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自民党首相の大罪 佐高 信(著) - 七つ森書館
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自民党首相の大罪 (ジミントウシュショウノタイザイ) 安倍晋三から中曽根康弘まで (アベシンゾウカラナカソネヤスヒロマデ)

社会一般
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発行:七つ森書館
四六判
272ページ
上製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-8228-1379-6   COPY
ISBN 13
9784822813796   COPY
ISBN 10h
4-8228-1379-7   COPY
ISBN 10
4822813797   COPY
出版者記号
8228   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2013年7月
書店発売日
登録日
2013年6月21日
最終更新日
2013年8月8日
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紹介

 自民党がタカ派ばかりになったいま、現在から遡って歴代の自民党首相─安倍晋三・麻生太郎・小泉純一郎・森喜朗・小渕恵三・竹下登・中曽根康弘を徹底批判する。

目次

1 安倍晋三(2006~07、12年~)
   安倍晋三内閣官房副長官への手紙──昭和天皇は岸信介の入閣を危惧した
   安倍晋三さんへの手紙──政治家の「家業」はいい商売ですか
   安倍も含めて、世襲政治家だらけ
   安倍晋三は石橋湛山の「靖国神社廃止の議」を読んだのか
   安倍晋三、中川昭一氏への手紙──党改革は世襲廃止から始めて下さい
   安倍晋三が頭の上がらない叔父・西村正雄の惜しまれる急逝
   安倍晋三とは〝ジーパンをはいた岸信介〟
   安倍を絶対に総理にしてはいけない三つの理由
   教育基本法の改悪に反対する
   岸信介の「戦犯」について、田中清玄が遺した証言
   児玉清さんへの手紙──安倍の熱烈な支持者というあなたの感覚が信じられません
   ダベシン運動のすすめ
   首相夫人・安倍昭恵さんへの手紙──「私も侮辱されたのよ」と夫に迫らなければおかしいと思う
   かつて安倍政権に期待した著名人たち
   「一〇年早い」と叔父が危惧した安倍総理の未熟
   読売新聞への手紙──安倍内閣改造への、私の辛口コメントは載せられなかったのですね
   「問題外」の坊っちゃんタカ派
   「安倍晋三応援団」の過去は消えず──泉下の児玉清を想う
   安倍晋三夫人、昭恵さんへの手紙──安倍元首相が脱原発論に「納得」と書く夫人にぜひ頼みたいこと
   「朴正煕の娘」と「岸信介の孫」が舵を取る韓国と日本はどう向き合うのか
   中退不安タカ、安倍晋三

2 麻生太郎(2008~09年)
   坊っちゃんタカ、麻生太郎
   「お宅拝見!」ツアー参加者が逮捕されるなんて
   ブレーキをはずす麻生政権
   小泉純一郎と麻生太郎の「目糞鼻糞」について
   故・吉田茂元首相への手紙──孫・麻生太郎首相の振る舞いはあなた譲りなのでしょうか

3 小泉純一郎(2001~06年)
   小泉純一郎の「存在」を問う
   クリーンなタカ派の危険さ
   慎太郎と純一郎
   小泉純一郎氏への手紙──「クリーンなタカ派」にしてほしくない事
   城山三郎氏への手紙──小泉首相なら分かるはずだと
   織田信長への手紙──あなたを好きな小泉首相と池田大作氏
   一見、利口に見えてアホな小泉純一郎
   田中秀征氏への手紙──アメリカ追随の小泉に忠告を
   村田兆治さんへの手紙──小泉首相が見習ってほしかった勝負師
   コラムニスト・三連星子への手紙──小泉首相は「銀行員のタブー」をわかっているか
   小泉純一郎こそ平和主義への抵抗勢力
   私はついていかない
   ブッシュのキャディ
   小泉を見限った城山三郎
   天木直人さんへの手紙──小泉純一郎への怒りを新たにしました
   小泉純一郎という凝固人間
   首相になってはいけなかった小泉純一郎
   「国際政治の複雑さ」がわからないのは小泉首相
   イラク人質事件、相手の立場で考えられない「小泉と安倍」
   小泉純一郎を《食言首相》と名づけよう
   ブッシュに「ヘイ、クーパー」と呼ばれる小泉首相
   小泉純一郎氏への手紙──オリンピック選手よりもブッシュ大統領に抗議電話を!
   小泉政治の暴走をマスコミが煽る
   『小泉純一郎』(佐野眞一著)を評す
   小泉首相が一三年前に唱えた「派閥有用論」
   「もっと庶民生活との距離を縮めて」と小泉首相へ渡辺恒雄提言
   「郵政米営」を押しつける小泉純一郎
   小泉ヒットラーに慄然とする
   小泉純一郎さんへの手紙──「城山三郎さん お別れの会」に出席したあなたへ
   ギルティ・ペアの小泉と竹中
   小泉純一郎という未熟なリーダーについて
   小沢一郎か、小泉純一郎か

4 森喜朗(2000~01年)
   利権政治屋の系譜
   「秘書が……」の政治家に連座制を
   「理想の内閣を」についてのコメント
   床の間に飾ってはいけない面々
   森喜朗氏への手紙──堀江氏批判なのに堤氏は擁護にまわりますか
   己れを知らぬこと甚だしい森元首相

5小渕恵三(1998~2000年)
   田中真紀子さんの鋭い小渕恵三評
   小渕首相への手紙──愛国心を強要するな
   小渕はオブツだ
   秘書の証人喚問に応じぬ小渕氏へ

6 竹下登(1987~89年)
   竹下登の卑屈
   官僚という松喰い虫に荒らされた〝築地松〟
   〝日本のおんぶオバケ〟竹下登逝く
   故佐藤栄作元首相への手紙──アメリカから日本政界への「資金提供」について

7 中曽根康弘(1982~87年)
   妖怪退治
   中曽根康弘、タカ派の系譜と利権
   大岡昇平氏への手紙──中曽根康弘氏は「先行する森喜朗」
   中曽根元首相は無責任な「御意見番」気取りだ
   「大連立」政権へとうごめく老残〝風見鶏〟と〝ドン〟
   中曽根康弘の「海軍魂」に「竹槍」一本で立ち向かった美輪明宏の「肝っ玉」
   ニッポン原子力開発の超A級戦犯

前書きなど

はじめに

 日本にとって中国との関係はアメリカとの関係以上に重要であり、どんなに困難であっても、日本は日中関係と日米関係をバランスさせながら生きていかなければならない。
 ところが、特に小泉純一郎が首相になってから、そのバランスが崩れてきた。それで私は小泉を、日中関係と日米関係という二次方程式を解けない人間と断罪した。ちなみに、小泉の後の安倍晋三は一次方程式も解けない人間であり、福田康夫は最初から解く気がなくて、次の麻生太郎は方程式の意味がわからなかったと酷評したのだが、その間に、民主党政権を挟んで、何と、安倍が首相で麻生が副という時代が来てしまった。最悪最低のコンビである。
 日中関係を重視せず、アメリカに傾くというその姿勢は歴史を無視したいというところから来る。
 とりわけ中国を含むアジアの人間に対して加害者だったことを認めたくないのである。
 特に安倍は、前回の首相時代は、アジア諸国への植民地支配を謝罪した、いわゆる「村山(富市)談話」を踏襲すると言いながら、首相を“中退”するや、実は踏襲すると言いたくなかった、と告白している。つまり、ホンネは否定なのである。それがわかっているから、松下政経塾ならぬ松下未熟塾卒の高市早苗は「村山談話」に噛みつく。
 『正論』の二〇〇九年六月号に「『村山談話』をいかに克服するか」というシンポジウムが収録されている。それによると、外務次官をやった村田良平が、村山談話を踏襲すると言った安倍に失望して、直接その理由を尋ねると、安倍は、
 「自分としては村山談話は踏襲しないと言いたかった。けれども平成一〇年一一月の小渕(恵三)総理と江沢民との間の共同宣言には、村山談話を遵守し云々という文言が盛り込まれている。そして、この共同宣言は、中国側は、日中共同声明、日中平和友好条約に次いで重視しているとのことなので、一方的に反故にすることは国際信義上出来ないと考え、踏襲すると答弁した」
 と弁解したという。
 首相の時は国際信義上、反故にすることは出来ないが、それ以外の時は反故にしたいなどという政治家を私たちは信頼することができるか。
 一九九五年八月一五日に発表された「村山談話」は、自民党タカ派の当時の閣僚(文相の島村宜伸、運輸相の平沼赳夫、通産相の橋本龍太郎、そして総務庁長官の江藤隆美ら)も異論なく満場一致で閣議決定された。私は村山と共著で『「村山談話」とは何か』(角川oneテーマ21)を出したが、当時の官房長官、野坂浩賢は、
 「異議を申し立てる閣僚がいれば、内閣の方針に合わないということで即刻罷免するつもりだった」
 と述懐している。
 小泉内閣のやった郵政民営化(ならぬ会社化)法案では、確か島村宜伸が反対して閣僚を罷免されたが、そうした意思を示す閣僚がいなかったのだから、安倍が「村山談話」を否定するなら、それに賛成した平沼や橋本をも否定しなければおかしいだろう。また、その後、それを踏襲してきた後継首相(橋本、小渕など)も批判しなければ辻褄が合わないのである。さらに言えば、村山富市は学生時代、穂積五一が寮長をやっていた至軒寮に入っていて、深く穂積の影響を受けている。戦後、「アジア留学生の父」と呼ばれた穂積は大日本帝国のアジア解放を本気で信じた人間だったが、一九七三年に、「だんだん自分が日本人から離れる」と語っている。安倍や高市はこれをどう受けとめるか。
(中略)
 自民党がタカ派ばかりになったいま、現在から遡って歴代の自民党首相を徹底批判する。幕間に毒にもクスリにもならない形で登場した福田康夫などは省いた。また、宮澤喜一など護憲を貫いた首相も批判の対象から除外している。

著者プロフィール

佐高 信  (サタカ マコト)  (

1945年山形県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済誌編集長を経て、評論家、「週刊金曜日」編集委員。おもな近刊に『電力と国家』(集英社新書)『池波正太郎「自前」の思想』(田中優子との共著、同)、『新師弟物語』(岩波現代文庫)、『日本の社長はなぜ責任を取らないか』(毎日新聞社)、『西郷隆盛伝説』(角川文庫)『余白は語る』『民主党の背信と小選挙区制の罪』『竹中平蔵こそ証人喚問を』『日本および日本人論』(西部邁との共著)『メディアの破壊者 読売新聞』(清武英利との共編著)『自分を売る男、猪瀬直樹』『自分を売らない思想』(いずれも七つ森書館)など。

上記内容は本書刊行時のものです。