ネグロス・マイラブ
大橋成子
発行:めこん
この版元の本一覧
四六判 248ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8396-0183-6(4-8396-0183-6) C0030
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年06月
書店発売日:2005年06月20日
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紹介

NGOのつっぱり日本人女と五人の子持ちで元反政府運動の指導者が恋におちた。そして気がつくとなんと村長夫人に。南の島・ネグロスを舞台に繰り広げられた豪快なロマンスを痛快エッセイで描く。国際協力と国際結婚、そして国際<継母子育て奮闘記>です。

目次

はじめに


第1章 フレッド、村長になる  
    新村長誕生   貝で子沢山   リミジョ・ヒネラル   ビサヤのイン代ダイたち   金と暴力で動く選挙   見ざる・聞かざる・言わざる   悪事の暴露に乗り出す   恐怖の文化を乗り越えた人々  リフォーム計画   共産党? 日本軍のスパイ?   選挙前夜・女たちの賭け麻雀   ボディガード三姉妹   逆転勝利
第2章 一面みどりの島                 
    クーデター未遂と停電   黒い人の住む島   ニコラス・ローニーの新天地   アセンデーロ   わが祖国   米国の特恵   苦い砂糖   ティエント・ムエルト(死の季節)   「社会的火山」と「解放の神学」   エスカランテの虐殺   作られた「飢餓」   傲慢な援助ではなく   魚より魚を獲る網を   生きるための農業   
第3章 いきなり五人の子持ちに
    夫は七つの名前を持つ   ガマイにボクサイ   銅山から革命根拠地へ   政治の時代   軍靴のかかと   低強度戦争   実験場になったネグロス   サンダーボルト作戦   戦争の子供たち   家が焼けるよー!   子供たちと母   フィリピンの離婚   フレッドとの出会い   フィリピン・マッチョ   ウンチとオシッコの始末   不思議なおばちゃん   子宮とっちゃった   ティエンポ・ハポン(日本時代)   敷居の低い家と高い家に住む   日本人もウンチするの?   末っ子のシサ   国民英雄   取り残された人たち
第4章 バナナと砂糖だけじゃない
ラ・グランハ村   初めて登ったバナナ山   日本向けのバナナ   バナナに生まれた価値   挫折を乗り越えて   良いバクテリアと悪いバクテリア   バナナを根こそぎ焼く   農業をするスペースが生まれる   循環ということ   農地改革   依存病   NGOが新しい地主に?   電気がないのに洗濯機?   砂糖から野菜へ
第5章  女たちのネグロス
おしゃべり女ネットワーク   ヘレス母さんのこと   労働者の頭と農民の心   私の顔に$マーク?   「嫁・姑」問題   
第6章 「禁欲的なアジア」の時代
    タイに行く   アジア学生連合   ぞくぞくするような体験   「血の水曜日」事件   「禁欲的」なアジア   敵と味方がよく見えた時代   フィリピン解放運動が放った光   
第7章 小さな村の大きなできごと
    フィリピンの着倒れ   PTAとビンゴー   仕事がない!   マリパヨン・ガ・バグオン・トゥエグ(新年おめでとう)   夏の風物ドルドル   フィエスタ! フィエスタ!   ギナモスとベチン   ルボンとパナホール          
第8章 村はたてなおせるか
摩訶不思議な税金   村の裁判   水も電気も自力更生   魚行商人協同組合   うなぎのぼりのインフレ   賄賂を生み出す構造   歩くコンビニ   ボンバイとインチック   理不尽な制度と農民   貸したものは返らない   義理と人情は金に勝てるか? 
第9章 ゲイは天国に入れない?
祭りの季節   「女らしさ」と「男まさり」   「紅白歌合戦」   ゲイたちのジェンダー   失敗した「ゲイのためのジェンダー・ワークショップ」   
   ボンボワンガ!   ゲイとおかあちゃんが連帯した   祭りが成功しなければ村長はつとまらない         
第10章 マブハイ フィリピン!
国中がカジノになった日   フィリピンはどこへ行くのだろう?   「自由化」という不自由   鉄屑から「ケアー・ギバー」まで   カウカウ働くしかないさ!   人の目   ブタと犬の話   心の筋肉運動  

あとがき

前書きなど

六月から吹いていたハバガット(西から東にふく強風)が徐々に静まりだした。高波に荒れていた西ネグロス州の海は、またゆったりのんびりした表情に戻った。
朝4時半、地平線からしらじらと夜があけていく。真っ黒だった海がたちまち透きとおった水色に変わっていく。水面にはうっすら煙のようなもやがかかり、冷たい空気が眠い体にスーッと流れ込んでくる。西の遠くにはギマラス島が見え隠れする。
海岸に出ると、暗いうちから海に出ていた漁民たちが腰まで水につかり、竹と網でできた漁具フッドフッドをゆっくり押して海を歩いている。ヒポン(小えび)が大量に取れる季節が訪れたのだ。
まるく大きな太陽が空高く上ると、海岸に生い茂るマングローブの森で子供たちがわいわい気勢を上げ始める。わたりガニに似たカサッグがバケツいっぱいとれたらしい。
鶏たちの声も一段と高くなる。町に魚の行商に行く女たちの威勢のいい声が大きくなる頃、村にはいつもの朝がやってくる。
 「アーレー、パサヤーン!(エビだよー)」
 「バカルカモ イスダ?(魚はいらないかい)」
朝六時、子供たちが皿に盛ったエビや魚を村の家々に売りに歩く。この声を聞いて我が家は朝ごはんの支度にとりかかる。今日のおかずはとれたてのエビを塩焼きにしよう。
七時には村の真ん中にある小学校の鐘がなり、朝の魚売りの仕事を終えた子供たちが、大きな鞄を抱えて学校に駆け出す。
 
ここはネグロス島の中心バコロド市から車で四〇分ほど南下したサンエンリケ町、ナヨン村。私はこの小さな漁村で、村長をしている夫フレッドと子供五人、生まれたばかりの孫一人、そして六匹の犬たちとにぎやかな生活を送っている。考えてみると、このドタバタ生活も一〇年になった。なにが起こるかわからないのが人生だというが、私にとっては予想もしない出来事が次々と起こった10年だった。それは私の家族も同じだったかもしれない。

版元から一言

この本の著者は学生時代にアジアにめざめ、アジア太平洋資料センター事務局長を経て日本ネグロス・キャンペーン委員会の現地駐在員を務めたバリバリのNGOの名物女性。
その彼女が元フィリピン反政府運動の指導者で、五人の子持ち男と出会い、気がついたら村長夫人になってしまった。豪快なロマンスは小説より面白い。その10年に渡る継母の子育て奮闘記と村人たちとの丁々発止の暮らしを痛快に描いたエッセイです。国際結婚こそ、最大の国際協力?その答えは読んでから考えてみて下さい。

著者プロフィール

大橋成子(オオハシセイコ)

1955年、北海道旭川市に生まれる。
1978年、大学卒業後、アジア太平洋資料センター(PARC)の専従スタッフになる。79年から英文雑誌AMPO(PARC発行)の編集長、80年からPARC事務局長を務める。
1991年、PARCを辞め、(株)オルター・トレード・ジャパン入社、初めてネグロス島を訪ねる。
1994年、日本ネグロス・キャンペーン委員会(JCNC)の現地駐在員となる。
1996年、ネグロス出身のアルフレッド・ボディオスと結婚。以来、夫の実家があるサンエンリケ町ナヨン村に住み、現在までJCNCの現地連絡員として、日本とネグロスの人々の交流プログラムを担当している。
ピープルズ・プラン研究所(東京)運営委員
ARENA ( Asian Regional Exchange for New Alternatives 事務所香港)運営委員

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