発行:批評社
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四六判 680ページ 上製
定価:6,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8265-0323-5(4-8265-0323-7) C3021
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年07月
書店発売日:2001年07月10日
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幕末から明治へ。まさに革命の真っ最中の出来事は、最も興味のあるもの。いずれの国でも変革期は破壊と再生の過程だが、旧物打破に急するあまり、制度文物から風俗まで一新し、さらに異系の文化を輸入した維新の混沌は筆舌に尽くしがたい。
明治初年を目のあたりにした人たちは抱腹絶倒、滑稽も当時は真剣真面目で、時間を経なければその意味も理解できない。貴重な史料を基に現存古老の逸話・逸事を纏めた大正一五年初版の復刻版。
目次
御巡幸の歌●北陸御巡幸/明治天皇御遷都道中の御事/黒羅紗の御軍服/日本最初の御種痘/伊勢大廟の華表が墜ちる●御東幸反対/御遷都と御下賜品●恐れ入った話/宮城御造営●薩摩の新邸・「近」の字の印半纏・宮内省の入札・山岡鉄舟さん・御門止・狸の生捕り・其の頃の賃金・宮城内の瓦斯灯/最初のお召馬車と馭者の珍談/もう一回やらんならん●藩籍奉還と神風連騒動/明治の改革と外交●いずれも金の問題・切支丹邪宗とは怪しからぬ/財政●贋金問題・明治通宝/太政官札の発行に就いて●たった三百両で維新の大業/明治初年官吏の月給/小野島田二家の倒産●戊辰戦争の軍費・為替方規則改正/パークス公使●剛腹で気難し屋・一顰一笑に喜憂の当局/鉄道施設の事/うっかり乗った外債の口車●あての外れた造幣政策・外国事情の不明・日本政府は海関税を抵当にする/弾正台の話●大臣を召喚する役所・容堂侯の赤壁の遊・横井小南刺殺事件/横浜裁判所の引渡し●三日三晩で書類を焼く・千両貰って非職・税がとれると役所で御馳走/大蔵省で大福帳/明治前後の通貨と両替の話●銭時の相場・半値以下の太政官札・贋札大増加・両替商の大捕縛・獄中の珍談・維新後の紙幣/玉章筆帆掛船の兌換券/貢進生音響官●翻訳官を音響官・日本婦人を妾にして斬られた先生/開成学校の憶出●威張った学生・翻訳権利無断借用・お前達も養ってやる・法科は公事師/教室内で日本語厳禁/"You may guess"/康熙辞典にもない新字●困難な翻訳事業・化学は化け物の学問・主義という字の始まり・「ウ」に濁りを打った初め/ハイカラな追悼会●お盆を廻した吟香・ニコライの演説/新聞紙の奇観●記事の迅速を諭示された明治初年・批評つきの三面記事・仮名許りの新聞・新聞を政府で御買上げ・田舎者が拝んだ読売新聞社・字引の附いた幕末の新聞/明治初年の僧侶学校●御朱印と宗門人別・切支丹以上の迫害・五万六千人の檀林生徒・三十六年で卒業・厳格な格轍教育・御慈恵まわりの奇風・荘厳な「新説讃禮」・足の親指迄手を下げる最敬禮法/西洋医術渡来事情●医道改正御用係・独逸医学を採用する迄・大西郷の一言・上野を公園にした先見者/辞書を拝ませる●ヘボンの英和辞典二千部御買上/竹橋騒動余話/芝居迄になった西国立志篇/初めての小学読本/維新前後の陸軍/最初の兵学校/調練の始まり/維新前後の軍服変遷/徴兵適齢の話/寒冷紗の軍服/郵便創業珍談/江戸と横浜と初めての汽船/馬車の初乗り/汽車が汗をかいた/蒸気船破裂の話/築地ホテル水漏れの話/靴、メリヤス、煉瓦、瓦斯/腐れ行く幕府/会津侯と慶喜公/上野戦争に出会った話/上野戦争前後の無政府状態/彰義隊餘聞(一)/彰義隊餘聞(二)/会津籠城餘談/千代田城其主を代る/一万円の金に窮した千代田城の名器を濫費/新大臣と給仕/大隈侯の梁山伯/危機一髪の竹橋騒動/竹橋騒動餘談/明治初年の殿様/容堂公の書いた古器物品目/長命寺のお花さんとオランダ公使/外人万能の失敗/グランドの来た時の話/最初の異人洋品店/最初の輸入商/維新後の札差/興福寺本堂で豚鍋/人が仏を助けた話/明治初年の流行神仏/本屋から観た明治初年の洋漢学と国学/維新前後の書画会/明治初年の小説/智学氏の「日蓮記」/数百円の西鶴本がタッタ一円/明治十年前後/明治初年の新聞記者/牛肉屋で「美術」の命名/維新前後の浮世絵師/菊池容斎と河鍋暁斎/柴田是眞の啖呵/零と百点/容斎の随筆/初めて博覧会の開かれた当時のこと/橋本雅邦と竹内久一/隅田川の盃流し/風俗のこと/乱暴な風俗(一)/乱暴な風俗(二)/ちょんまげから斬髪へ/断髪勧誘に御役人/絞首台を造った話/コレラ病流行の話/ほか
前書きなど
● 解題より ●
『漫談明治初年』は、昭和二年(一九二七)一月一日の発行である。昭和初年から見て明治初年は約六十年前。年代的に言えば、現代の人間が敗戦直後をふりかえっているのに相当する。編者の同好史談会については詳しいことを知らないが、この本の「はしがき」の署名が春城(市島謙吉)になっていることから、同会の中心人物はたぶん市島謙吉だったのであろう。
この本の面百さは、目次を一瞥していただければ、おおよその見当はつくだろう。明治初年の珍談漫談を、これほど数多く、また網羅的に集めた本を私は他に知らない。これほどの本が、なぜこれまで、さほど注目されてこなかったのだろうか。
一例をあげよう。郵便制度の創始期、郵便函を垂れ便函と誤読した人物がいたという逸話はよく聞くが、この話を最初に紹介した人物が誰だったかを知っている人はあまりいないだろう。またこの話が「実話」なのか、それとも「作り話」なのかについて自信をもって答えられる人も少ないはずである。ところが、本書所収の「郵便創業珍談」(前島密談)の項を読むと、この話は恐らく実話であったろうと思える。それはひとつには、そこに写真で紹介されている郵便函の形状がいかにもタレベンバコといった風だからである。また、この逸話が広まっていった出発点は、たぶん前島が語った右「珍談」だったのではないかと推測するのである。
版元から一言
昭和2年の春陽堂版の完全覆刻です。カラー前付け4頁を含む上製、函入美装本。本書に話題を提供した語り手、あるいはその話に登場する人物は、福羽静、七代富士松加賀太夫、大迫尚道、大久保一翁、田中智学、井上哲次郎、石黒忠悳、高村光雲、西村勝三、山川健次郎、徳川家達、三代柳家小さん、竹内久一、淡島寒月、成島柳北、歌川國芳、菊池容斎、河鍋曉斎、今泉雄作、柴田是真、鏑木清方、橋本雅芳、岩谷松平、大木喬任、石渡敏一、篠田鉱造、四世尾上松助、三世富本豊前、四世富本豊前、三遊亭円朝、福地桜痴、他多数!!
著者プロフィール
礫川 全次・解題(コイシカワ ゼンジ)
1949年生まれ。ノンフィクションライター。歴史民俗学研究会代表。近現代の犯罪民俗学、風俗学を中心に執筆活動を続ける。古書収集でも有名。最近はパソコンの組み立てに凝っている。
著書・『サンカと説教強盗』『史疑 幻の家康論』『戦後ニッポン犯罪史』『大津事件と明治天皇』
編著書・歴史民俗学資料叢書(第一期・全五巻)
共著・『女装と民俗学』『いじめと民俗学』『犯罪の民俗学』ほか。
覆刻版解題・菊池山哉『先住民族と賤民族の研究』金城朝永『異態習俗考』尾佐竹猛『明治秘史疑獄難獄』『下等百科辞典』ほか。
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