橋基 さんの現地調査
石狩川筋のカムイコタソ
前書き 一、旭川の神居古潭 二、空知川のカムイコ タン 三、夕張川のカムイコタン 四、ポロカムイコ タン 五、ボンカムイコタソ 六、ボンカムイコタン
(付)カムイコタソ
トマム遊記−トマム、狩勝峠、然別の地名
手稲諸川のアイヌ語川名−特に札幌の友人方のために
一、札幌西北郊の地形と推移 二、手稲諾川の各川名 等
石狩当別の静かな川筋
一、当別の名の由来 二、当別市街付近の地名 三、 当別川上流のピクニック 四、上流の山々
山城屋の蝦夷地古図の話−古い、珍しい民間の北毎道全 図
一、図が私の書架に残ったいきさつ 二、山城屋図を 読んで
登別の知里家のこと−語る金成まつさんの姿の写生
第二編 東北地方北半のアイヌ語地名
柳(シュシュ)の地名
サンナイ地名の謎ーー東北地名で北毎道のアイヌ語地名を読んだ話
前書き 現地調査記 結論
姓となったアイヌ語地名
一、蝦夷に与えられた姓 二、北海道の新しい姓 三、和人の姓となったアイヌ語地名
阿仁の内(ナイ)地図
一、東北のアイヌ語地名が山中に濃いわけ 二、阿仁 の内(ナイ)地図 三、阿仁の内(ナイ)の若干の解 四、マタギの古老の昔語り
『遠野物語』のアイヌ語地名
一、手許の『遠野物語』の話 二、アイヌ語地名の型 三、『遠野物語』の「七内八崎」四、その他のアイヌ 語系地名 五、内(ナイ)の多いわけ
北潅道のモイワと青森、秋田のモヤ
一、北毎道のモイワ 二、青森、秋田のモヤ
大野東人将軍遠征路をたどって
一、「アイヌ語地名濃厚地帯の南限線」に付ての補足 的説明 二、遠征に出かけるまで 三、遠征路を想定 した全図 四、色麻(しかま)ノ柵まで 五、山越え して山形の玉野へ 六、大室ノ駅と玉野に付いて 七、山越え道路の工事と北進 八、比羅保許山の位置 九、雄勝村の故地へ 一〇、地名に付いての参考意見
平取(日高)と平尾鳥(秋田) 一、沙流川中流の主なコタンは、もとは東岸にあった 二、平取という地名 三、平尾鳥
第三編 東北地方南部、関東地方北辺、新潟県を訪ね て
タブコプ(たんこぶ山)物語ーー関東北辺まで続いてあるか?
北海道のタブコプ略説 一、達子森 二、田子 三、田子 四、達居森と女達居山 五、立子山
六、辰子山 七、竜子山
インカラ(眺める)地名物語ーー新潟県にまであったら しい?
サッ地名物語ーー関東北辺まで続いてあるか?
一、北海道の三つのサッ地名 二、東北地方北三県の サッ地名 三、東北の南部諸県 四、関東地方の北辺
エんルム(岬)の話ーー江流末(十三地方)と出雲岬(新潟県)の疑義
『常陸風土記』の異族と地名
一、風土記の中の異族記事 二、異族のいた時代 三、アイヌ語地名かあったろうか
おわりに
著者略歴と業績
前書きなど
1993.8.23 秋田さきがけ
県内の地名も考察
著者は、在野の研究者として50年以上にわたって北海道や東北地方のアイヌ語地名の研究を続け、ことし7月に93歳で亡くなった。本書はその遺稿集。
地名は、その土地にかつて生活した人々の文化遺産であり、その土地の歴史を刻み込んでいる。古代の東北地方で大和朝廷に対抗した蝦夷(えみし)の記録は、記紀をはじめ続日本紀などの史書に登場する。その蝦夷がどのような人々だったのかは、明治以来、論争が続いているが決着はついていない。著者は「蝦夷が生活していた土地に、大和言葉ではない地名があり、それこそが蝦夷語の傷痕といえるのではないか」と述べ、「仙台から秋田・山形県境にかける線から北方にアイヌ語地名が濃く分布する。蝦夷はアイヌ語族だった」と結論づける。
本県の阿仁は、アイヌ型の内(ナイ)地名が特に濃く残っている土地だという。ナイはベツ(ペッ)とともに北海道にはどこにでもある「川・沢」の意味のアイヌ語地名だが、阿仁川筋ではどの沢をとってもナイ地名で埋まっている。
米内沢はイ・オ・ナイ(蛇・多い・川)、笑内はオ・カシ・ナイ(川口に・仮小屋ある・川)、浦志内はウラシ・ナイ(笹・川)であるという。また、雄勝、西馬音内、田子内など県内各地の地名も考察する。徹底した現地調査、研究を重ねた、貴重な一書。
著者プロフィール
山田 秀三(ヤマダ ヒデゾウ)
(略歴)本籍 福岡県
明治32年6月30日 東京市赤坂区榎坂町に誕生
大正6年3月 東京府立第一中学校卒業
10年3月 第一高等学校卒業
13年3月 東京帝国大学法学部政治科卒業
13年5月 農商務省工務局属
14年4月 商工省工務局
14年11月 高等文官試験行政科合格
昭和2年5月 特許局審査官
2年6月 商工省工務局
3年6月 内閣資源局調査課
4年4月 同 局 総務部
8年6月 同 局 調査課長
12年10月 企画院調査部
14年4月 同 院 第三部
15年4月 同 院 調査官第四部(兼)第一部
15年11月(兼)総力戦研究所員
16年5月 同 院 第二部第一課長
16年6月 仙台鉱山監督局長
18年3月 内閣官房調査官(兼)内閣東北局長
18年5〜6月 鈴木行政査察使随員
18年7〜10月 藤原行政査察使随員
18年11月 内閣官房参事官
19年4月 山下行政査察使随員
19年11月 軍需省化学局長
20年8月 商工省整理部長
20年10月 退官
24年4月 北嶺道曹達株式会社取締役社長
36年3月 北海道文化財保護協会創立に参加、理事
44年11月 北海道曹達株式会社会長
54年3月 北海道曹達株式会社相
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