発行:雲母書房 発売:雲母書房
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四六判 192ページ 上製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-87672-121-4(4-87672-121-1) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2002年05月
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紹介
これまでの社会的引きこもり論にはその「社会的」なるもへの言及がなかった。さらに、その結果「引きこもり」を病理とみなし、治療の対象と考えてきた。本書は、これまでの引きこもり論を徹底検証する中から、その発生から回復までのプロセスを丹念に考察する。さらに一歩踏み込んで、「正しい引きこもり」についての提案を行っている。『ついていく父親』『母という暴力』に続く、著者渾身の書き下ろし。
目次
Ⅰ 引きこもり現象の現在
第一章 引きこもりの社会心理学的背景
第二章 社会的引きこもり観の限界
第三章 引きこもりの危機Ⅰ 引きこもり引き出し人
第四章 引きこもりの危機Ⅱ 社会的自立論について
Ⅱ 正しい引きこもり─引きこもりにはプロセスがある
第五章 引きこもりの往路 引きこもりのプロセス1
第六章 滞在期について 引きこもりのプロセス2
第七章 自己領域と帰路について 引きこもりのプロセス3
Ⅲ 具体例を考える
第八章 女性が引きこもるとき
第九章 引きこもりを生み出す環境 〈教導する父〉の問題
第十章 引きこもりの意味 撤退と退行
Ⅳ 引きこもりの失敗
第十一章 引きこもりと暴力 正しく引きこもるための大切さⅠ
第一二章 正しく引きこもることの大切さ 西尾市一七歳ストーカー殺人事件
前書きなど
仕事をやめてしまった。いまは仕事をしていない。人ともつきあっていない。家にいるけれど、家族と口をきかず自室に籠もったままだ。「仕事はどうするの?」と聞けば怒るし、無理に外に引き出そうとすれば暴れる。いったいいつまでこうした状態が続くのだろう。どうしたらいいのか。
ほとほと困り果てた親たちの専門機関その他への相談があってはじめて家族以外の人に事情が知られるようになる、これが引きこもりの一般的な現実です。ここでは引きこもり現象と呼ぼうと思います。
引きこもりにわざわざ現象という言葉を付したのにはそれなりの理由があります。
一つは、引きこもりは、あくまで「そのように人の目に映っている」ということ、一つの現れであって、本人以外の人が「あの人は引きこもりである」といっているだけなのです。その点をまず明瞭にしたくて”現象”という言葉を付け加えました。
もう一つあげると、「社会的引きこもり」を語っている人の引きこもり論に、社会的背景、社会状況に対する分析がまるでないということです。社会的という言葉を引きこもりに冠していながら、当のその社会的なるものに対する言及がほとんどないのです。社会的引きこもり論に引きこもりを社会的な現れ(現象)ではないかと問う視点がないということは、とても異様な事態です。この時代に引きこもり現象が激増するのには、それなりの社会的理由があるからに相違ありません。社会的背景がなくては、引きこもりの大量出現は起こりえないのです。
(前書きより抜粋)
版元から一言
引きこもり現象はとかく子どもの問題として取り上げられがちです。しかしながら30代、40代になっても引きこもっている人たちが大勢います。本書は引きこもりとは単に学校、家庭といったスッポット的な原因によるのではなく、社会的な構造自体、そこへ傾斜していく要因があるのではないかと疑問を投げかけています。
正しくひ引きこもれなかった人、無理矢理に学校や社会へ引きずり出されてしまった人は、またその坂道を転げ落ちてしまう。著者はゆっくりとでも良いからその坂道を本人自身が上っていけるような姿勢が必要なのだと強く訴えかけています。
著者プロフィール
芹沢 俊介(セリザワ シュンスケ)
1942年、東京生まれ。上智大学経済学部卒。気鋭の社会評論家。著書に「イエスの方舟論」「子ども問題」「現代子ども暴力論」「母という暴力」(春秋社)「子どもたちの生と死」(筑摩書房)「子どもたちはなぜ暴力に走るのか」(岩波書店)「ついていく父親」(新潮社)「事件論」(平凡社)他多数。
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