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飯舘村を歩く
- 初版年月日
- 2014年11月
- 書店発売日
- 2014年11月12日
- 登録日
- 2014年11月12日
- 最終更新日
- 2017年4月18日
紹介
2011年3月11日、東日本大震災によって福島第一原発事故発生──4月11日、福島県飯舘村は全村避難となり、今日に至っています。村の歴史をひもといて村内を歩き、被災した村民に深く分け入っての聞き書きです。それぞれに生きる村民の肉声が伝わってきます。
目次
真野川に沿って
中休み〔一〕
塩の道〔一〕
幹線を西へ
中休み〔二〕
センター地区
塩の道〔二〕
あとがき
前書きなど
あとがき
都立高校(上野・白鴎)に二十九年つとめたわたしには、今でもたくさんの卒業生との濃淡さまざまなつきあいがあります。もう古希だ、還暦だという年になっている人たちなら、こんな本でも多少は共感してくれるのではないかと、早い頃の卒業生のだれかれの顔を思い浮かべながら書きました。その世代の人たちが、近くのだれかに伝え、その人がまただれかに伝えてくれて、飯舘村の記憶が首都圏の人の間に残されていけば、わたしのささやかな仕事も多少は意味があろうというものです。もう少し若い五十代、四十代以下の世代の人たちにも期待するところはあります。飯舘村がどんな形になっているかを見届けられるのは、その人たちでしょうから。
村の人に読んでもらうつもりはないので、話を聞かせてくれた人のお名前を、あえて、本名で書かせてもらいました。ひょっとして、そのことで叱られるとしても、それはそれで止むを得ません。その人の顔を思い浮かべ、その声を耳に甦らせ、その時の記憶のままに書かなければ、文章がどうしても流れてくれなかったのですから。敬語を最小限にとどめたことも併せて、「それがわたしの流儀だから」と言ったら、やっぱりそっけなさすぎるか知らん。
菅野允子さん、いろいろお世話になりました。お蔭でたくさんの人とお話ができて本になりました。末永くおつきあいください。
上記内容は本書刊行時のものです。