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ふしぎな朝鮮のアメ売り
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年11月
- 書店発売日
- 2013年11月18日
- 登録日
- 2013年10月31日
- 最終更新日
- 2013年11月1日
紹介
母親を亡くした孤独な少年の耳に飴売りの不思議なリズムが聞こえてきます。飴売りの言うにはこの飴をなめると、いやなことはなんでも好きなことに交換できるという。
少年がなめた飴にははたしてどんな不思議な魔法がかけられていたのか・・・・
そして少年が見たものは?
前書きなど
あとがき
18世紀後半の朝鮮時代に、金弘道という有名な風俗画家が描いた「相撲」という絵の中に、伝統の飴売りの姿が描かれています。
韓国では、現在もお祭りや行事の時、広場に昔の飴売りの姿をしてハサミをもって呼び込みをしながらアメを売っています。呼び込みの口上おもしろおかしく、二本のハサミでリズムを打ち鳴らして人を寄せ集めます。大人から子どもまで、その語りと踊りとハサミのリズムで魅了します。
そんな昔からの伝統の飴売りを現代版にして、舞台のパフォーマンスに仕上げた人が打楽器奏者のコ・ソㇰチンさんでした。現在、韓国ソウル芸術団団員であり、グループ「打」の代表です。
日本でも公演する機会があって、コリアン・タウンの近くの小学校でチャリティー・コンサートをしました。
子どもたちは、ハサミをもってリズムをつくる飴売りに拍手喝采、大受けでした。その時、突然、一人の子どもが立ち上がり手をたたき、お尻をフリフリ、リズムをとりうれしそうに体中で喜びを表現していました。私も、彼と一緒に立ち上がって、手を打ち、お尻をフリフリ。本当に楽しいひとときでした。しあわせでした。
後で校長先生が、普段そんな風に喜びを表現することがなかった子どもなので、びっくりしたとおっしゃっていました。
その時私は、アメ売りの絵本を書こうと思いたちました。
子ども達に夢とやすらぎをあたえることができたらと、この絵本を書きました。
書くにあたって、韓国打楽器奏者のコ・ソㇰチンさんとともに、名人と呼ばれている伝統の飴売りのユン・パルトさん、その息子さんのユン・イルグォンさんを訪ね、目の前で実演していただき、コ・ソッチンさんを交えた三人のパフォーマンスも見せていただきました。おまけに、おいしい伝統のアメまでおみやげに頂きました。
その飴売りのユン・パルトさんを紹介してくださった韓国古宅文化財所有者協議会ユン・ワンシク副会長、水墨画家キム・ヘジン先生を紹介してくださった韓国美術評論家の申恒燮先生、在日の画家李景朝先生、いつも文を書くにあたって指針を与えてくれる児童詩人の李芳世さん、韓国語訳のピョン・ミヤン先生、また金幸代先生に深く感謝します。
版元から一言
韓国にはお祭りなどの時、広場にハサミでリズムを取りながら、面白おかしい語りと踊りで見物客を楽しませ飴を売る大道芸があります。その飴売りと母を失った孤独な少年の心の交流を描いたファンタジックな絵本です。リズミカルなハサミの音も随所に出てくるので低学年の絵本の読み聞かせにぴったりです。
上記内容は本書刊行時のものです。