刑事裁判物語裁かれるべきは誰か
石原 悟, 松井 清隆, 望月 賢司:監
発行:現代人文社
この版元の本一覧
四六判 576ページ 並製
定価:1,900円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-349-9 C0032
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年09月
書店発売日:2007年09月12日
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紹介

会社員は、隣に寝ていた先輩からタクシー代を預かったが、その人は赤の他人だった。警察は言い分も聞かずに逮捕・起訴。有罪率99.9%のおそるべき現実がまっていた。絶望的といわれる、日本の刑事裁判の現実を、著者が自身の裁判の体験に基づいて、明らかにする。一審・東京地裁、有罪。控訴審へ望みをつなぐ被告人と弁護士たちの闘いがはじまった。はたして無罪は獲得できるのか。
※帯に周防監督からの推薦文
”無罪を争うことは絶望との闘いだ。それでも闘うのは、「やってない」からだ。
この本には、「刑事裁判」の真実がある。『それでもボクはやってない』を作るとき、最初に出会った特別な一冊だ。” 周防正行(映画監督)

●本書は、2003年発行の「酩酊えん罪-裁かれるべきは誰か」Part1.2の合本、新装版です。

目次

Part1 激闘・一審東京地裁編
Part2 逆転・二審東京高裁編

前書きなど

◎新装版によせて

 本書に収録した『裁かれるべきは誰か』と『同Part2完結編』は、私が逮捕されたときから、東京高等裁判所で無罪判決を受けるまでの、約二年半にわたる刑事裁判物語である。
 逮捕された直後から自分の日記として、また裁判で闘うための記録として、私自身が日々の出来事を書き留めていたノートが基になっている。よって、すべてが現実、いわゆるノンフィクションである。
 実際の刑事裁判は、逮捕される前に思い描いていたものとは全然違うことを知った私は、逆転無罪判決を勝ち取ったあと、「刑事裁判の現実を多くの人に伝えたい」「俺が書かなきゃ誰が書く!」そう考えた。そしてこの二冊の本を上梓することにしたのである。
 あれから四年。この度、初版刷りの在庫が底を尽き、装いも新たに増刷する機会に恵まれた。ひとえに読者の皆様のおかげであり、この場をお借りして心から感謝申し上げたい。「一気に読みたい」「一冊にまとめてはどうか」という多くのお言葉をいただいていたので、この機会に両著を合本にし、新装版とした。ただ、敗戦記である『裁かれるべきは誰か』と逆転無罪の『同Part2完結編』は、読み物としてそれぞれ独立しているし、執筆していたときの気持ちもまるで違う。そこで、新装版でも頁表示は独立させることにした。
 新しい本の帯には周防正行監督が推薦文をよせてくださった。私が周防監督と知り合ったのは、監督が刑事裁判についての取材を始めるとき『裁かれるべきは誰か』を最初に読んでくださったことがきっかけだ。それ以来、親しくしていただき、数多くの裁判をともに傍聴した。ときには一緒に大阪まで裁判を傍聴に行ったこともある。
 実を言えば四年前、『完結編』を出版する際にも、周防監督に帯の推薦文をお願いしていた。そのときは、「映画の制作が終わらぬ限り、いや、終わらぬまでも制作の全体像が見えるまでは、」ということで残念ながら実現には至らなかったのだが、今回、監督があの日の約束を覚えていてくださったことに感激した。
 昨年は、周防監督の映画『それでもボクはやってない』の制作に協力させていただく機会を得た。私が身をもって体験した警察署の留置場や検察庁の地下同行室のセットデザイン、小道具の手配、俳優さん達の台詞や動き方など、多くのシーンで監督をはじめスタッフの方々が私の経験に耳を傾けてくださった。
 主役を演じた加瀬亮さんも留置場や法廷のシーンで、被告人としての微妙な心の動きを熱心に聞きに来てくれた。加瀬さんの年齢と私が裁判で闘っていたときの年齢が同じだったこともあって、気持ちに通じるものがあったのかもしれない。加瀬さんは見事なまでにリアルな被告人を演じた。
 完成した映画を初めて観たときは自分の経験と重なって足がガクガクとしてしまい、しばらく席を立つことができないほど感動した。
 折しも、刑事裁判の市民が参加する裁判員制度の導入など刑事裁判の大変革の時期でもある。本書ととに、
大ヒットしたこの映画が一つの契機となって、世論が喚起され、今後の刑事裁判の改革に役立てば嬉しい限りだ。
 この映画に『裁かれるべきは誰か』を通して協力できたことを誇りに思う。
 「しない方がいい経験」は少しずつ「貴重な経験」に変わってきている。

 二〇〇七年八月
 石原 悟
 松井清隆

版元から一言

異色の裁判ドキュメント!!
裁判員制度がはじまると、私たち市民は刑事裁判の現実に、直面することになる。
本書は、刑事裁判について何も知らない一市民だった著者が、
無罪判決を勝ち取るまでの軌跡である。
裁判官の現状と被告人の心情を読み取ってほしい。

著者プロフィール

石原 悟(イシハラ サトル)

ライター

松井 清隆(マツイ キヨタカ)

弁護士

望月 賢司(モチヅキ ケンジ)

弁護士

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