版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
戦中と戦後の責任 藤沢 俊昭(著) - 七つ森書館
....
【利用可】

書店員向け情報 HELP

戦中と戦後の責任 (センチュウトセンゴノセキニン) 徳富蘇峰と加藤完治の場合 (トクトミソホウトカトウカンジノバアイ)

歴史・地理
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:七つ森書館
四六判
184ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-8228-1411-3   COPY
ISBN 13
9784822814113   COPY
ISBN 10h
4-8228-1411-4   COPY
ISBN 10
4822814114   COPY
出版者記号
8228   COPY
Cコード
C0020  
0:一般 0:単行本 20:歴史総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2014年8月
書店発売日
登録日
2014年8月13日
最終更新日
2015年1月29日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

 1931年に始まる15年間のアジア・太平洋戦争。いったい誰がその責任をとったのか。
 著者は、「積極的に戦争に賛同し国民の戦争推進への協力を鼓舞した」知識人のなかから、時代を代表するジャーナリスト・徳富蘇峰(1863-1957)と満州開拓の推進者・加藤完治(1884-1967)の2人に焦点を絞る。戦中に彼らがどんな主張を展開し、敗戦後、自らの責任についてどんな思いでいたのかを描き出す。
 ―現在も、日本の支配層は構造的な無責任を続けているのではないのか? と問いかける。

目次

プロローグ

第一部 徳富蘇峰

 第一章 戦中篇――『必勝國民讀本』
  第1節 本書の構成
  第2節 皇国史観――序説
  第3節 これまでの歴史的考察──第一篇
  第4節 戦争目的と勝敗の三要素──第二篇
  第5節 勝利への方策──第三篇
  第6節 精神的戦争──結語
 第7節 考察

 第二章 戦後篇──『勝利者の悲哀』 91
  第1節 本書の構成
  第2節 幼稚な外交力と自衛戦争
  第3節 戦争放棄について
  第4節 戦争の反省
  第5節 侵略
  第6節 追放者を登用すべき
  第7節 半生の記(「讀賣新聞」)

第二部 加藤完治

 第三章 戦中篇──『日本農村教育』
  第1節 本書の構成
  第2節 農業の意義――第一篇
  第3節 農業体験と筧克彦から得たもの──第二篇
  第4節 日本精神の過大評価と国際協調の否定──第三篇
  第5節 農民魂・鍛錬の方法──第四篇
  第6節 人命軽視と満州への植民──第五篇
  第7節 日本国民高等学校(友部)の使命──第六篇
  第8節 考察

 第四章 戦後篇──「公道」
  第1節 「公道」と「御詔書を拝して」の構成
  第2節 御詔書を拝して──一億総懺悔論

エピローグ
参考文献
あとがき

前書きなど

あとがき

 以上、二者を取り上げましたが、私は彼らに対し、個人的に否定的感情は毛頭ありません。前者は清沢洌の日記に強く共感しているため、後者は、今なお存在している中国残留日本人への想いから選びました。

 残留日本人となったのは、ほとんど開拓団員の子どもと妻たちであり、日本軍関係者や政府関係者、さらに満鉄関係者はいないといいます。彼らはわれ先にと列車で南下、帰国していったからです。(飯田市歴史研究所編『満州移民―飯田下伊那からのメッセージ〔改訂版〕』現代史料出版、二〇〇九、二〇五頁)

 二人の著作からの引用によって、彼らの思想・敗戦後の想いを語ってもらう手法をとりましたが、著書をわずか見ただけで彼らの思想すべてはわかりません。それでも、二人の思いの一端だけでもかいま見たようには感じています。
 東日本大震災報告書の「人災」からの企画でしたが、思いのほか時間がかかってしまいました。また、私の力不足から、目的を十分果たせたかどうか危惧しています。
 なお、本書作成にあたり、七つ森書館の中里英章さん、上原昌弘さんに多大のご指導・ご助力をいただきました。厚く御礼申し上げます。

  二〇一四年六月二十三日
  沖縄慰霊の日に

著者プロフィール

藤沢 俊昭  (フジサワ トシアキ)  (

1946年茨城県生まれ。1970年埼玉大学卒業。元高校教員。現在は翻訳に携わる。

上記内容は本書刊行時のものです。