足跡
プラムディヤ・アナンタ・トゥール, 押川 典昭:訳
発行:めこん
この版元の本一覧
四六判 792ページ 上製
定価:4,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8396-0124-9(4-8396-0124-0) C0397
在庫あり
奥付の初版発行年月:1998年12月
書店発売日:2000年05月20日
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紹介

1969年から10年間流刑地ブル島に勾留され、表現手段を奪われたプラムディヤが、独房の政治犯に日夜語って聞かせたという途方もないスケールの4部作の第3部です。

前書きなど

訳者より:鋭い眼光。短く刈り上げた頭。太い二の腕。節くれだった指。その指からブラインドタッチの猛烈なスピードで紡ぎ出される物語。それは書斎の中で苦悶する作家というより、茶褐色の上半身に汗を光らせながら坂道を駆け上がるベチャ引きに似ている。現代東南アジアを代表するプラムディヤ・アナンタ・トゥール(1925年生れ)の畢生の大作
『人間の大地』シリーズの第3部にあたるのが『足跡』である。前2作『人間の大地』『すべての民族の子』が、主人公であるジャワ貴族ミンケ青年の成長の物語であったのに対し、この巻では1901年から1912年のバタヴィア(現ジャカルタ)、バンドゥン、バイテンゾルフ(ボゴール)を主舞台として、バタヴィア医学校に入学したミンケがインドネシアの民族主義運動に身を投じ、新しい時代を切り開いていく苦難の闘いが描かれる。

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著者プロフィール

プラムディヤ・アナンタ・トゥール( )

プラムディヤ・アナンタ・トゥール(一九二五年生まれ)は、インドネシアが生んだ最高の作家であり、世界的にもっとも名を知られたアジアの文学者である。その七十五年の人生、そして半世紀におよぶ作家活動は、現代インドネシアの国家と国民がたどってきた激動の歴史と重なり合う。彼がしばしば「民族の語り部」と称されるのは、そうしたインドネシアの歴史の細かな襞の一枚一枚をめくるようにして小説を書いてきたからである。

 プラムディヤは、一九四五年八月からのインドネシア独立革命のさなか、非合法活動のかどでオランダ軍に逮捕、勾留された獄中で創作を始めた。二年半におよぶ勾留生活で、彼は独房の白い壁を見つめながら、オランダ植民地時代や日本軍政期、また独立革命中のインドネシア国民の体験を、低い目線で描きだした。ジャカルタのブキドゥリ刑務所で書き上げた、二十四歳のときの長編小説「ゲリラの家族」(一九五〇年)は、そうした初期の代表作である。再植民地化をねらうオランダに対する激しい戦いがつづく首都ジャカルタ。地下のゲリラ組織に身を投じた息子たち。オランダ軍に加わって革命を裏切ることによってしか自己の存在理由を見出すことができず、つい

押川 典昭(オシカワ ノリアキ)


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