発行:長崎出版
この版元の本一覧
四六判 336ページ 並製
定価:1,900円+税 総額を計算する
ISBN978-4-86095-229-7 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年12月
書店発売日:2007年12月18日
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます
他のオンライン書店で購入※リンク先の書店では、お取り扱いしていない場合があります。あらかじめご了承ください
アマゾン|boople.com|紀伊國屋BookWeb|ブックサービス|ビーケーワン|セブンアンドワイ|e-hon|楽天ブックス|文教堂Jbooks|ライブドアブックス|本やタウン|Yahoo!ブックス|ツタヤオンライン|ファミマ・ドット・コム:ブック
目次
日本語版序文
歴史的かつ立体的観点から見た北朝鮮核問題-日本の読者の皆様へ
プロローグ
北朝鮮核問題の解決方法はあるのか
第1章 朝鮮半島-核疑惑
(1)ブッシュの対テロ戦争と北朝鮮核問題
-ブッシュの一国主義政策では力不足
(2)金正日は独裁者?改革者?
-金大中とハベル前大統領の相反する評価と北朝鮮核問題
(3)国際核技術の闇市場を主導したカーン博士の正体
-パキスタンは高濃縮ウラン(HEU)と北朝鮮ミサイルを交換したのか?
(4)北朝鮮ミサイルに対する国連安保理決議一六九五号の意味
-中国・ベトナム共産党と北朝鮮の先軍体制は、どう違うのか
(5)失敗した「むくげ計画」―韓国の核開発プログラム
-70年代以後、韓国の核開発と国際社会の疑惑
第2章 北朝鮮の核、そして朝鮮半島最悪のシナリオ
(1)北朝鮮の核実験と米国のジレンマ
-北朝鮮核危機と朝鮮半島戦争シナリオ
(2)金正日とブッシュ、最終談判で接近
-ブッシュのニンジンを金正日は食べるか
(3)北朝鮮核危機をどのように克服すべきか
-安保理制裁、しっかり対応すれば火を消せる
(4)北朝鮮核問題は国際協調で解決しなければならない
-盧武鉉のアマチュア外交では核問題を解決できない
第3章 金正日、もう1回の機会と選択
(1)ミロシェビッチの悲劇が金正日に与えた教訓
-なぜヨーロッパ連合は北朝鮮の人権決議案を主導するのか
(2)北朝鮮のミサイル発射、国際協調だけが解決方法だ
-盧政権の民族共助、独り立ちか、同盟外交かの岐路
(3)脱北者の「ゲルマン・エクソダス」
-ベルリンの壁18周年の意味
(4)ヘルシンキ憲章と1990年代共産主義没落の教訓
-北朝鮮は核武装を解けば、飢餓と脱北問題を解決できる
(5)北朝鮮は改革開放をするのか
-金正日委員長、最後の「度量ある決断」をすべき
第4章 米国の対北朝鮮核政策とイラク戦争
(1)北朝鮮核問題でヨーロッパが米国を支持する理由
-向かい合って走る列車を停める術はないのか
(2)金正日とブッシュの大妥協は可能か
-コールとゴルバチョフが示す「二〇世紀の偉大な決断」
(3)イラク戦争でより不透明になった北朝鮮核問題
-中南米の左派ドミノで新自由主義は引き潮か
(4) すれ違ったカダフィとフセインの運命
-カダフィの国際舞台復帰とフセインの最後
第5章 北朝鮮核問題、どのように解決すべきか
(1)北朝鮮の核兵器保有宣言の衝撃
-新政策への転換が求められる太陽政策
(2)金正日の度量ある政治だけが核危機を救う
-北朝鮮ば核放棄で国際舞台に正常国家として登場せよ
(3)リビア方式に北朝鮮核問題の解決方法を探る
-カダフィの叫びに金正日の選択は?
(4)朝鮮半島の平和のため何を準備すべきか
-六カ国協議で北朝鮮核問題の解決方法を探す
(5)北朝鮮核実験と安保理制裁、そして六カ国協議
-米朝大妥協で北朝鮮核問題を解決すべき
終章 金正日-ブッシュの出会いは実現するか?
訳者あとがき
北朝鮮核問題 関連資料
北朝鮮核問題 年表
前書きなど
本書は、北朝鮮核問題は金正日体制の変化に対する拒絶と抵抗が原因、という認識から出発している。共産主義体制と指導者の個人崇拝が金正日体制をして世襲君主的な全体主義へ変質させており、指導部の共産主義に対する執着が改革開放に対する抵抗となって表出しているのである。北朝鮮の生き残る道が改革開放しかないにもかかわらず、これを拒絶して体制を維持するために考案されたのが核兵器の保有である。冷戦解体後一七年に及んで、未だ北朝鮮核問題が解消されない理由は、まさにここにある。
ところが、金正日も北朝鮮核問題がこれ以上前に進めなくなったことに気づいたようである。食糧調達のための国際社会の支援も限界に達し、金正日体制の持続は脱北者の続出と内部の混乱、海外の北朝鮮民主化運動、そして国際社会の経済制裁などで壁に突き当たったからである。
こうした中で、ブッシュ大統領は石油・経済支援、国交樹立、朝鮮戦争の終戦宣言に加えて平和協定まで提案し、北朝鮮の核廃棄のため最後の外交攻勢を仕掛けている。ブッシュは、二〇〇八年の大統領選を前にしてイラク戦争の出口を見つけられず、外交成果の代案を北朝鮮核問題の解決に見出したようである。〇八年に任期を終えるブッシュの提案が、金正日に最後のチャンスであることは確実である。金正日は、いまや最後の決断を下す岐路に立っているのである。
二〇〇五年の九・一九宣言、二〇〇七年の二・一三合意、一〇・三合意、そして二〇〇七年一〇月の南北首脳会談は、北朝鮮核問題の解決に向かう着実なプロセスであり、二〇〇八年末の終結を目標としている。ただ南北首脳会談は、北朝鮮核問題を六カ国協議に預け、主に韓国の対北朝鮮経済支援に関する多くの合意が盛り込まれることに止まった。。
今、国際社会は二・一三合意の履行のためのロードマップである一〇・三合意が本当に履行されるかに注目している。一〇・三合意は、二〇〇七年一二月末まで寧辺核施設を完全に無能力化し、すべての核物質と施設を申告しなければならないとし(第二段階)、二〇〇八年末までに核物質と核兵器を廃棄する(第三段階)という内容を盛り込んだ。それは、北朝鮮が①寧辺の五つの核施設-五メガワット原子炉、核燃料棒再処理施設(放射化学実験室)、使用済み核燃料棒製造施設などの無能力化。②ウラン濃縮施設と保有プルトニウムなどすべての核プログラムの申告を完了しなければならない、というものである。その代わりに日・米・韓・中・ロなど六カ国協議の当事国は、重油九五万トンの提供、米国のテロ支援国リスト削除、敵国通商法の適用中断、六カ国外相会談を開くとしている。すでに二〇〇〇年八月に北朝鮮が寧辺核施設を凍結して第一段階の合意を履行し、韓国が重油五万トンを供給した。
国際社会は、北朝鮮が二〇〇七年一二月末までに保有する核兵器をすべて申告するかどうかに注目している。北朝鮮は、UEPと保有プルトニウムに関してはすでに申告の意志を明らかにしているが、二〇〇六年一〇月一九日の核実験の結果明らかになった核兵器については沈黙している。おそらく、北朝鮮核問題は本書が出版される二〇〇七年末から二〇〇八年初頭にかけて、核兵器の申告時に保有核兵器の申告漏れが発生したときが山場となるだろう。ソウルの消息筋は、「北朝鮮は、核兵器の申告に対し否定的な立場であるとされている。おそらく、申告が抜け落ちている可能性が高い」と語った。第三段階(核物質、プルトニウムの廃棄)と第四段階(核兵器廃棄)を区分した理由は、ここにあるのではないかと考えられる。第三段階を北朝鮮が履行すれば、終戦宣言と平和協定の交渉がはじまり、米朝、日朝の国交交渉と対北朝鮮経済支援もはじまるが、問題は金正日が核兵器を廃棄する決断を下すかどうかである。
第四段階の完了目標として設定された、核兵器と起爆装置など一切の核機材が廃棄されなければ、米朝・日朝国交、朝鮮半島の平和協定などブッシュの画期的提案が壁にぶつかる危険性がある。ブッシュが停戦協定と平和協定問題に関し、まず先に、完全に検証可能な核廃棄を繰り返し強調するのは、そのことを懸念しているからである。もし、金正日が核兵器の廃棄を決断すれば、二〇〇八年にはブッシュと金正日が出会い、朝鮮半島平和協定が締結される可能性もある。もし核兵器の廃棄を拒否すれば、朝鮮半島の六カ国協議の努力は水の泡となり、朝鮮半島と東北アジアの緊張が再び高まるのは間違いない。金正日体制の生死の分かれ道となる選択は、第二段階の核申告が終わる二〇〇八年初めになるだろう。
しかし、別の外国筋は「申告品目に核兵器が漏れていても失望はしない」と語る。「六カ国協議が北朝鮮の総合的な核廃棄に新しく合意すれば、問題はない」「すべての核廃棄には当然、保有核兵器も含まれるだろう」と分析した。この合意を通じて六カ国協議が北朝鮮の指導部を継続して説得し、金正日体制の存続を保障すれば、核兵器廃棄が成功すると見ているのである。
北朝鮮は核兵器保有国家であることを自負しており、核兵器放棄は難しいという見解が支配的なのは事実である。しかし、金正日にとって今回が最後のチャンスであり、米朝国交と終戦宣言、平和協定から体制保障の約束を得ることができるという事実から、核兵器の放棄は可能であると見る。もはやボールは金正日に投げられており、遠からず結果は明らかになる。北朝鮮核問題は二〇〇七年末から二〇〇八年初めに大きな山場を迎えるが、実際の最大の難関はその先の核廃棄にある。その成否は現時点では五分五分と見るが、残り五〇%の実現を六カ国協議で片付けてほしいものである。
著者プロフィール
朱燮日(チュ・ソビル)
1937年に京都で生まれる。1945年帰国、慶尚北道義城、大邱で育つ。ソウル大学文理学部仏文学科卒業後、1963年から「ソウル新聞」と「中央日報」の記者として活動。1972年から1980年まで「中央日報」の駐仏特派員、1989年から1995年まで「世界日報」の駐仏ヨーロッパ総局長。1982年から1986年にパリ第13大学博士課程を修了(政治学博士)し、1995年にはパリ外交戦略大学院最高指導者課程を修了。1996年「中央日報」国際問題大記者、2000年以後は「内外新聞」の主筆・顧問、市民運動団体の「参与連帯」顧問、「韓国社会民主主義研究会」の共同代表などを歴任。現在「ルモンド・コリア」編集顧問、政治時事誌「自由公論」コラムニスト、「民族問題研究所」指導委員、「臨時政府記念事業会」副会長、市民団体の「社会と連帯」会長などで活動中。
姜英之(カン・ヨンジ)
1947年大阪生まれ。72年大阪市大経済学部卒。新聞社、雑誌社で勤務、韓国経済を中心にアジア経済について研究、評論活動を行う。91年東アジア総合研究所設立、所長に就任。2004年北陸大学教授、07年拓殖大学客員教授、桜美林大学北東アジア総合研究所研究員、神奈川大学経済学部非常勤講師。専門は、韓国経済論、現代朝鮮論、東アジア国際関係論。著書に「東アジアの再編と韓国経済」(社会評論社)、「韓国経済 危機と再生」(同)「東アジア共同体を設計する」(共著、日本経済評論社)、「徹底検証・東アジア」(共著、勁草書房)、編訳書に「北朝鮮年鑑」(東アジア総合研究所)、訳書に「北朝鮮は経済危機を脱出できるか」(社会評論社)など。毎年、北東アジアを巡回しながら、地域の経済協力、平和と繁栄をテーマとする「東アジア国際シンポジウム」を主宰している。
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます
タグで関連している本:
- まだ見つかりません
コメントとトラックバック »
まだコメントとトラックバックはありません
TrackBack URI : http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-86095-229-7.html/trackback/
