
発行:新日本教育図書 この版元の本一覧
A5判 208ページ
定価:1,100円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-88024-183-8 (4-88024-183-0) C0021
在庫あり
奥付の初版発行年月:1996年03月 書店発売日:1996年03月10日
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江戸時代の終わりころ、山口県の萩市に、多くの俊才を輩出した松下村塾という小さな塾があった。
この塾の先生吉田松陰は、塾にやってきた若者たちに、こう呼びかけた。
「自分の生まれた土地に劣等感をいだく必要はなく、この地を世界の中心と考え、誇りをもって励もうではないか」
物置小屋を改造した粗末な塾舎で、わずか一年あまりの短い間に、松陰は若者たちに何を授けたのだろうか。
松下村塾で学んだ若者たちと吉田松陰の教育法をさぐる!
目次
少年軍学者/不安な天保時代/杉家の青空教室/海外への開眼/旅と脱藩/黒船来航/密航計画の失敗/獄中の講義/松本村の一隅で/ほこり高き松下村塾/俊才たちの入塾/友情のルツボ/不平等条約/飛耳長目/巣立ちのとき/間部詮勝暗殺計画/そむいていく人びと/フレーヘードをとなえよ/さらば、ふるさと/武蔵の野辺に朽ちぬとも/死して不朽のみこみあらば/行動者の群れ/万骨は枯れた/松下村塾略年譜
前書きなど
ずっと以前、私たちは吉田松陰という先生はとても恐い学者で、松下村塾はつめたい教室だと思っていた時代があった。この本を読んで、そうではないことがおわかりいただけたと思う。
吉田松陰の生涯がイギリスの文豪スティーブンスンによってヨーロッパに紹介されたのは、1879年(明治12年)だった。日本ではじめて松陰の伝記が出たのは、それから12年もあとのことである。
歴史のうえに果たした役割と人間的な魅力によって、二十一世紀を迎えようとする今も、松陰の名は輝きをたもっている。まじめで人にたいする徹底的に誠実な性格、燃えるような学問への情熱など、私たち凡人からは遠いところにいる人だが、強力な磁力を放ちながら大股に迫ってくるふしぎな存在でもある。
松下村塾の塾生たちにとって、松陰は大きなあたたかい磁石岩だったにちがいない。ひとつひとつ分け与えられた志が消えることなく、埋もれ火となって若者の胸の中に生きたように、松陰は現代に生まれた私たちにも、激動の時代をどう考えるか、人生をいかに生きるかを、身近にやさしく語りかけてくる永遠の人である。(あとがきより)
版元から一言
【松下村塾の記】
「華夷弁別」とは、自分が生まれたところを、世界の中心と考えることである。その思想をもって、まずはふるさとに腰をすえ、がんばろうではないか。私は幽囚の身であっても、ここに集まった若者たちとともに励み、目的達成のために献身的努力をはらいたいと思う。長州は本州最西端の辺境だが、やがて天下を奮発震動させる多くの人材は、必ずこの松下村塾から生まれるであろう。(安政四年 吉田松陰『松下村塾記』要約』)
著者プロフィール
古川 薫(フルカワ カオル)
古川薫(ふるかわかおる) 1925年、下関生まれ。山口大学教育学部卒業後、山口新聞編集局長を経て、文筆活動に入る。日本文芸家協会会員。日本ペンクラブ会員。山口県地方史学会員。幕末の長州藩に取材した歴史小説、史伝を中心とした作品が多く、「炎と青雲−桂小五郎篇」「木戸孝允篇」「獅子の廊下」「花冠の志士−久坂玄瑞伝」「天辺の椅子」「新・米欧回覧」等がある。1991年「漂泊者のアリア」で第104回直木賞を受賞する。
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