発行:現代人文社
この版元の本一覧
A5判 220ページ 並製
定価:2,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-280-5(4-87798-280-9) C2032
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年02月
書店発売日:2006年02月28日
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紹介
法制審少年法部会委員であった著者が、そこで何が議論されたかを明らかにし、児童福祉と司法福祉のあり方を大きく左右する少年法等の改正論議に一石を投じる。
目次
少年法改正の争点——司法福祉と児童福祉の課題は何か
目次
まえがき Ⅰ
第1部 少年法再改正の審議経過と争点——法制審議会少年法部会の議論をふり返って
第1章 はじめに——少年法改正の経過と第1部の趣旨 2
1 旧少年法の成立 2
2 新少年法の成立 2
3 少年法の改正 3
4 少年法の再改正 4
5 児童福祉と少年法改正 5
6 第1部の趣旨 6
第2章 法制審議会少年法部会の審議経過と争点 8
1 2004(平成16)年10月8日少年法部会(1) 8
1 諮問の背景 8
2 部会審議の基本スタンス 9
3 法改正の立法事実 14
4 捜査と調査 15
5 少年院送致の下限年齢 15
6 虞犯少年の発見 16
7 児童相談所への事件送致 16
8 最高裁判所のプレゼンテーション 17
9 警察庁のプレゼンテーション 17
10 法務省保護局のプレゼンテーション 18
11 法務省矯正局のプレゼンテーション 19
12 厚生労働省児童家庭局のプレゼンテーション 19
◎討議をふまえてのメモ1 20
2 2004(平成16)年10月29日少年法部会(2) 24
1 質問事項に対する事務局説明 24
2 社会保障審議会における審議の経過 25
3 要綱(骨子)第一に対する質疑 25
4 警察の調査権限の重大事件への限定 26
5 警察の調査権限と少年法 27
6 警察の調査と身柄問題 28
7 警察の強制調査と配慮規定28
8 警察の調査と適正手続 29
9 警察の児童相談所への事件送致のあり方 29
10 家庭裁判所への原則送致と厚生労働省の基本スタンス 31
◎討議をふまえてのメモ2 32
3 2004(平成16)年11月26日少年法部会(3) 37
1 児童相談所と事件の真相解明 37
2 児童相談所先議の原則とその見直し 37
3 要綱(骨子)第一の七と児童福祉法の改正 38
4 一時保護所の現状と課題 39
5 児童自立支援施設と医療的ケアの実態 40
6 少年院送致と下限年齢 41
7 犯罪者予防更生法43条にもとづく虞犯通告の実態 44
8 保護観察とプロベーション 45
9 中間答申と要綱(骨子)第三の一の異同 47
10 遵守事項違反と審判事由の追加 47
11 要綱(骨子)第三の一をめぐるその他の論点 48
◎討議をふまえてのメモ3 49
4 2004(平成16)年12月17日少年法部会(4) 51
1 部会審議と主要な論点(概要) 51
2 要綱(骨子)第一の二の修正 52
3 日本弁護士連合会のプレゼンテーション 52
4 任意調査と配慮規定 53
5 要綱(骨子)第一をめぐる質疑 54
6 一時保護のあり方と少年鑑別所への一時保護委託 54
◎討議をふまえてのメモ4 57
5 2005(平成17)年1月7日少年法部会(5) 69
1 少年院収容と刑事責任年齢 69
2 実質的な刑事責任年齢の引き下げ 70
3 年齢引き下げをめぐる議論の経過 71
4 年齢区分と成育度 72
5 刑事責任年齢と責任能力 73
6 医療少年院の下限年齢撤廃 74
7 少年院における処遇と配慮 74
8 少年院送致の例外性 75
9 犯罪者予防更生法42条の射程距離 76
10 要綱(骨子)第三の一の核心的な論点 76
11 恣意的な非行概念の拡大 77
12 要綱(骨子)第三の一と二重処罰の禁止 78
13 曖昧な構成要件 78
14 公的付添人制度の骨子をめぐる質疑 79
15 配慮規定の再検討 80
6 2005(平成17)年1月21日少年法部会(6) 82
1 配慮規定をめぐる最後の攻防 82
2 一時保護のあり方をめぐる対立の再燃 84
3 要綱(骨子)の修正論議 86
4 要綱(骨子)などの採決 86
5 修正案の否決と児童相談所の課題 87
第3章 おわりに——少年法の5年後見直しを見据えつつ 89
1 法制審議会総会での部会長報告 89
2 日本弁護士連合会ニュースの内容 90
3 要綱(骨子)に対する日本弁護士連合会子どもの権利委員会意見 90
4 最後に 91
追記 93
第1部参考資料
参考資料1 法務大臣の諮問第72号(2004〔平成16〕年9月8日) 122
参考資料2 法制審議会少年法(触法少年事件・保護処分関係)部会委員・幹事名簿 125
参考資料3 少年法等の一部を改正する法律案について 126
参考資料4 少年法等の一部を改正する法律案の概要 127
参考資料5 「少年法等の一部を改正する法律案」に対する日本弁護士連合会の意見 128
第2部 少年法改正の争点と課題——法制審議会少年法部会の議論をふり返って——
第1章 少年法部会の審議経過と第2部の趣旨 132
1 少年法改正要綱と中間答申 132
2 少年法と適正手続 132
3 法曹三者の意見交換会 134
4 1998年意見書と路線転換 134
5 少年法改正の諮問と答申 135
6 第2部の趣旨 136
第2章 法制審議会少年法部会の経過
1 1998(平成10)年7月28日(火)少年法部会(1) 138
1 部会審議の基本スタンス 138
2 諮問の趣旨説明とオープニングステートメント 139
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ1 140
2 1998(平成10)年8月27日(木)少年法部会(2) 146
1 逆送年齢の引下げ発言と法務省の釈明 146
2 日本弁護士連合会のオープニングステートメント 146
3 事務局の論点整理 147
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ2 147
3 1998(平成10)年9月10日(木)少年法部会(3) 150
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ3 151
4 1998(平成10)年9月24日(木)少年法部会(4) 155
1 逆送年齢引下げをめぐる応酬 155
2 諮問の枠組みと検察官関与の基準 155
3 最高裁判所および日本弁護士連合会モデルの質疑 156
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ4 156
5 1998(平成10)年10月15日(木)少年法部会(5) 158
1 法務大臣発言の追及 158
2 部会長のA型・B型論 158
3 法務省の軌道修正 158
4 審判協力者論をめぐる意見対立 159
5 日本弁護士連合会モデルをめぐる最高裁判所との質疑 160
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ5 161
6 1998(平成10)年10月28日少年法部会(6) 165
1 国選付添人制度の必要性と付添人の権限 165
2 観護措置期間の延長の当否 166
3 要綱骨子事務局試案の提示 166
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ6 167
7 1998(平成10)年11月17日(火)少年法部会(7)168
1 ドイツ法制と直接主義 168
2 適正手続の明文化 168
3 山形明倫中事件と仙台高等裁判所決定 168
4 少年再審のあり方 169
5 事務局試案の提示 169
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ7 170
8 1998(平成10)年11月30日(月)少年法部会(8) 173
1 適正手続の整備に関する最高裁判所の中間報告 173
2 事務局試案の本格的検討 173
3 検察官関与をめぐる論争 173
◎ワーキンググループ会議などの経過メモ8 175
9 1998(平成10)年12月10日(木)少年法部会(9) 176
1 事務局試案の質疑 176
2 弁護士委員案の質疑(1) 178
10 1998(平成10)年12月11日(金)少年法部会(10) 180
1 弁護士委員案の質疑(2) 180
2 裁量的国選付添人制度 180
3 総括的な意見 181
4 要綱骨子事務局試案等の採決 181
5 採決後の部会長発言 182
第三章 おわりに——迫る少年法改正 183
第2部参考資料
参考資料1 法制審議会少年法部会委員・幹事名簿 192
参考資料2 最高裁が少年法部会に配付した資料 193
あとがき 216
前書きなど
はじめに
私が生まれた翌年の1948(昭和23)年に成立した少年法は、いわゆる団塊の世代と同じく日本の社会に大きなインパクトを与えましたが、1977(昭和52)年、1999(平成11)年、2005(平成17)年の法制審議会答申で、改正の大波に襲われました。
私が少年法に関心を寄せるようになったのは、再審の門を開くことになったみどりちゃん事件最高裁判所決定に関与した1983(昭和58)年以降でしたので、1977(昭和52)年中間答申の当時、私は全くその埒外にありました。
私は漸くみどりちゃん事件を契機に、日本弁護士連合会子どもの権利委員会(旧少年法「改正」対策本部)に参加し、1991(平成3)年には事務局長として全国付添人経験交流集会を立ち上げ、研究者の協力も得て多くの弁護士とともに、今日まで少年法をめぐる適正手続のあり方を模索してきました。
本年2月には第16回全国付添人経験交流集会が開催されますが、1999(平成11)年と2005(平成17)年の法制審議会少年法部会で、私はこの全国付添人経験交流集会のなかで培われてきた日本弁護士連合会子どもの権利委員会の英知をふまえて、改正に反対する見地から論争したつもりです。
残念ながら結果として、1999(平成11)年答申は2000(平成12)年の少年法改正に反映され、2005(平成17)年答申にもとづく改正も予断を許さない状況にあります。
私の青春、朱夏は遠くに去って、白秋もすでに半ばを過ぎてはいますが、団塊の世代である私としては少年法、児童福祉法などに示された戦後理念の形骸化に与したくはありません。
本書がそのためのささやかな一石になればと願っています。
2006(平成18)年1月
若穂井 透
著者プロフィール
若穂井 透(ワカホイ トオル)
弁護士
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