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創業100年企業の経営理念 2
NEXT100年どう生きる
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年3月
- 書店発売日
- 2015年3月23日
- 登録日
- 2014年11月2日
- 最終更新日
- 2019年5月18日
紹介
(財)岡山経済研究所発行『マンスリーリポート』の人気連載「創業100年企業~NEXT100年どう生きる~」で紹介された岡山・香川・兵庫、広島県備後地区の27社を掲載!
目次
〈岡山県〉
アイサワ工業
石井事務機センター
いのうえ
ウッディヨネダ
嘉美心酒造
菅公学生服
城口
ケイコーポレーション
佐伯蒟蒻
つるの玉子本舗
中原三法堂
日植アグリ
のだ初
岡山浜作
ほそだ
服部興業
福井堂
牧野木材工業
森田酒造
横山石油
研文館 吉田書店
〈広島県〉
虎屋本舗
〈香川県〉
石丸製麺
鎌田醤油
宮脇書店
三好商店
〈兵庫県〉
富久錦
前書きなど
まえがき
家道の興隆振張する所以の者は一家道義を貴び質素を旨として孜に勤勉して速成を期せざるにあり…これは1818年(文政元年)に創業した岡山市の服部興業の家法です。家法は40項目に亘り、創業者が服部家を継承する者への経営方針の在り方が示されています。
家法の内容は、毎年、歳入歳出の年度予算制度を導入し、予算の決定は取締役と雇人首座(番頭役)に相談すること。経費は歳入の10分の1に抑える事。雇人(従業員)は9等級に分け、昇給は毎年4月に定め、良く働く者は賞与金を出すことなどです。
予算制度、従業員との雇用関係、経営方針決定の合議制、またコンプライアンス上の規律にいたるまで細かく示し、現在にも通じる会社経営の原典のような内容です。
この家法の中に、私は老舗が永く続く条件の大事なものを幾つか見ることが出来ました。そのひとつは経営者が後継者・人材育成を如何に大切にしてきたかです。
後継者の決定について家法には次のように明確にして書き残されています。
1、長子は怠惰放逸病気等にて戸主となし能はざる時は次三男の順席を以て戸主となす。
若し次三男も不都合なる時は養子すべし
1、戸主を定むる時は親族及取締役雇人首座評議の上決定す
服部興業は本家の梶屋(通称・西服部~現日本オリーブ)から、長男の平兵衛が分家して創業、今日まで8代にわたり老舗の暖簾を守り続けています。家法通り、近年には6代目克己、8代目俊也を養子に迎え継承しています。
今回「創業100企業の経営理念」を取材し掲載している岡山・香川・広島(福山市内)兵庫の各県の老舗企業の内、長男に後継を任せることなく次男や養子に会社を継承させている企業は26社の内、実に半分の13社もありました。2012年10月に出版した時は、その形態による継承はさらに16社もありました。日本に老舗が多く存在する背景には、わが子可愛さより、企業が継続することをより大事にして暖簾を守り続けてきたビジネススタイルがあることが分かります。
さらに老舗が永く続く条件のなかに、時代の変化を読み取り革新と挑戦を繰り返し続けている姿が今回も見られました。商店街の小さな仏具店から、高度経済成長と車社会を見通して大型店舗への展開や霊園開発へとイノベーションする中原三法堂など、掲載されている企業のほとんどが革新と挑戦の歴史です。
帝国データバンク岡山支店のデータによりますと、創業100年以上の事業所は2014年9月時点で、岡山県内555件、香川県内336件、広島(福山市内)124件の合わせて1015件あることが分かりました。これは2年前の前回の976件に比べ、39件も増えています。
アベノミクスによる経済浮揚政策が日本の経済社会にとって、どれほどの光明となるのかはまだまだ不確かです。国際政治もさらに混迷の度合いを大きくしています。
本書に掲載された企業と経営者は、そうした社会の中で理念を見失うことなくNEXT100を歩んでいます。経営者、商店主、そしてこれから社会へ進もうとする人達にも、本書が次ぎの一歩への道標になれば幸いです。
版元から一言
「100年を超える企業は、時代の変化を読み取り、革新と挑戦を繰り返し続けている」ー
経営理念や家訓から、企業存続の秘訣を読み解く!
上記内容は本書刊行時のものです。