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美術館長の眼
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年3月
- 書店発売日
- 2013年4月15日
- 登録日
- 2013年2月25日
- 最終更新日
- 2013年3月25日
紹介
開館前からその準備に携わり、2005年からは5代目の館長として岡山市立オリエント美術館を支えてきた著者が、その8年間を振り返りながら、芸術・文化について綴ったエッセー集。
目次
Ⅰ 美術館長の眼
新米館長
グァルネリ
テロニモマケズ
多民族国家の崩壊
瓦全玉砕
中国での発掘
古寺探訪
角石谷
小松ヶ丘
国際教養学科新設のころ
校庭の窯
ベルリンの壁
母校の思い出
天神山とわたし―総合文化センターの思い出―
Ⅱ 美術館長の雑記帖
小物の会とオリエント美術館
人類文明の起源 岡山市立オリエント美術館①
古代帝国の成立と展開 岡山市立オリエント美術館②
シルクロードの交流 岡山市立オリエント美術館③
イスラーム陶器の煌き 岡山市立オリエント美術館④
オリエントの美の殿堂、岡山に設立され早32年
オリエント美術館建築に見えるオリエント的要素
オリエント美術館建築のオリエント要素
Ⅲ 文化資源探訪
倉敷ガラスと小谷真三さん
「陶のシルクロード 加藤卓男の陶芸展」によせて
古仏の微笑み―捻華微笑―
金谷朱尾子日本画展によせて
コーカサス3国の踏査①
コーカサス3国の踏査②
喜兵衛島
顔見世
新年と暦
追悼前島己基さん
シルクロードとオリエント―追悼平山郁夫先生―
古代ガラス研究と松島巌さん
解明進む古代ガラス交易
蘭奢待
甘粕健先生を偲ぶ
Ⅳ 古美術漫遊記
円明園のウサギとネズミ
運慶の大日如来
ベートーベンの遺髪
名器ストラディバリウス
6万円の名器
歴史に翻弄された名器
三十六歌仙絵巻の分断
氷の下の百年ウイスキー
荷風の罫紙
パンダの値段
孫文の書
明治21年の国宝購入
五浦釣人
蘭国王のミイラ購入
柊家の子規と漱石
漱石の来岡
榕菴先生のトランプ
萬翠荘と愚陀佛庵
道後松山の漱石と子規
漱石の自筆絵はがき
露皇帝の復活祭卵
ニコライ大聖堂と柳井原
トルストイの聖書
露皇太子の刺青
モンローのドレス
真と偽のカラバッジョ
女性の自立と阿修羅像
あとがき オリエント美術館長8年間の回顧
前書きなど
館内を案内していて「そんな昔になぜこんなすばらしいものが」と尋ねられた。確かに生活は現代の方が格段に便利になってはいるが(人はこれを「進歩」と錯覚している)、古い持代が劣っていると単純に考えるのは現代人の驕りであろう。特に芸術の世界においては、さまざまの好条件のもとで1人の天才が生涯かけて到達した技術や境地に、伝承もなく後世の芸術家が到達し乗り超えられる保証は必ずしもない。先人の優れた文化遺産を保存し継承の縁とする所以である。(本書「古寺探訪」より)
上記内容は本書刊行時のものです。