人間の大地 上
プラムディヤ・アナンタ・トゥール:著, 押川 典昭:訳
発行:めこん
この版元の本一覧
四六判 326ページ 上製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8396-0027-3(4-8396-0027-9) C0397
在庫あり
奥付の初版発行年月:1986年08月
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紹介

『人間の大地』は、1969年から10年間流刑地ブル島に勾留され、表現手段を奪われたプラムディヤが、同房の政治犯にそのストーリを日夜語って聞かせたという、途方もないスケールの4部策の第1部である。舞台は1898年から1918年にかけてのオランダ領東インドで、インドネシア民族が覚醒し、自己を確立していく長い闘いを描いた、これはいわばインドネシア近代史再構成の物語といえよう。
1980年、同書が発行されると、インドネシアの人々は熱狂してこれをたたえ、初版1万部が12日間で売れるという空前の評判を呼んだ。当時の副大統領アダム・マリクは、彼らの親や祖父たちがいかに植民地主義に敢然と立ち向かったかを理解するために、この『人間の大地』を読むよう若い世代に奨励すべきである、との推薦の辞をよせ、またある評者は、この本はこれまでに出たすべての歴史書の存在を無意味にしてしまうとまで激賞した。
余りの影響力に驚いたインドネシア政府は本書『人間の大地』第2部『すべての民族の子』第3部『足跡』を発禁処分とし、現在もその処分は解けていない。しかし、海外での評価は高まるばかりで、世界各国で翻訳発行されており、昨年1998年もノーベル賞候補に挙がっている。

関連リンク

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著者プロフィール

プラムディヤ・アナンタ・トゥール( )

プラムディヤ・アナンタ・トゥール(一九二五年生まれ)は、インドネシアが生んだ最高の作家であり、世界的にもっとも名を知られたアジアの文学者である。その七十五年の人生、そして半世紀におよぶ作家活動は、現代インドネシアの国家と国民がたどってきた激動の歴史と重なり合う。彼がしばしば「民族の語り部」と称されるのは、そうしたインドネシアの歴史の細かな襞の一枚一枚をめくるようにして小説を書いてきたからである。

 プラムディヤは、一九四五年八月からのインドネシア独立革命のさなか、非合法活動のかどでオランダ軍に逮捕、勾留された獄中で創作を始めた。二年半におよぶ勾留生活で、彼は独房の白い壁を見つめながら、オランダ植民地時代や日本軍政期、また独立革命中のインドネシア国民の体験を、低い目線で描きだした。ジャカルタのブキドゥリ刑務所で書き上げた、二十四歳のときの長編小説「ゲリラの家族」(一九五〇年)は、そうした初期の代表作である。再植民地化をねらうオランダに対する激しい戦いがつづく首都ジャカルタ。地下のゲリラ組織に身を投じた息子たち。オランダ軍に加わって革命を裏切ることによってしか自己の存在理由を見出すことができず、つい

押川 典昭(オシカワ ノリアキ)


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