その両義性とアポリア「臨床心理学」という近代
大森 与利子:著
発行:雲母書房  発売:雲母書房 この版元の本一覧
A5判 344ページ 上製
定価:2,600円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-87672-184-9 (4-87672-184-X) C0011
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年11月 書店発売日:2005年11月11日
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目次

Ⅰ部
第一章 「臨床心理学」の問題系
1「臨床心理学」という突出現象
①今、なぜ「臨床心理学」なのか
②突出現象の裏側
2ポピュリズムと心理学
①ポピュリスト・ナショナリズム
②心理学知見と市場主義経済
3「心いじり」に群がる人々
①学校や家庭を覆う心理学熱
②「心の教育」と臨床心理学
③不安緩和剤としての「心いじり」
4もうひとつの「逆転移」〜臨床家の「シニフィアン」と「シニフィエ」〜
①臨床家とは?
②指導者の言説
③脱・主流言説の周辺
④もうひとつの「逆転移」
5「臨床心理学」というイデオロギー〜人間観を追う〜
①心理学成立の経緯
②臨床心理学の今日像
③セラピー・そのイデオロギー
④「病者」=当事者の眼差し
第二章 市場競争原理主義と「心理学」の台頭
1個体還元論(こころ主義)の蔓延
①「こころ」が言挙げされる時代
②「こころ主義」の陥穽
2消費社会における個人化の進展と「心理学」の役割
①消費財としての家族
②グローバル経済の中の個人
③個人化の進展と専門家依存
3自己責任論と自助努力論
①心理学言説の群れ
②教育場面と心理学的ロジック
③地域社会と心理学的ロジック
④企業社会と心理学的ロジック
Ⅱ部
第三章 「臨床心理学」という近代
1「臨床心理学」のアポリア
①わが国における歴史的展開
②歴史的シンポジウムそして対論
③臨床心理学のアポリア
2「個人の病理」と「関係性の病理」
①病理把握の根源的相違
②近代性把握の根源的相違
3「語ること」と「語らされること」〜ナラティヴ・セラピーという試み〜
①セラピストの《語り》とクライエントの《語り》
②アンチテーゼとしての「ナラティヴ・セラピー」
第四章 近代性と精神分析
1精神分析の深淵
①ラカン・アルチュセールのフロイト解釈
②「精神分析」私見
2フェティシズムと近代性
①フェティシズム形成のメカニズム
②近代化というイデオロギー
③わが国における近代批判の潮流
終章 アポリア超克は可能か〜パラダイム変換への視座〜
1「臨床心理学」の射程と限界
①職業的倫理について
②生活・援助場面の心理主義化
③知識社会学の示唆
2「エスノメソドロジー」という視点
①現実の社会的構成
②「エスノメソドロジー」とは?
③セラピー言説の拡張
④社会学の刺激的試み
3「共生・共存」へのアプローチ
①「弱さ」との「共生・共存」
②当事者性ということ
③教育場面における「共生・共存」
④結び

前書きなど

臨床心理学という近代知を読み直す!

近代を批判的に透視したフロイト、マルクス、ラカン、アルチュセールらの理論や 社会学の知見にも依拠し、「共生・共存」に根差した「節度の臨床心理学」復活への道筋を探究。

市場競争原理に取り込まれ拡大化しつつある、臨床心理学という近代知。 今日の臨床心理学は、個人還元論が優勢で、社会・状況還元論は退潮傾向にある。そのアンバランスな構図に不健全な時代状況が映し出されている。 はたして、この近代知は個に優しい知なのか。共同性感覚を育む知となり得るのか。

著者プロフィール

大森 与利子(オオモリ ヨリコ)

神奈川県藤沢市在住。静岡県生まれ。1979年、立教大学大学院
文学研究科博士前期課程修了。心理治療機関、地域の相談セン
ターカウンセラー、大学、短期大学等の非常勤講師・学生相談
室相談員などを経て、現在、関東学院大学、人間総合科学大学
等の非常勤講師及び地域の研修会講師

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