発行:現代人文社
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四六判 248ページ 並製
定価:1,700円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-309-3(4-87798-309-0) C0031
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年10月
書店発売日:2006年10月25日
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紹介
国連機関で働く日本人職員50人にインタビュー。NY本部、紛争地域など世界各地で平和と福祉向上の実現に努力する日本人職員の仕事と生き様がいきいきと浮かびあがる。
目次
目次
序文 世界との共生、連携で国連職員に役割 緒方貞子
まえがき
国連事務局(ニューヨーク本部)
事務総長を誰に会わせるか 事務総長室スケジュール管理担当官 南香 織
正確な情報で難局乗り切る 広報局広報官 植木安弘
国連図書館は情報の宝庫 広報局ダグ・ハマーショルド図書館収集・情報処理課長 佐藤純子
和平へ三六五日休みなし 政治局安保理部政務官 川端清隆
故デメロ代表の遺志受け継ぐ 政治局ヨーロッパ課政務官 梅津 伸
選挙支援で国家再建後押し 政治局選挙支援課政務官 宮村浩子
核不拡散と軍縮“冬の時代”打破 軍縮局長阿部信泰
民間機でPKO要員派遣 国連平和維持活動(PKO)局人員派遣課長 佐藤正紀
地雷除去は危機一髪 PKO局UNMASスーダン・ハルツーム事務所渉外担当 久保拓人
UNファミリーの絆 国連経済社会局持続可能な開発部国別情報モニタリング課 平野佐紀
理想と現実、揺れる沖縄の心 国連人道問題調整室(OCHA)事務次長室渉外・援助調整課長 新垣尚子
国連東ティモール事務所(UNOTIL)
独立国家の基礎づくり支援 事務総長特別代表 長谷川祐弘
国連開発計画(UNDP)
激動の現場と本部間を疾走 総裁室特別補佐 野田章子 60
仕事と生活のバランス注視 管理局プログラムプランニング・アドバイサー 前川美湖
ベトナム戦争後遺症の不発弾処理 ラオス・ビエンチャン事務所副代表 山崎節子
「9・11の死」で貧困に挑戦 モンゴル事務所民間産業振興担当 西郡俊哉
NGOから転身し市民社会を育成 シリア事務所副代表 福岡史子
国連ボランティア計画(UNV)
唯一の国連ボランティア機関 東京駐在調整官 斯波知子
国連児童基金(UNICEF=ユニセフ)
効率化へ世界のプロジェクト視察 事務局次長 丹羽敏之
北朝鮮支援、信念で 東京事務所日本・韓国兼任代表 浦元義照
マラリア防止に蚊帳配付 シエラレオネ事務所アシスタント・プロジェクト・オフィサー 根本巳欧
国連人口基金(UNFPA)
人口抑制のカギは女性の地位向上 事務局次長 和気邦夫
援助に不可欠の人口統計把握 アフリカ局南部アフリカ課 大橋慶太
国連教育科学文化機関(UNESCO=ユネスコ)
無形の文化を世界遺産に 事務局長 松浦晃一郎
国連食糧農業機関(FAO)
漁業性悪説のアンフェアただす 水産局長 野村一郎
世界食糧計画(WFP)
フィールドに生きる アジア局次長 忍足謙朗
世界食糧計画(WFP)
子ども達の未来を開く学校給食 ブータン事務所プログラム担当 焼家直絵
世界食糧計画WFPネパール事務所
学校へ来る女子の家庭にサラダ油 プログラム担当 北島砂織
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
難民支援、微笑と冷笑と チェコ事務所保護管 上野隆之
難民キャンプで性的暴力抑止活動 タイ・カンチャナブリ事務所フィールド・オフィサー 古川敦子 1
受け入れ難い狂気に挑む ジュネーブ本部イラク支援上級デスク担当 織田靖子
夢や愛、難民から学ぶ 財務調達局長 滝沢三郎
世界保健機関(WHO)
グローバル化で新興感染症拡大 西太平洋地域事務局長 尾身茂
世界保健機関(WHO)
日本の貢献見える仕組みを ジュネーブ本部政府・民間セクター連携部医官 諸岡健雄
国連合同エイズ計画(UNAIDS)
エイズはもはや「安全保障」問題 評価モニタリング部シニア・アドバイザー 小池創一
国際電気通信連合(ITU)
情報革命の利益を途上国にも 事務総局長 内海善雄
国際労働機関(ILO)
遅刻、ケンカもいい思い出 財務・会計部長 上岡恵子
安全と健康、他をモデルに アジア太平洋総局(タイ)産業安全保健専門家 川上剛
世界知的所有権機関(WIPO)
知財外交のうねりの中で 顧問 植村昭三
国連貿易開発会議(UNCTAD)
ベストセラー「世界投資報告」 投資傾向分析課長 藤田正孝
国連人権高等弁務官事務所(UNHCHR)
「夫婦いっしょ」への高い壁 人権理事会事務局人権担当官 安達洋子
国連バーゼル有害廃棄物規制条約事務局
有害廃棄物の海外投棄監視役 事務局長 桑原幸子
国際原子力機関(IAEA)
原発検査、日本の技術者優位 原子力施設安全部エンジニアリング・セーフティー課 斉藤健彦
国連工業開発機構(UNIDO)
文化・教育は経済との両輪で 事務局次長 広瀬晴子
国連麻薬管理犯罪防止局(UNODC)
人権NGOから麻薬Gメンに 国際麻薬統制委員会事務局麻薬取締官 高橋宗瑠
国連人間居住計画(国連ハビタット)
反骨心に満ちた“スラムの天使” 福岡事務所人間居住専門官 佐藤摩利子
国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)
国連唯一の独立採算制でがんばる 東京事務所代表 小野京子
国連大学(UNU)
日本に本部がある唯一の国連機関 「環境と持続可能な開発」プログラムセクション学術研究官 飯野福哉
国際復興開発銀行(世銀=IBRD)
排出権取引で地球守り貧困を削減 炭素基金チームシニアオペレーション・オフィサー 中村有吾
国際金融公社(IFC)
持続可能な民間プロジェクト融資 東京事務所副代表 木村卓郎
国連ワンポイント知識
国連とは?
どうなる日本の常任理事国入り
変質するPKO
JPOとは?
日本と国連 59
次の狙いはシニア 81
注目されるミレニアム開発目標(MDGs)
ユネスコ世界遺産と日本
必要な人材をハッキリ
「ロスターに挑戦を」
ILOグローバル・リポート
IAEAとエルバラダイ事務局長にノーベル賞
世界でも珍しい地方密着型国連機関
あとがき
前書きなど
◎序文
世界との共生、連携で国連職員に役割
緒方 貞子 元国連難民高等弁務官・国際協力機構(JICA)理事長
一九四五年の創設以来六〇年を経て、国連には大きな変化が見られる。当初、総会、安全保障理事会、経済社会理事会等、国連は主として加盟国の討議の場として発展してきた。一般的にはニューヨーク・国連ビルにおける会議の場面が紹介されることが多いこともあって、国連は会議外交の場と理解されてきた。ところが、グローバル化の影響もあり、世界各地での諸問題が取り上げられるにつれ、国連は平和維持軍、人権、人道、保健衛生、開発、環境、教育等の幅広い分野にわたって事業を行う行動主体としての役割を果たすようになってきている。
*
本書で紹介されているのは、もともと知られているユニセフ、国連開発計画(UNDP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)等のいわゆる国連機関から、国際労働機関(ILO)、世界保健機構(WHO)、ユネスコ等の専門機関で活躍している日本人職員による活動の実体である。
私自身は、一九六八年以来、国連総会、人権委員会、ユニセフ執行理事会等において、日本の政府代表として活動したが、一九九一年から二〇〇〇年までの一〇年間は、国連難民高等弁務官として、いわば国連職員として、世界の難民の保護にあたった。イラクのクルド難民危機、バルカン紛争における難民、避難民、被災民の支援、アフリカ大湖地域における大量虐殺と救済、また、アフガニスタンにおいては六〇〇万の大量難民の支援と帰還にも従事した。これらの活動を通して、痛感したのは、それぞれの難関に立ち向かうには、現場の実情を把握し、迅速かつ現実的に対応にすることの重要性であった。
国際関係の書物で埋まった外交官の家に生まれ育ち、研究者となって膨大な資料を読みこなす日々を過ごした私にとって、こうした実践の現場は大変貴重な経験となった。国連難民高等弁務官の一〇年間は、現場を把握し、絶えず決断をせまられる日常であった。
世界は今や相互依存の時代となっている。アフガニスタンやスーダン、コンゴ等のアフリカ諸国も、日本がおおいに関心を持たねばならない地域となっている。これらの現場で、嬉しいことに私は多くの日本の若者に出逢うことができた。彼らは国際機関の職員であったり、NGOのメンバーであったりしたが、頼もしい人々として強く印象づけられた。
現在、国連で働く日本人は六〇〇人以上にものぼるが、国際社会が様々な課題に取り組んでいこうとしている中で、国連職員として、日本人がその輪の中に入っているということは重要なことである。世界との共生、世界の人々との連携を考える時、国連職員の果たす役割はきわめて大きい。
*
戦後、日本は国際社会の意義ある一員であろうと努力してきた。欧米の国々にとっては、こうした考え方は当たり前かもしれないが、敗戦を経験し、世界から孤立した経験を持つ日本は、これからも国際貢献を政策の最優先目標とすべきである。そして、これからの日本を背負う若い人たちが、世界の人々のために働こうという意欲を持つことほどすばらしいものはあるまい。本書を通じ、現に国際機関で働いている人々の寸描とメッセージを伝えることができるのは嬉しい限りであり、多くの人たちが国連機関のようなグローバルな場に職を求めることを期待する。
(おがた・さだこ )
◎まえがき
日本が一九五六年一二月一八日、国連に加盟してから今年でちょうど五〇年を迎える。敗戦で長く苦しんだ日本にとって国際舞台への復帰は文字通りの熱い夢であった。加盟にあたり当時の重光外相は国連総会場で演説を行った。足が悪いため杖を片手に足を引きずりながら、濃緑色の演壇に近づく姿は、呻吟する戦後の日本を象徴するかのようであった。重光は重い調子で、しかし、切々と国際社会に復帰する戦後日本の決意と理念を訴え、世界の仲間から温かく迎えられたのである。
国連創設六〇周年の方は、一足早く、昨年、二〇〇五年にセレモニーが行われた。六〇年前、サンフランシスコで国連憲章に加盟国が署名した同じ日の六月二七日、コフィ・アナン事務総長は、「六〇年前のきょう、世界五〇カ国の代表は、連合国人民の名において、将来の世代を戦争の惨禍から救うことを誓ったのです。その文言は人類全体の記憶の中に深く刻まれています」と前置きして、国際社会にメッセージを送った。
それによれば、国連が現在、その実績として評価しているものとして、多くの地域での平和の実現、天然痘とポリオの撲滅、数百万人の子どもに教育の機会を与えたこと、アフガニスタンからブルンジまで各地で復興後の選挙実施を支援したことを挙げている。確かに、国連は数え切れないほど多くの成功をなし遂げてきた。それは、もっと声高に評価されるてしかるべきものであるに違いない。もし国連という組織がなかったならば、これほど大きな成果は生み出しえなかったかもしれない。少なくとも、実現にもっともっと時間がかかったことだろう。
こうした確かな成功にもかかわらず、世界に国連批判の声は充満している。「国連は死んだ」との厳しい批判さえ存在する。筆者自身はこうした考えに与する者ではないが、その気持ちは理解することができる。ルワンダでのあれほどのジェノサイド(大虐殺)を前に、手をこまぬいていた国連の卑劣さ、怠慢は忘れることはできない。アナン事務総長自身も「ルワンダでの大虐殺を防げなかったことは、私たちにとって最大の失敗だ」と反省の弁を述べている。しかし、私は思う。いくら、国連に対して非難の拳を振り上げてみたところで、その矛先は結局、自分自身と自分の国の責任に返ってくるものなのではないかと。
アナン事務総長は言う。「新世紀を迎えた私たちは、新たな脅威や挑戦に直面し、同時に新たな機会にも遭遇しようとしています。『より大きな自由を求めて生活水準を向上』させるという目標は手の届く範囲にあります。その実現のため、私たちは開発、安全保障、人権という三つの側面すべてで進歩を遂げなければなりません」。
アナン事務総長の指摘を待つまでもなく、われわれは結束してグローバル・イシューに立ち向かっていかなくてはならない。経済のグローバル化は情報・通信手段、輸送手段の地球規模化を通して、問題意識を共有し、共通の価値観へと導く可能性を与えてくれている。内向きの日本の中にあって、国連を目指し果敢にこうした流れに身を投じようとする勇気ある若者が増えていることは救いである。
ただ、国連を目指す人たちにとって、やっかいなのは、外から見ていると、国連というのは規模が大きすぎて理解するのが難しいことだ。国連機関にはどんなものがあって、そこで働く人たちはどんな仕事をしているのか。全体を知っている人はほとんどいないし、解説してくれる人もいない。国連の内容を詳しく知りたい。本書は、そういう強い要望に応えるために書かれたものである。
*
国連の機関の数え方は複雑だ。国際人事委員会で共通の職員処遇を適用される国連機関が二九あり、これを「国連コモン(共通)システム」と呼んでいる。ここに世界銀行や、地域委員会を加えて広義の国連機関というと、その範囲はさらに広がり、数も増えることになる。これを「国連システム」と呼んでいる。この国連システムで働く日本人は、いわゆるプロフェッショナル(専門職員)とディレクター(幹部職員)を合わせ、二〇〇五年末現在で、四三機関、六四二人(うち女性三一八人)にのぼっている。この数は年々順調に増え続けており、史上最高を更新している。国連機関全体では不明だが、国連事務局に限ると、二〇〇五年で、日本は、米国、ドイツ、フランスに次ぐ第四勢力になっている。ただ、部長級(D1)以上の数では、米、英、独、ロシア、仏、インド、中国、カナダ、伊に次ぐ一〇位で、若い人の多さが目立つ。これは、明石康、緒方貞子、松浦晃一郎各氏らの国連での活躍ぶりが影響しているのに加え、安保理常任理事国入りを目指す日本政府が日本人職員を増やすようテコ入れしている成果でもある。
本書では、国連本部および国連機関で働く日本人職員五〇人にインタビューし、彼らの仕事ぶりを取材した。その内容は、事務局だけでも、アナン事務総長のスケジュール管理から国連図書館、安保理、選挙監視、平和維持活動(PKO)とさまざま。国連機関となると、環境、貧困、難民支援、学校給食、不発弾処理、産業支援、マラリア防止、エイズ、鳥インフルエンザ、麻薬、排出権取引、文化遺産保護——とありとあらゆるジャンルにわたっている。期せずして、国連が安保理だけではない多様な存在であること、冷戦終焉後、平和と安全の問題以上に開発、経済・社会問題に比重が移って来ていることを明らかにすることができた。
日本は経済大国として、国際社会でその責任を果たすため常任理に立候補している。しかし、日本の、さらにいえば、日本人の国連観はいびつである。本書によって、正しい国連理解と、その上に立った建設的な議論が促進されることになるならば著者にとっては、望外の喜びである。
本書に登場する国連職員の背景をよりよく知ってもらうために、所属機関の概略と、本人の略歴を合わせて掲載した。国連志望者にとって、キャリアプランを考えるのに参考になるものと思う。
著者プロフィール
原田 勝広(ハラダ カツヒロ)
日本経済新聞経済解説部
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます
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