新装増補改訂版 孤立を恐れるな!もう一つの「一七歳」論
高岡 健:編
発行:批評社
この版元の本一覧
四六判 256ページ 並製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8265-0332-7(4-8265-0332-6) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年02月
書店発売日:2006年02月08日
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紹介

「17歳」たちが惹起する事件について、多くの論評は「現実」から遠ざかっている。排除されるべきは〈社会事象の精神医学化〉であろう。自称精神科医たちが言及する社会は、現実の社会分析としては、およそ的外れとしか言いようがない。

何をなすべきか、なさざるべきか。メンタルヘルスの拡大と治療の限定も、また求められる急務である。孤立の彼方にしか新しい共同体はないという視点から、6人の専門家が若い読者のために語った、肩の力の抜けた前向きなメッセージ。

第一部では高岡健によるキーノート、及び児童精神医学の分野で自前の思考と実践を展開する石川憲彦、山登敬之と高岡健によるジョイント・セッションを掲載。

第二部では藤井誠二、牧野剛、三上治が「一七歳」と犯罪、暴力、
学校、予備校、国家、戦争などについて、ダイアローグを構成する。

第三部では、増補部分として高岡健による論文2編を収録。

●プロフィール
【高岡健】岐阜大医学部助教授。雑誌『精神医療』編集委員。著書に『不登校を解く』(共著、ミネルヴァ書房)他。本書では精神科医の立場をベースに、幅広い論を展開している。
【石川憲彦】林試の森クリニック院長。著書に『子育ての精神医学』(ジャパンマシニスト社)他。
【山登敬之】児童精神科医。東京えびすさまクリニック院長。劇団東京乾電池に所属し、演劇の創作と批評活動にも携わる。著書に『拒食症と過食症』(講談社現代新書)他。
【藤井誠二】ノンフィクションライター。少年問題に関する優れたレポートを多く上梓する。著書『17歳の殺人者』(ワニブックス)他。
【牧野剛】河合塾講師。1984年の〈共通一次的中事件〉の当事者。愛知県知事選挙にも立候補。著書に『されど予備校』(風媒社)他。
【三上治】評論家。60年安保、全共闘運動を経て、常に新しい思想的地平を切り開く。著書に『1960年代論』(批評社)他。

目次

第1部 精神医療の中で
・キーノート「一七歳」論〜新しい「一七歳」論への視座(高岡健)
・新しい「一七歳」論への視座(石川憲彦×山登敬之×高岡健)

第2部 精神医療を超えて
・孤立恐れるな!—少年犯罪と暴力(藤井誠二)
・未来はどこにあるか—学校vs予備校(牧野剛)
・「一七歳」は戦争と無縁か—国家と共同性(三上治)

第3部 医療と社会のはざまで
・精神保健医療の立場から見た最近の少年事件(高岡健)
・ひきこもり—その脱精神医学化のために(高岡健)

新装増補改訂版へのあとがき

前書きなど

スィート・セブンティーンという言葉がある。
「一七歳の年頃」と訳されることが多いが、文字通り
「一七歳は甘い」という意味だ。
しかし、はたして「甘い」などと感じている「一七歳」が
いるだろうか。
……徹底して孤立しよう、未来はその先にしかない、
そういうメッセージがあまりにも少なすぎる。
このような認識に立って、この本は編まれた。

版元から一言

◎昨今、ニートやひきこもりの若者があたかも無気力で反社会的存在であるかのように喧伝され、教育や医療からは蔑みと憐れみの対象としてラベリングされ、問題視されている現状があります。
家族や地域、学校や職場における関係の崩壊は、子どもたちの時空間の閉塞化と相俟って生き場のない孤立の世界を形造っています。
そんな情況のなか、自立を求めて孤立を恐れない新たな関係の構築を、大人たちの軌跡をとおして語りかけます。

◎本書が知的で語彙の豊かな「一七歳」にとどまらず、孤立を恐れる、あるいは孤立を認められない「一七歳」と、その親である団塊=全共闘世代、ポスト団塊=ポスト全共闘世代の人々に届くことを願います。

◎装幀=臼井新太郎

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著者プロフィール

高岡 健(タカオカ ケン)

1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長などを経て、現在、岐阜大学医学部助教授。日本児童青年精神医学会理事、雑誌『精神医療』(編集=精神医療編集委員会、発行=批評社)編集委員をつとめる。豊富な臨床経験をベースに若者文化にも精通し、多彩な執筆、講演活動を展開している。
著書に『別れの精神哲学』『新しいうつ病論』『人格障害論の虚像』(いずれも雲母書房)、『引きこもりを恐れず』(ウェイツ)、『不登校を解く』(共著、ミネルヴァ書房)、『殺し殺されることの彼方』(芹沢俊介氏との共著、雲母書房)、『時代病』(吉本隆明氏との共著、ウェイツ)、など。
著書に『不登校を解く』(共著、ミネルヴァ書房)、『孤立を恐れるな!』(編著、批評社)、『メンタルヘルス・ライブラリー7 ひきこもり』『メンタルヘルス・ライブラリー8 臨床心理の問題群』(共著、批評社)、『人格障害論の虚像』(雲母書房)など。

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