中高生の戦後史理解のために裁判の中の在日コリアン
在日コリアン弁護士協会:編著
発行:現代人文社
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四六判 276ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-367-3 C3036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年02月
書店発売日:2008年02月12日
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紹介

裁判・事件を通して、在日コリアンが戦後の日本社会をどのように生きてきたかを若い世代に知ってほしい。本書を通して、法律や裁判の役割について初歩的な知識も得られる。

目次

はしがき 
第一章 在日コリアンの「生い立ち」
在日コリアン形成の歴史
在日コリアンの法的地位の変遷 

第二章 裁判の中の在日コリアン
1 刑事事件にあらわれた在日コリアンの状況
小松川事件——差別と貧困の中で
寸又峡事件——差別に対する「私戦」
2 解決されない戦後
在日韓国人従軍「慰安婦」・BC級戦犯——放置され続けてきた被害者たち 
サハリン残留韓国・朝鮮人——故郷へはいつ帰れるのか 
日本国籍確認訴訟——「国籍を捨てた覚えはない」 
3日常生活における差別
日立裁判——大企業に挑んだ闘い
民族教育と裁判——子どもたちが学ぶ権利 
ウトロ裁判——自分たちの「まち」を守る 
入居差別——外国人お断り!? 
ゴルフ会員権——会員は日本人に限る!? 
4 法律によって引き起こされる差別
指紋押捺拒否訴訟——外国人登録証から指紋が消えるま 
無年金裁判——強いられる不安な老後 
5 在日コリアンの政治参加、司法参加
東京都管理職裁判——公務員になれないのは「当然」か 
司法研修所——裁判所が差別していいの? 
調停委員・司法委員——仲裁役になぜ日本国籍が必要なのか 
地方参政権訴訟——選挙に行けない在日コリアン 

第三章 残された課題
在日コリアンの国籍と参政権 
国民主権原理との関係 
その他の権利 

コラム
「韓国籍」と「朝鮮籍」 
通名と民族名 
「冬ソナ」は在日に何かをもたらしたか 
政治家の発言集 
帰化 

在日コリアン関係略年表

「あとがき」にかえて 

前書きなど

●●●●●はしがき●●●●●●●●

 この本の目的は、ふたつあります。
 ひとつは、在日コリアンと呼ばれる民族的なマイノリティー(少数者)が、戦後の日本社会をどのように生きてきたかを知ってもらうことです。もちろんこの本は、裁判や事件を題材にしていますから、「どのように生きてきたか」というのは、事件や裁判の当事者として「どのように生きざるをえなかったか」と表現したほうがいいかもしれません。
 ふたつめは、法律や裁判が、基本的人権の保障のためにどんな役割を果たしているのかということについて、初歩的な知識を得てもらうことです。役割というのには両面があります。裁判の中で、憲法などに基づいて、侵害された人権の救済が行われることもありますが、一方で、法律そのものが人権を侵害していたり、裁判が人権の救済に役立たないことも多くあります。
 さまざまな事例を通して、若い読者の皆さんに、日本の法律や裁判の実状を知ってもらい、知識を得てもらえれば、幸いです。そのため、法律用語の説明も多く取り入れてあります。

 ひとつめの目的に戻りましょう。
 この本は、在日コリアンを当事者とした裁判や事件を題材にして、在日コリアンの弁護士が分担して執筆したものです。在日コリアンの定義はそう簡単ではありませんが、一般的には、戦前から引き続き日本に居住する朝鮮半島出身者とその子孫、というふうに言われます。しかし詳しく見れば、戦後間もない時期に日本に渡ってきた人もおり、両親・祖父母のうちに日本人がいる人もいます。国籍も、「韓国籍」「朝鮮籍」の人も、日本国籍の人もいます(「韓国籍」「朝鮮籍」と呼ぶのは必ずしも正しくないのですが、正確な説明は本文中にあります)。また、この本の中では、最近一般化してきた在日コリアンという言葉を主に使っていますが、「在日韓国人」「在日朝鮮人」「在日韓国・朝鮮人」など、いくつかの呼称があり、「在日の人々」という言い方もあります。これは、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国という分断国家が存在してきたことの影響でもあり、在日コリアンがアイデンティティーを探しあぐねてきたことの反映でもあるでしょう。
 いま、アイデンティティーという言葉を使いました。これもいろいろな意味を持つ言葉ですが、自分がなにものであるか、というほどの意味だと言っていいと思います。日本に生きている人の多くは、両親が日本人で、生まれながらに日本国籍を持ち、自分が「日本人であるかどうか」を考えるような場面にはまったくといっていいほど出喰わさないでしょう。しかし、在日コリアンのほとんどは、暮らしたこともない国の国籍を持っていたり、逆に日本国籍を持っていながら、親や祖父母が朝鮮半島で生まれ育ったりしているために、たえず自分がなにものであるかを問い返す経験をします。
 在日コリアンは、このような問いを通して、自分が自分であることを掴もうとし続ける人々、と言えるかもしれません。そして、やや実感めいたことを言うと、この自分であることを掴もうとし続けるというのは、結局、人としての尊厳を守り続けることと同じだろうと思えます。そこには、少数者・多数者を超えた、ある種の普遍的な課題が横たわっていると言えるでしょう。
 この本は、全体として、民族差別・国籍差別に対して、在日コリアンがどう抗ってきたかを書いています。そして、それは人としての尊厳をどう守るかということでもあります。
 在日コリアンの戦後六〇年の経験を通して、若い読者の皆さんに、自分自身の尊厳を守ることの困難さと大切さを知ってもらえれば、この本が書かれた意義があると信じます。

李宇海

著者プロフィール

在日コリアン弁護士協会(ザイニチコリアンベンゴシキョウカイ)

2001年に,在日コリアンの意思を反映しないまま,届出による日本国籍取得の法案(この法案は当時成立間際だった定住外国人の地方参政権法案に否定的な政治家らが作成作業を進めていた。)が浮上したことを契機に,同年5月、在日コリアンの弁護士28名が結集して在日コリアン法律家協会を結成。翌2002年在日コリアン弁護士協会に改称。日本で唯一の、在日コリアンで構成する弁護士団体。在日コリアンへの差別撤廃、在日コリアンの権利擁護、民族性の回復(民族教育の保障等)、政治意思決定過程に参画する権利の確保(参政権・公務就任権)を設立趣意とする。
略称「LAZAK」(Lawyers’ association of ZAINICHI Korean)。

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  1. [本][在日・韓朝鮮]『裁判の中の在日コリアン』…

    裁判の中の在日コリアンー中高生の戦後史理解のために(在日コリアン弁護士協会)[Review]
    民団新聞で発行を知り、さっそく注文した。目次とはしがきが、こちらで見 (more…)

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