書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
関東地名物語
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 1990年6月
- 書店発売日
- 1990年6月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
「谷」地名の徹底的踏査――山田秀三流日本語地名研究法。
古代関東の地名が見えてきた―実際に現地に行き、古老の話に耳を傾け、土地の香りをかいで、丹念にひとつひとつの地名を吟味・解明する、これが山田秀三流の地名研究の真骨頂である。
目次
第一編「谷」地名の略説
一、ヤトとヤツは同義語だった。ヤもその仲間らしい
二、夥しい数の地名であった
三、東(あづま)言葉だったらしい
四、谷の字を当てた各種地名
五、ヤト、ヤツの語義―時代により変遷したらしい
(1)湿原説(2)農村時代のヤト、ヤツの語義
(3)都市化してからの語義
六、ヤ(谷)の語義
七、ヤチ(谷地)地名の語義
八、ガイド、カイトの話
九、アイヌ語説は賛成できない
一〇、関東地方内の分布略図
(1)ヤ(谷)(2)ヤト(谷戸、谷)(3)ヤツ(谷津、谷)(4)ヤチ(谷地)
一一、もともとの言葉?
第二編 地域別の記録
一、千葉県
(1)桜井谷(2)西谷、中郷谷、上郷谷、竹谷(3)富津市のヤツ(4)船橋の古図の二つのヤツ(5)ヤツが
千葉県に夥しくあったこと(6)ヤトも僅かながらあること
二、神奈川県
(1)鎌倉の谷(2)金沢のヤツ(3)大船のヤト
(4)横浜市もヤト地帯だった(5)三浦半島のヤト
(6)藤沢のヤト(7)県内の地名分布概略
三、東京都
(1)江戸の谷(2)東京の街中のヤト(3)東京都西
部のヤト(4)東京都内のヤツ(5)ヤチ、カイト
四、埼玉県
(1)ヤトがはっきりしなくなっている(2)貝戸、皆戸等の地名(3)熊谷という地名(4)ヤツ地名が案外に
あったこと
五、群馬県
(1)地名概略(2)ヤチ(谷地)地名(3)ヤツ(谷津、谷)地名(4)群馬児のカイト地名(5)カイト語義の各説(6)群馬のヤト(谷戸)地名
六、栃木県
(1)地名分布の概略(2)ヤ(谷)(3)ヤツ(谷津)
(4)ヤチ(谷地)(5)ガイトとガヤト(7)栃木県と
群馬県の地名の差
七、茨城県
(1)ヤツとヤの語義(2)『角川地名大辞典』の地名採
録数(3)『常陸国風土記』の夜刀(ヤト)(4)ヤチ地名(5)カイト系の地名
前書きなど
長くアイヌ語地名の研究にたずさわった著者が、生まれ育った関東の地名を吟味する。関西では谷をタニと読む地方が多いが、関東では市ヶ谷、千駄ヶ谷、下谷、谷中のようにヤと読むのはなぜか。これは山あいの水のじゅくじゅくした土地をさす古語で、ヤ、ヤツ、ヤト、ヤチなどがあるという。神奈川にヤト(谷戸)が多く、千葉にヤツ(谷津)が多いなど、現地を歩き、古老の話に耳を傾ける楽しいフィールド・ノート。
(1990.7.30 毎日新聞)
上記内容は本書刊行時のものです。