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幻の佐平焼
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年1月
- 書店発売日
- 2015年1月26日
- 登録日
- 2014年11月21日
- 最終更新日
- 2015年2月25日
紹介
岡山・津山市の鶴山城址の東山麓の宮川沿いに、大規模な「階段状連房式登り窯」を築き、
大正の末期から昭和の初期の十数年間、寝食を忘れて「油滴天目」の花器作陶に挑戦した一人の男がいた。その名を浮田佐平(うきださへい)という。
「幻の佐平焼」とも「売らずの佐平焼」ともいわれ、これまでそのことを詳しく記述した資料は明らかになっていない。本書は、浮田家とその関係者がくわしく内部資料を検証し、「佐平焼」について知り得た真相の全容を公開したものである。
「油滴天目釉」に執着した佐平の陶芸は、途方もない「壮大な男のロマン」であり、「見果てぬ夢」でもあった――佐平没後七十五年目の検証で明らかになった、佐平が夢見た陶芸へのロマンと苦労を、本人に代わって証言する。
目次
プロローグ
第1部 浮田窯と佐平焼(七十五年目の検証)
残された数少ない資料をもとに
日用品ではなく花器で勝負をしたい
築窯の時期を決めた一通の手紙
浮田窯(連房式登り窯)を築く前のこと
階段状連房式登り窯の由来
「浮田窯」築窯の実際
「浮田窯」(佐平焼)のルーツをたずねて
佐平焼のルーツ「水の平焼」とは
「水の平焼」のブランドとなった海鼠釉
第2部 「佐平焼」の命運を左右した釉薬
釉薬の魅力とその罠
遺品に残された重要な証拠
失敗また失敗の連続
釉薬調合と焼成実験の繰り返し
窯業の基礎知識は十分にあった
経験不足を実験でカバーした佐平
油滴天目花器を創出する夢
第3部「売らずの佐平焼」と言われて
結晶釉の情報集めの努力
勘による釉薬調合への挑戦
厳しかったオークションの結果
黒薩摩との出会い
・浅本鶴山について
・長太郎焼(黒薩摩)について
売らずの佐平焼」の真相
良品率の低さが最大のネックだった
「浮田窯」を陰で支えた岡本英山のこと
第4部 壮大な男のロマン
栄光の佐平焼
耐熱セラミックを焼いたエピソード
陶磁器は商品か芸術品か
佐平と釉薬のドッグファイトの終わり
実を結んだか「壮大な男のロマン」
第5部 「浮田窯」廃窯への道
戦争・本業の斜陽化・病魔
子どもたちが見た佐平の晩年
『佐平館』に残る「佐平焼」(その光と影)
エピローグ
参考資料
上記内容は本書刊行時のものです。