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直感力を養う坐禅断食 野口 法蔵(著) - 七つ森書館
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直感力を養う坐禅断食 (チョッカンリョクヲヤシナウザゼンダンジキ) 新装版

哲学・宗教
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発行:七つ森書館
四六判
224ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-8228-1525-7   COPY
ISBN 13
9784822815257   COPY
ISBN 10h
4-8228-1525-0   COPY
ISBN 10
4822815250   COPY
出版者記号
8228   COPY
Cコード
C0015  
0:一般 0:単行本 15:仏教
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2015年2月
書店発売日
登録日
2015年1月15日
最終更新日
2015年2月24日
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紹介

「直感力」とは危機回避できる能力、つまり徳をそなえるということである。だまっていても危機が去っていく運をもつということ。断食には、このような修養目的があり、断食を成功へと導くためのヒントを講話的手法でもり込む。さらに、直感力を得た仙人の物語を紹介する。

目次

まえがき

第Ⅰ部 直感力を養う坐禅断食
     断食のメカニズム
     あるがままの生き方
     愛と感謝
     滝行を語る
     バチカンの五体投地
     経典二万経を読む
     接心について
     求めない心
     インドの社会
     自然農法と禅
     直感力を養う

第Ⅱ部 直感力を得た仙人の物語
     サムスタン
     ゲシェ・センゲ
     マハグル・ノルブラマ
     ムスタンの洞窟の聖者
     禅定の名人
     キリスト教の聖者
     アンドッス仙
     ジャイナ教の聖者
     信州の女詩仙
     箱崎文応の命
     嘉人さん
     断食の師 甲田光雄
     八木天摂上人
     農聖 福岡正信
     ブータン農業の父 西岡京治
     牧野財士師
     河口慧海老師
     姫田忠義

あとがき

前書きなど

まえがき

 断食を指導するようになって二十年になるが、断食は何のためにやるんですか、と初心を聞かれることも多くなった。
 相手のことを思って順番に答えると、やはり最初は健康のためであろう。体重を落とすためのダイエットもよいし、便通をよくしてデトックスするのもよい。便通がよく、毎日きちんと排便があると調子がよいのはもちろんであるし、栄養吸収もよくなり血のめぐりもよくなる。これで冷え症は改善され、免疫は上がり、ガンの予防にもなるのである。
 次に生活習慣が変わる。舌の味覚も変わる上に好き嫌いの好みも少し変わり、酔いやすくなって酒をひかえたり、たばこをやめられたりする人もいる。胃も小さくなって小食のくせもつき、大食や油っこい肉食も減り、コレステロールや血糖の値、血圧も下がるというものである(断食三日を三回で達成)。まず、これが断食初心者の目的達成ラインではなかろうか。さらには花粉症やアトピー、アレルギーなどの病気を改善するなどで、これは三日間の断食だと平均六~七回くらいかかるだろうか。
 第二段階では心のことがテーマとなる。つまり、心の宿便取りといわれ、坐禅をいかに成功させるかが目的となる。これはかえって、うつや精神不安から出発して、心の安定を得たという方もあり、さらに瞑想が深くなって、よい呼吸ができるようになった人もいる。もう少し進んだ人は一分間に二回と呼吸が遅くなり、二分間に三回より遅くなると完全な瞑想状態になっているといわれる。そんな時、血中酸素濃度も低く、また心拍数、脈拍数も遅い。そして、脳波もアルファ波かミッドアルファ波である。
 こうなってくると思いがけないこともおこる。体に重い病気があっても、心は病気のことを考えなくなり、さらに痛みも感じなくなることもある。いつまで坐っていても足がしびれず、あきもこず、時間の感覚というものがなくなる。結果、長くわずらっていた膠原病などもいきなり改善されていたり、軽い悟りのような体験があったりして、心が体と一緒に目覚めるといったケースもあった。
 そんな中から七人が各宗派のお坊さんや尼さんにまでなってしまったこともある。これらは断食による深い瞑想の体感であり、断食の本当の成功である。そうであるから、重い病気や治療が難しい病になったら、改善するにはこの領域を目指すのがよいと思う。事実、ここまで来た人の中には奇跡的に難病が解決した人もいた。まあ、この段階までくると、ほぼ人生の目的も達成できたようにも感じるであろう。
 しかし、これが最終ではない。この段階だと自分のことしかできないからである。本当の最終は、ついに直感力を身につけることが望ましい。直感力とは危機回避できる能力、つまり徳をそなえるということにある。または、だまっていても危機が去っていく運をもつということである。そんな人は、いるだけで他人や社会までもがよくなっていくから不思議である。以上のように本当は、断食にはこのような段階をもった修養目的があり、深いものがあるのである。
 本書では断食のメカニズムを紹介する一方で、断食を成功へと導くための例やヒントを講話的手法でもり込み、読者にも一緒に考えていただきたいというねらいがある。さらに、それを具現化したような人生をおくった人を仙人としてとらえ、第二部に登場してもらうことにした。
 これは、ホロトロピック・ネットワークの機関誌「マハーサマーディ」に一年余にわたって連載したものを、そのまま使用したので、短編の集まりのようになったのはお許しいただきたい。でも、ここに登場していただいた方々はまぎれもなく実在の人であり、私もあなたもおなじようにできたり、なれたりする可能性はあるのであり、私はそれを開始する方法として、これからも断食を位置づけたいと思っている。
 最後に「まはぁさまでぃ」誌の編集者の山崎サユミ氏と、七つ森書館のみなさんの多大な労力に深くお礼を申しのべ、宮沢賢治の短編詩集に出てくる「七つ森」という素敵な名をとった会社に感謝の意をあらわして、本書のまえがきとしたいと思います。
 ありがとうございます。

著者プロフィール

野口 法蔵  (ノグチ ホウゾウ)  (

 1959年、石川県七尾市生まれ。千代田工科芸術学院写真科卒業。1982年、新聞社退社後、ソ連・中国・インドを取材。1983年、ラダックにて得度。1986年、インド国立タゴール大学に滞在。ダライ・ラマより寺名禅処院寄与。
 現在、長野県松本市に在住。臨済宗妙心寺派僧。20年以上にわたって、五体投地を繰り返し、修行をするかたわら、坐禅断食の指導を全国各地で行っている。
 著書に『蓮華の国々』『バカボンの詩』『童話集 ホーミタクヤセン』『坐禅断食』『チベット最後の秘境「ラダック」』『心の訓練「死を想え」』『ブッダの判例集』『人間の頂』『全国坐禅断食道場』(以上、よろず医療会ラダック基金)、『断食坐禅のススメ』『これでいいのだ』『お地蔵さまと心の癒し』『からだに効く坐禅』(以上、七つ森書館)、『チベット仏教の真実』(佼成出版会)、共著に『他力・自力のしあわせ論』(七つ森書館)、監修に『ホーミタクヤセン』(七つ森書館)など。

上記内容は本書刊行時のものです。