書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
こどもといっしょにたのしくさんすう 小学1~3年
考える力を育てる学習法
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2002年6月
- 書店発売日
- 2002年6月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2010年10月27日
重版情報
5刷 | 出来予定日: 2012-07-15 |
MORE | |
LESS |
目次
すごくいい本が出た―親・教師の座右の銘に 汐見稔幸
はじめに 子どもの目線で考える算数
第1章 1年生の算数
〔1〕「なかまあつめ」って算数なの?
1.石ころ・木切れ・ガラス片の3つは、何のなかま?
2.なぜ、「3」から勉強を始めるのでしょう?
3.「なかまあつめ」が大切な理由
■「ぼく、もうかけ算だって知ってるよ」―子どもたちの生活の変化
〔2〕「いくつといくつ」って、むずかしいよ
1.「3と□で10」の意味がわからないよ
2.「5」が大切なんだね
3.“とりとりゲーム”
■発見の喜びが意欲を育てる
〔3〕ウサギとニンジンをたしたらどうなる?
1.2ひき+3ほん=5ひきほん?―子どもたちの考え
2.たし算の意味いろいろ
〔4〕チョコレートを食べて「ひき算」を考える
1.先生がずるいことをした!―ある日の授業参観
2.ひき算の意味いろいろ
〔5〕『にじゅう』ってどうして「20」と書くの?
1.数え棒つかみ取り大会
2.ひろ子さんの大発見
■番外編―数の歴史
〔6〕10をつくろう―「くり上がりのたし算」
1.ティッシュ箱で考えたよ
2.くり上がりのたし算―まとめ
夏休み!遊びながら算数しよう―1年生編
・ 身のまわりの数字探し
・ カード遊びや数あて遊び
● あわせて10(10の補数見つけ)
● 計算しりとり
● 数あてゲーム
● オーノー
● カードあわせ
■ 家で数えるのはなかなか大変
■ 指を使うのは禁止したほうがいいの?
第2章 2年生の算数
〔7〕 「かけ算」って、便利なんだね
1.かけ算の意味がわかったよ
2.1あたり量って、なに?
(1)かけ算探検
(2)かけ算お店屋さんごっこ
3.かけ算の意味がもっともっと見につく方法
4.九九ゲームいろいろ
・テープに負けるな
・タイムトライアル
・サイコロコロコロ
・お絵描きでかけ算
・めいろ
・魚つり
・君の記憶は確かか
・カルタとり
■ どうして「かけ算」っていうの?
■ 番外編―漢字先生
〔8〕「長さ」を探検しよう
1.「大きい」と「長い」が一緒になってしまうよ
2.ものさしで測ると、いつも合わないよ
■0の発見
夏休み!遊びながら算数しよう―2年生編
・ 魔方陣
・ ケーニヒスベルクの橋と一筆書き
・ ハノイの塔
第3章 3年生の算数
〔9〕「3ケタのひき算」ってむすかしい!?
1.2回のくり上がりとくり下がり
2.「302-129」の学習へ
3.ぼく、わかったよ―イラツキ雄二君の発見
■間違えても安心だから、自信がついていくんだよ
4.3ケタ計算の特別な意味
〔10〕「わり算」―同じ数ずつに分けるだけじゃダメ
1.わり算の3つの意味
2.1あたり量を求めるわり算って
3.あまりの出るわり算―子どもたちの考え
4.いくつ分を求めるわり算は「まとめ配り」だ
5.43÷8の答えは、3でしょ??
〔11〕「液量(かさ)」溶ける=消えてなくなる??
1.かさかさかさの秘密 だれが一番たくさん水を飲んだのか
2.デシリットルとミリリットルを実感したよ
3.冷蔵庫にも、リットルって書いてあるよ
4.カルピズは水を混ぜると消える
〔12〕「重さ」―力を入れると、体重が増えるって本当?
1.比べてみよう?ペンケースチャンピオン大会
2.1キログラムと1グラムを自分で作ったよ
3.重さについての疑問のいろいろ
4.目盛りって、むずかしいんだよ
〔13〕「3ケタのかけ算」―私の作った問題、解けるかな?
1.3ケタかけ算には特別の意味があるんだね
2.自分で問題を作ってみると、わかるんだね
3.トイレットペーパーをこんなに使ってたんだ!
4.お母さんが、お酒の量を減らしたよ
ちょっとひと休み
―世界のかけ算、九九は覚えていなくても大丈夫?
お母さんの悩みに答えます Q&Aコーナー
Q1.1年生の5月なのにもう算数がわかってないの
Q2.入学前にたし算や引き算は勉強しておくべき?
Q3.どうしてアナログの時計を読まないといけないの?
Q4.勉強を見てあげると子どもがイライラ
Q5.「お母さんの解き方は違う。」ともめてしまう
Q6。忘れ物が多く困っています
Q7.せっかく覚えた九九をすぐ忘れてしまう
算数が楽しくなる わたなべえつこおすすめの本
子育てと新学習指導要領・算数の学習
―学校完全週5日制と「学力」を考える―
あとがき なんだか、イライラ・ムカツクんだ!
すぐに使える遊びの型紙
前書きなど
すごくいい本が出た
一親・教師の座右の銘に
すごくいい本が出たと、感心することしきりです。保護者の方も、
小学校の教師も、塾の先生もみんな、じっくり読むと、いやじっくり
など読まなくとも、なーるほど、こう教えればいいのかと、目からき
っと何枚もウロコが落ちると思います。エツコ先生の面目躍如たるも
のがあります。
子どもたちの学力「低下」があちこちで指摘され、学校への不安が
強くなっています。でも、その最大の要因が、今の子どもたちの気持
ちにぴったり合った、なーるほど ! という授業があまり行われてい
ないことにあるのだということは、誰も言わないのはどうしてでしょ
うか。
今の子どもたちは、情報や計算機を含めた機械に囲まれた生活をし
ています。彼らが求めているのは、機械的な訓練でもさらなる情報で
もなく、必死で考える体験であり、なーるほどそうだったのかと言え
る感動であり、みんなで考えるとおもしろい ! という喜びなのです。
それが保証されると、子どもたちがどんどん算数好きになっていくこ
とをこの本は見事に示してくれています。
私も昔、塾で算数を教えていたことがありました。あるとき自然数
の集合のことを教えていました。
「こっちが偶数の集合、こっちが自然数全体の集合とすると、この丸
で囲んだのは何の集合だ?」
と質問したとき、ある子が怪訝な顔をしてこう言ったのです。
「先生おかしいよ。」
「うん? 何が?」
「だって、自然数って無限にあるんでしょう ?」
「そうだよ。」
「だったらおかしい。だって無限にあるものがどうして丸で囲める
の?」……。
この言葉に私はうなってしまいました。すごいことに気がつく子が
いるものだと感心したのです。実はこの問いは数学にとって本質的な
問いなのです。
子どもたちは素直に考えぬくと、大人の予想を超えて本質的な世界
に近づきます。そのために本物の知恵を与えることと上手に待つこと
が大事なのです。そのこともこの本は教えてくれています。
しばらくはこの本は小学校の子を持つ親の、そして小学校教師の、
座右の銘のような本になるのではないでしょうか。大げさでなく私は
そう思います。すごくいい本が出ました。
汐見 稔幸(東京大学大学院教育学研究科教授)
版元から一言
まさに目からうろこの算数の本。この本の編集をして初めて、なかま集めの意味や、なぜ指を折って計算してしまうのかが理解できた。
ベテラン教師として困難といわれるクラスを受け持つことが多い筆者。子どもの勘違いや誤答に中に含まれる大切な真実を見つけ、子どもたち自身が考えて答えにたどり着く、そういう過程を大切にしている。
算数の本だが、子ども観が変わる本。
上記内容は本書刊行時のものです。