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君、殺したまうことなかれ
憲法行脚の思想2
- 初版年月日
- 2007年8月
- 書店発売日
- 2007年8月25日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
憲法行脚の会の論集、第2弾です──「城山三郎の人と思想」佐高信、「戦争で得たものは憲法だけだ」澤地久枝、「安倍晋三とナショナリズム」姜尚中・香山リカ、「高橋哲哉が語る靖国神社」、「自衛隊はどこへ行くのか」小池清彦・斉藤貴男、「土井たか子が語る原爆の図丸木美術館」を収録。
目次
第一章 城山三郎の人と思想(佐高 信)
第二章 戦争で得たものは憲法だけだ(澤地久枝)
第三章 安倍晋三とナショナリズム(姜 尚中・香山リカ・白川勝彦・佐高 信)
第四章 高橋哲哉が語る靖国神社(高橋哲哉)
第五章 自衛隊はどこへ行くのか(小池清彦・土井たか子・斎藤貴男・佐高 信)
第六章 土井たか子が語る原爆の図丸木美術館(土井たか子)
前書きなど
はじめに
歌人の与謝野晶子は、弟が出征する時に、「君、死にたまうことなかれ」と歌った。しかし、平和のためにはもう一歩踏み込んで、「君、殺したまうことなかれ」と歌うことが必要だろう。日本国憲法の思想は、まさに、ここに立脚している。
バリバリの改憲論者だった慶大の小林節教授は最近、安倍政権に改憲させてはならないと強調している。自民党の改憲案は立憲主義そのものを壊すものだからである。改憲ではなく、いわば壊憲だということだが、私たちはいま、改憲論者の小林教授らと手を結んででも壊憲をストップさせなければならない。
「憲法行脚の会」の呼びかけ人の一人である城山三郎さんが三月二十二日に亡くなった。昭和二年生まれで、十七歳で海軍に志願した城山さんは「戦争で得たものは憲法だけだ」という名言を遺した。
城山さんは、特攻隊の指揮官だった田英夫さんとの対談(「論座」二〇〇四年九月号)で、「やはり憲法は守らないといけない。だから最近、佐高信さんに言われて『憲法行脚の会』に名を連ねました。小泉さんが戦争の怖さを知っていれば、個人情報保護法のような言論弾圧なんか考えません」と語っている。
「九条の会」の呼びかけ人である澤地久枝さんに講演してもらったり、「行脚の会」では護憲の輪を多方面に広げようとしている。そのさまざまな試みをここに収録したが、いろいろな意見を寄せていただければ幸いである。
二〇〇七年八月一日 佐高 信
上記内容は本書刊行時のものです。