クメール・ルージュ国際法廷への道カンボジア大虐殺は裁けるか
スティーブ・ヘッダー:著, ブライアン・D・ティットモア:著, 四本 健二:訳
発行:現代人文社 この版元の本一覧
A5判 248ページ 並製
定価:2,900円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-265-2(4-87798-265-5) C3032
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年12月
書店発売日:2005年12月08日
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紹介

20世紀最悪の悲劇。カンプチア共産党は200万人近くを殺したと言われている。大虐殺を主導した7人を、詳細な証拠に基づき告発。

目次

第2版へのはしがき
第2版へのまえがき
謝辞
日本語版へのまえがき
カンボジア地図
要約
序章  裁判への長い道のり
第1章 裁判はいつ始まるのか——カンボジア政府と国連の外交交渉——
第2章 虐殺はいかに行われたか
 A カンプチア共産党の方針
  1.前政権(クメール共和国政権)関係者の処刑
  2.民主カンプチアにおける非共産主義者の処刑
  3.党幹部の粛清
 B 党の指揮命令系統
第3章 7人の容疑者
 A 要約
 B 容疑
  1.ヌオン・チア
   a. 証拠の分析
    ⅰ 党内での地位と役割
    ⅱ 供述調書
    ⅲ 末端党組織からの報告
   b. 法的分析と結論
    ⅰ 個人としての責任
    ⅱ 上官としての責任
  2.イエン・サリ
   a. 証拠の分析
    ⅰ 党内での地位と役割
    ⅱ 演説と声明
    ⅲ 供述調書
    ⅳ 末端党組織からの報告
   b. 法的分析と結論
  3.キュウ・サンパン
   a. 証拠の分析
   b. 法的分析と結論
  4.タ・モク
   a. 証拠の分析
    ⅰ 党内での地位と役割
    ⅱ タ・モクらの政権崩壊後の声明
    ⅲ 供述調書
   b. 法的分析と結論
    ⅰ 個人としての責任
    ⅱ 上官としての責任
  5.ケ・ポク
   a. 証拠の分析
    ⅰ 党内での地位と役割
    ⅱ 供述調書
    ⅲ 末端党組織からの報告
   b. 法的分析と結論
    ⅰ 個人としての責任
    ⅱ 上官としての責任
  6.スウ・メットおよびメア・ムット
   a. 証拠の分析
    ⅰ 党内での地位と役割
    ⅱ 参謀本部会議議事録
    ⅲ スウ・メットおよびメア・ムットの報告とその他の文書
   b. 法的分析と結論
    ⅰ 個人としての責任
    ⅱ 上官としての責任
第4章 結論
補論  個人としての刑事責任
  1.個人としての責任
   a. 犯罪の命令
   b. 幇助および教唆
   c. 共通の目的または共同謀議
  2.上官としての責任
   a. 上官としての責任論の本質
   b. 上官としての責任の構成要件
    ⅰ 上官—部下関係の存在
    ⅱ 犯意
    ⅲ 防止および処罰の義務
クメール・ルージュ関係年表
訳者あとがき

前書きなど

●推薦●
著者の1人であるヘダー氏はカンボジア現代史の世界的な権威であり、92年から93年にかけてUNTACの分析部門で重要な役割を果した。
本書は、私の交渉相手だったキュウ・サンパンを含む7人のポル・ポト派幹部が、同国の20世紀最大の虐殺行為に深く関与していたことを、完膚なきまで証拠づけている。
明石康(元・国連カンボジア暫定統治機構〔UNTAC〕事務総長特別代表)

●第2版へのはしがき●
 本書は、カンボジア史料センター(Documentation Center of Cambodia: DC-Cam)の戦争責任プロジェクトによって再版されたものである。この戦争責任プロジェクトは2001年4月に開始され、今ではDC-Camの中心的プロジェクトのひとつとなっている。このプロジェクトの活動は、スウェーデン国際開発協力庁(Swedish International Development Agency:SIDA)、オランダ、ノルウェー、イギリス各政府の資金供与によって支えられている。
 このプロジェクトは2つの主要な目的をもっている。その1つは旧カンプチア共産党幹部の責任を裁く刑事裁判で証拠となる情報、史料を整理することである。いま1つは、元・党幹部への聞き取り調査を通して民主カンプチア時代とはどのようなものであったのか、という歴史をより正確に描きだすことで国民和解を促すことである。
 この2つの目的を達成するために戦争責任プロジェクトは2つの分野で活動している。その1つは、本書の出版にも関連するが、民主カンプチア時代と将来裁判にかけられるであろう最高幹部に関する文書を分析することである。2001年以来、DC-Camは10人の最高幹部に焦点をあて、約2500ページにおよぶ「クメール・ルージュ文書(Khmer Rouge Dossiers)」を分析し、300ページにわたる要約を作成してきた。
 戦争責任プロジェクトのもう1つの活動は、当時の幹部への聞き取り調査を通して法的、歴史的に重要な事実を明らかにしてゆくことである。聞き取り調査の対象は1975年から1979年の間に民主カンプチア当局によって作成され、現在は当センターが保管している関係者の公式履歴書などをもとに選び出している。
 DC-Camが保管する履歴書は30438人分に及び、そこに記された出生地を手がかりに当時の幹部たちの行方を追っている。2001年のプロジェクト開始以来、聞き取り調査はすでに1000件を越え、クメール語によるインタビューの記録は約17000ページに及ぶ。
 著名なカンボジア研究者のスティーブ・ヘダー(Stephen Heder)博士と国際的な弁護士のブライアン・D・ティットモア(Brian D. Tittemore)氏によって書かれた本書が再版されることは、上記のような戦争責任プロジェクトの中心的課題にこたえるものである。とりわけ本書は「クメール・ルージュ文書」を分析してゆく上で必要不可欠な資料となるばかりでなく、多くの党幹部による人道に対する犯罪の法的責任を追及するための手がかりとなるであろう。本書は、今日までにDC-Camやトゥールスレン虐殺博物館(Tuol Sleng Genocide Museum.もとは高校の校舎であったが民主カンプチア時代にS-21と呼ばれる治安機関本部が置かれた。現在は博物館として公開されている)その他の史料に依拠しておこなわれた研究のうちで最も精緻なものであろう。また本書は、依拠した史料がもつ法的証拠としての潜在的な価値をも明らかにしている。、さらに、戦争責任プロジェクトの一環をなす本書は、カンボジアにおける正義の追求と歴史の解明に大いに貢献するはずである。
 最後に、本書の出版を支援してくださったスウェーデン国際開発協力庁及びオープン・ソサエティ・インスティテュート(Open Society Institute)に記して謝意を表したい。
 2004年3月、プノンペンにて
 カンボジア史料センター事務局長 チャン・ユー、法律顧問 ジョン・シオルシアリ




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