ニューヨーク病を超えてNYに住んでも幸せになれない
竹永 浩之
発行:現代人文社  発売:大学図書
この版元の本一覧
四六判 208ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87798-167-9(4-87798-167-5) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年07月
書店発売日:2003年08月01日
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紹介

NYで待つのはバラ色の人生か、貧乏・ウツ・孤独の三重苦か?NY在住の著者が発見した「ニューヨーク病」の解剖と壮大な「ジャパンタウン計画」のためのスキルとパワーを提示。

目次

もくじ

まえがき

第1部 NY日本人色模様
第1章 NY日本人コミュニティ
一〇万人と六万人/一〇万人の日本人都市/二〇〜四〇代が中心/さまざまな日本人/NY日本人コミュニティのこの一〇年

第2章 『週刊Nuts』の正体
書きたいヤツが書く紙/コテコテのコミュニティ紙/取り上げた問題たち

第3章 日本人とニューヨーク
強化される「憧れ」/「憧れ」と「現実」/「ありがたり」信仰

第4章 NY日本人を取り囲む問題たち
マイノリティ&ヨソ者として生きる/日本人であることのツラさ/やりたいことがやれない街/問題解決を邪魔するもの


第2部 ハロー、ニューヨーク病
第5章 「ニューヨーク病」の前に「パリ症候群」
パリ症候群の患者たち/ボロクソ「留学生」/どこにでもいる「国際結婚した日本人妻」/悲しい悲しい「現地雇い組」/で、解決の方法は?

第6章 とうとう「ニューヨーク病」
アンハッピーな病/ニューヨーク病の症状いろいろ/ニューヨーク病の患者さんってだれ?

第7章 「ニューヨーク病」の原因ってなによ?
「ニューヨーク」の問題/「日本人気質」の人間/「ビザ」の問題/「日本人コミュニティ」の問題/「仕事および日本人マーケット」の問題/ニューヨーク病の正体

第3部 グッバイ、ニューヨーク病〜グリカGOGO大作戦
第8章 グリーンカードへの道GOGO
「ビザ」やっつけ=グリーンカード/〈グリーンカードへの道GOGO〉の守備範囲/「ビザ」問題の解剖

第9章 「ビザ」問題解決策
解決策1‥「ワーキングビザが取りやすい環境作り」/解決策2‥「ワーキングビザをGetするためにビザサポートが必要な場合でもいろんな仕事の選択肢があり、ついでにその選択肢の中でおもしろい仕事を見つけるのも簡単な環境作り」/解決策3‥「好きなことでメシを食うにはやっぱりグリーンカードだが、それをGetするのがすんげえ簡単な環境作り」

第10章 グリーンカード日本人の増やし方
グリーンカードバンバンサポート運動/グリーンカードバンバンサポート起業/みんなで〈グリーンカードへの道GOGO〉

第4部 NY日本人の未来
第11章 「帰れ」
だれが“帰る”べきなのか/「日本よりニューヨークのほうがいい」という信仰/本当に「日本よりニューヨークのほうがいい」?/日本にいたらわからない問題たちの「壁」感/「帰る」ことは負け犬なのか
気軽に「グッバイ・ニューヨーク」/ニューヨーク帰り日本人の居場所/移民にやさしい日本人/もう遠くはないニューヨーク/バリバリの日本人ニューヨーカーになって帰る/日本にいながら「ニューヨークの今」キャッチアップ/帰る人、残る人

第12章 NY日本人コミュニティの未来
LICジャパンタウン計画/NYJJ基礎体力作り/NYJJ構造改革/未来を創ろうという意志

あとがき

前書きなど

 「ニューヨークをただありがたがってるだけじゃなく、自分たちのために活用する」。この本のココロのひとつはそこにある。いきなりだが。
 これまで日本ではニューヨークに関するさまざまな本が出版された。
 一番多いのは、なんと言っても観光系。ブロードウェーがどうとか、美術館がどうとかいう本だ。
 あとは、日本の著名人やニューヨーク在住日本人のエッセイ系か。ベーグル食ったとか、アメリカ人の友だちができたとか、そういう遠足エッセイみたいな本である。
 そして最近出てきたのが、「ニューヨークで働く」「ニューヨークに住む」系の本。「あこがれのニューヨークで働いてみませんか」とか「ニューヨークに住むあ・た・し」などをテーマにして、日本にいる若い衆の「ニューヨークに住みたい気分」をヤミクモに煽る本である。
 これらの本には、共通項がある。それは「憧れの街、ニューヨーク」。どの本もニューヨークをありがたがってばかりいる。日本人がニューヨークを自分たちの都合のいいように使っちゃう、なんて話はほとんど出て来ない。すべて受け身なのである。
 私は、「二一世紀にもなって、それではいかんね」と考えている。
 日本人がニューヨークに住もうとする場合、何かやりたいことなり、目的があるのが普通だ。中にはただ漠然と来る人もいるが、それはそれで問題なし。ニューヨークで思う存分チンタラしたらいい。
 それぞれのやりたいことなり目的なりがこの街で実現できれば、それが一番ビューティフルである。しかし、ニューヨークの現実は厳しい。やっぱそんなに簡単じゃないのよね。言葉の壁、ビザの壁、人種の壁と、問題には事欠かないのである。
 その際、選択肢は二つある。
 「あきらめる」か、あるいは「突っ込む」かだ。
 あきらめるのは簡単である。ただあきらめればいい。でも突っ込む場合はそれなりの作戦が必要になる。なんらかの壁がある場合、それをひとりで壊すのはちょっとキツいから、だれかと協力してやる必要があるし、壊し方もいろいろある。
 そのとき、ニューヨークをありがたがってるヒマはない。「ニューヨークに住んでるだけで、まあいいか」とか考えたらダメよ。主役はあくまでも自分なのである。自分たちのいいようにこの街を活用するための作戦を立てればいい。問題が山ほどあるなら、とりあえずそいつらをやっつけるべきだ。
 その場合の「自分たち」とは日本人のことである。日本人同士が協力して、日本人が住みやすいニューヨークを創り出すのである。
 この本では、日本人がニューヨークで直面する諸問題を取り上げる。問題とは、「ニューヨーク病」を中心とする「日本人がニューヨークでハッピーになることを邪魔してる壁」と考えてもらえばいい。そしてそれらの解決策も同時に紹介する。

 この本に掲載した内容のほとんどは、私がニューヨークで発行する日本語ミニコミ『週刊Nuts』のコンテンツがベースになっている。
 私がニューヨークに来たのは一九九二年二月。名目は留学だが、本当の理由は「なんとなく」だった。九四年三月に『週刊Nuts』を創刊。それ以後、飽きもせずにずーっと出し続けている。
 この一一年間、私はニューヨークの日本人コミュニティを見つめ続けてきた。そして考えたこと、感じたことを『週刊Nuts』に書き綴った。
 自分で言うのもなんだが、一種の変人だと思う。ただ、観察し続けたおかげで、いろんな問題や可能性を見つけることができた。
 私の根底にあるのは、「ニューヨークにできるだけ多くの日本人が住んで、それぞれができるだけ自分の好きなことでメシを食って、ハッピーに暮らせたらいいなあ」という思いである。この本のゴールもそこにある。
 ただ私には、無責任に「ニューヨークでおしゃれな生活」とか「ニューヨークでバリバリ働く」などと夢みたいなことばっかり言って、日本の罪もない若い衆を煽る度胸はない。
 そういう甘い言葉に騙されて、谷底に落ちてゆくヌーの大群のように彼らが次々に玉砕したらどうすんのよ。先にニューヨークに移り住んだ者の義務とすれば、まず「そこは谷だから、迂回しないとダメよ」と教えてあげるのがスジだろう。それがこの本の役割でもある。
 タイトルの『NYに住んでも幸せになれない』にはちょっとネガティブな響きがあるかもしれないが、正確には『あんたさ、“NYに住めば幸せになれる”とか受け身なこと考えてないで、反対に“NYをうまく使って幸せになってやる”ぐらいのナメた気持ちでいかないと大変よ』になる。それをちょっと省略したのが『NYに住んでも幸せになれない』である。じぇんじぇん違うけど。
 日本の若い衆たちが、ニューヨークを奉る本を読むのと同時に、この『NYに住んでも幸せになれない』にも目を通し、「へえ〜、そういう面もあるんだ」と思ってくれたら幸いである。
 ただ、前者の類書はいっぱいあるから、本屋での立ち読みで十分だ。でもこの本の類書はほとんどないから、買うしかないだろ。あなたが見たことも聞いたこともないニューヨークがこの本には詰まっているのである。
 買った人はラッキー。買ってない人は手に取ってレジに行きなさい。ほれ、早く。

版元から一言

慣れないアメリカ生活でキレちゃう前に、利用して・楽しんで・伸し上がるNY活用 術! NYで待つのはバラ色の人生か、貧乏・ウツ・孤独の三重苦か?NY在住の著者が 発見した「ニューヨーク病」の解剖と壮大な「ジャパンタウン計画」のためのスキルとパワーを提示。

著者プロフィール

竹永 浩之(タケナガ ヒロユキ)

1966年、熊本県八代市生まれ。
映画『ジョーズ』を観て海洋学を志し沖縄に。勉学が肌に合わず大学を脱走。離島で海関係の仕事に従事。その後、アジアを放浪。日本で社会復帰後、「ニューヨークからいいニオイがしてきた」という理由のみで92年渡米。
94年『週間Nuts』を創刊。知らない間に現在に至る。『週間Nuts』発行人。

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