発行:現代人文社
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四六判 218ページ 上製
定価:1,700円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-279-9(4-87798-279-5) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年02月
書店発売日:2006年02月13日
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紹介
逆境にもめげず事業を立ち上げ、「在日」社会で指導者となった著者が、その生い立ち、祖国の民主化闘争支援と金大中元大統領救出運動に奔走した日々を描く。
目次
はじめに
第一部 故郷
第一章 父との再会
故郷と幼少年期の記憶
父を尋ねて玄界灘を渡る
東京・八王子市に移る
新聞配達と中学校入学
「九品仏境内」での決闘
中学クラスメート同士の決闘
第二章 太平洋戦争
中学卒業後、父の土木業を引き継ぐ
飛行場工事現場での大乱闘
海軍工廠工事現場からの脱出
第三章 日本敗戦と祖国独立
朝鮮解放の年に
劇団ムーランルージュとの関わり
歌舞伎町の復興
小山町護岸復旧工事中の事件
パチンコ店で刑務所帰りの男が大暴れ
家内の入院と私の定期便
詐欺師・権赫始のこと
第二部 闘争
第四章 民族運動の始まり
祖国は解放されたけれど
民団渋谷支部結成に参加
韓国軍への慰問品と売名分子
東京商銀信用組合の設立
第五章 民団東京本部団長の時代
在日韓国人の法的地位確保運動
協定永住権の虚実と訪韓陳情団
中央情報部地下室で見た光景
「永住権申請促進事業」とは
KCIAの選挙干渉を跳ね返して
第六章 捏造録音事件とKCIAとの闘争
民団中央団長選挙と金公使発言
金在権公使の策略と詭弁
ペ東湖氏にKCIAから召喚状
録音問題真相報告大会
李禧元団長、東京本部を不法占拠
本富士警察署長の采配
十五年続いた裁判闘争
収拾合意覚書と「暴力事件」
捏造録音事件の経過
朴正煕維新独裁と民団の「維新化」
東声会・町井会長との面談
「背景」ある友人の忠告
自宅に火炎ビン投げ込み、刺客来訪
7・4南北共同声明と民団
第七章 金大中先生救出運動と反独裁闘争
金大中先生との出会い
金大中先生の箱根演説
「金大中氏拉致事件」と救出運動
金大中先生救出運動日誌
韓国民主化闘争の意義
救出運動を省みて
「韓民統」結成と運動資金
「救対委」解散と私の辞任
李公使との会談と韓国訪問
金大中大統領就任式に招待されて
不可解な冷遇と追い討ち
あとがき
解説 「金大中救出対策委」委員長の闘争記録 長沼節夫
前書きなど
◎はじめに
私がこの世に生まれた時、祖国の山河はすでに日本に奪われ、ふるさとの田畑は他国の軍靴に踏みにじられていた。日本は既にその七年前から、朝鮮全土を勝手に自分たちの植民地にしてしまっていた。しかし、そのようなことは後日、物事の道理をわきまえる年になってから分かったことである。そのようなことを知るすべもない幼少期に、私は父を尋ねる母の手に引かれて日本にやって来たのだった。
それ以来八〇年近くの歳月を、日本のこの地で生きながらえている自らの姿をふと意識する時、その間、私は何をして来たのだろうかとの思いに耽ることがある。
私は七人兄弟の長男に生まれ、父母とも一緒に生きるために無我夢中で働き、時には人の世の理不尽さに反抗して暴れることもあった。そして、相当の財を成すにいたる時期もあった。
しかし、私にとって青春時代があったとすれば、それは若かった時代を過ぎてずっと後、韓国の民主化運動と金大中先生救出運動という民族史の現場に身を投じて闘う苦しい歳月を送ったころであったといえる。
そのころの私は、志を共にする多くの仲間たちと一緒に、東京のど真ん中で何千人もの民衆を集めて集会を開き、独裁政権の蛮行を糾弾して銀座通りを数え切れぬほどデモ行進した。そしてついに、民衆の闘いによって軍事独裁政権は崩れ去り、さらに時代は変わって金大中大統領の下で民主化は前進し、政権は安定した。
二〇〇二年六月の金大中大統領のピョンヤン訪問以来、朝鮮半島情勢は軍事独裁政権下では想像もつかないほど、民族の悲願である祖国の統一に向って画期的な前進を遂げているように見える。その調子で、統一への道がさらに進み拡大されることを、心から祈るばかりである。
ところが、金大中政権誕生後、政権内部の力のバランスと人事において釈然としない、民主化路線に反する現象が見えてきたため、その成り行きを注視している国民はいうまでもなく、私たち海外同胞もやるせない思いを抱くようになった。
そのようなところへ、かつての同志や友人などから、金大中先生は民主化闘争の精神を忘れ、あの時の血と涙の意味をないがしろにしている。だから在日の運動を総括して民衆の願望に叶う政策を実践するように声を上げるべきだ、との要望や訴えをしばしば受けるようになった。
もとより私は在日同胞の運動を統括する立場にはない。けれども、そのような提言を受けて考えているうちに、自分の歩んだ道を記録にとどめておきたい気持ちがだんだんと湧いてきた。
特に、民団の「捏造録音事件」や「金大中先生救出運動」については、直接関わって、心血を注いだ者の立場から、沈黙を守り通してばかりではいられない気持ちになってきたのである。
こうして乏しい記録と資料を頼りに、歩んだ道を思い出しつつ、拙い自叙伝を綴ることにした。もとより、かつての同志や友人などの期待に応えることは到底出来ないが、わが子孫らが自らの「在日の発端」を理解する手掛かりとなり、何時の日か、祖国の歴史の片隅に在日同胞の来歴が記録される時、史料の一部となれば幸いである。
二〇〇六年一月
鄭在俊
版元から一言
在日韓国人・朝鮮人社会史の一断面と拉致された金大中元大統領救出運動の秘話としても読みごたえある。また、韓国政府とKCIAによる在日社会への干渉に関するあたらしい事実も描かれている。
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