発行:七つ森書館
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A5判 228ページ 並製
定価:1,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8228-0628-6(4-8228-0628-6) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年09月
書店発売日:2006年09月11日
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離れて暮らしていると、介護や病気、不慮の事故……親のことが心配になりますね。そんな時、開いていただきたいのがこの本。遠距離介護の取材を長年つづけ、NPO団体の理事長となった著者が贈る介護応援ブックです。知って役立つ介護サービス、制度、お金、生活の知恵が満載です。
目次
第1章 離れた親の暮らしをささえる
【別居? 同居?】
親のこと、気にはなるのですが、なかなか実家へ行けません。
●親の「普段どおり」を知っておくためにも、元気な頃からの交流が大切です。
いずれは「呼び寄せる」ことが、親の幸せになるのでしょうか?
●離れて暮らすメリットもいっぱいあります。話し合ってみましょう。
親とは長電話になるのがおっくうで、なかなか電話をかけられません。
●おっくうなら、きょうだいや孫世代も巻き込んでみましょう。
認知症と診断されました。担当医は「ひとり暮らしは無理」といいますが。
●なにができて、なにができないかをしっかり観察することが重要です。
【日常生活】
過疎地のため生活が不便です。便利な交通手段はありませんか?
●地域に有料送迎などの非営利活動サービスがないか確認してみましょう。
ゴミ出しをお隣の人に頼めますか。お礼はどうすればいいでしょうか。
●思いきってご近所の人にお願いしてみるのがいいでしょう。
しっかり食事をとっていないようです。薬も飲んでいないのですが。
●共食の機会を増やす方法を考えてみるのも、ひとつの方法です。
親の郵便管理が難しくなってきました。なにか方法はありませんか?
●帰省したときに、確認漏れがないかチェックするのが一番だと思います。
親の家は整理整頓ができておらず、大切な書類があちこちに置かれています。
●大切な書類は整理して、収納場所を一緒に考えましょう。
【安否・緊急連絡】
病気になって苦しくなったときに、通報できるようにしておきたい。
●緊急通報システムを導入すると、安心感が高まります。
携帯電話に親の様子を知らせてくるサービスってどんなものですか?
●普段どおりの生活を送っていることを確認するサービスから始めてみては。
お隣の人にいざというとき親の様子をのぞいて、と頼むのは迷惑でしょうか。
●自分の代わりにかけつけてくれる人を確保しておくとよいでしょう。
【病気の心配】
母親はすっかりふさぎこんでいます。「うつ病」ではないかと心配です。
●高齢者のうつ病の症状はさまざま。早めに専門医を受診しましょう。
ジェネリック医薬品は価格が安いのですが、どうすれば使えますか?
●担当の医師や薬剤師に、利用について相談してみるといいです。
親が認知症かもしれません。病院の何科へ連れていけばいいですか?
●親のプライドを傷つけないように、精神科などを受診することが大切です。
親とずっと不仲です。認知症らしいのですが介護する自信がありません。
●福祉サービスや施設入居を選択肢に考え、無理はしないことがポイントです。
親が入院しました。完全看護なのに、付き添うようにいわれたのですが。
●基本的に家族が付き添う必要はないのですが……。
入院してすぐに転院のことを考えておく方がいいのはなぜですか?
●3ヶ月以内での転院が一般的ですから、心の備えをしておきましょう。
60歳の父が末期がんで入院しています。在宅で看取りたいのですが……。
●40歳以上の末期がんの在宅療養には、介護保険が心強いサポートとなるでしょう。
第2章 介護サービスを使う
【サービスの内容】
高齢者向けのサービスには、どんなものがあるのでしょうか。
●種類は介護保険、自治体、ボランティア、民間などがあります。
親の暮らす自治体にどのようなサービスがあるか知りたいのですが。
●高齢者向けのサービスをまとめた冊子やパンフレットの郵送を依頼できます。
申請のときは帰省するべきですか? 認定調査はどうすればいいですか?
●申請時よりも、認定調査のときに付き添った方がいいでしょう。
介護認定調査ではどのようなことを聞かれますか? その後の段取りは?
●心身の状態について聞かれます。結果は申請から30日以内に連絡が来ます。
介護保険の介護予防サービスとは、どのようなものですか?
●介護予防給付は、介護保険サービスの一環です。
要介護になることを予防したいのですが、元気な親だとサービスを使えませんか?
●自立でも、リスクが高いと認められればいまから利用できます。
介護度によって利用できるサービス額はどれくらい違うのですか?
●支給限度額は要介護1で約16・5万円、 要介護5で約35・8万円です。
介護保険で介護ベッドや車いすをレンタルで借りられますか?
●「要介護2」以上の介護度であればベッドや車いすをレンタルできます。
医師から介護保険の利用をすすめてきません。申請は時期尚早ですか?
●医師から介護保険の申請をすすめてくるとは限りません。
いいケアマネジャーは、どうやって見つければいいのですか?
●近所の評判を参考に、話をしっかり聞いてくれる事業者を選びましょう。
ケアマネジャーを頼りにしているのに、電話をかけても留守ばかりで困ります。
●コミュニケーションには、ファクスやメールを活用するのも方法です。
事業者のケアプランがぴんとこないので、子が立てることはできますか?
●自分や家族がケアプランを立てる「自己作成」も選択可能です。
【在宅で介護】
親のクチグセは「ひとりでなんでもできる!」なので困ります。
●無理強いせず、ゆっくり説得しましょう。適切なタイミングが見つかります。
母親が急逝。残された父親は家事ができず困っています。
●有償ボランティアの家事援助サービスなどを検討してみるといいでしょう。
介護の専門家が実家を定期的に訪問してくれたら安心です。
●毎日、父親が誰かと顔を合わせるようスケジュールを組むと安心です。
お風呂の事故が心配です。手すりや段差撤去は介護保険でできますか?
●介護保険では20万円を上限に住宅改修工事ができます。
認知症の場合に使えるサービスは、どのようなものがありますか?
●住み慣れた地域で安心して暮らせる「地域密着型サービス」があります。
介護サービスを行うボランティア団体があると聞きましたが……。
●ほとんどは有償ボランティア。問い合わせは地域の社会福祉協議会へ。
食事の宅配サービスをする会社が故郷にあるか知りたいのですが。
●地域包括支援センターや近所の人から情報収集をしましょう。
いろいろなサービスを使っても、在宅での限界があると思います。
●無理ということはありませんが、在宅での暮らしは難しくなるケースも。
親を呼び寄せても介護保険のサービスは受けられますか?
● 引き続き同じように利用することができます。
入院したら介護保険のサービスを利用できないって本当ですか?
●確かに、入院中は介護保険のサービスを受けることはできませんが……。
【施設の利用】
「老いても自立して暮らすよ」と両親は元気です。どんな住まいが安心ですか?
●老いても安心して暮らせる老後の住まいや施設はいろいろあります。
介護保険で入れる施設には、どのようなものがありますか?
●特別養護老人ホームなどに早めに申し込みをするといいでしょう。
家庭的な雰囲気の小グループ化した施設が増えていると聞きますが。
●ユニットケアのグループホーム、新型特別養護老人ホームもあります。
病院から在宅に戻す前にしっかりリハビリを受けさせたいのですが。
●病院から在宅への橋渡しをする病院や施設を検討しよう。
親が大部屋はいやだから有料老人ホームに入るというのですが。
●経済的なことはもちろん、相性、立地などもよく検討して選びましょう。
寝たきりの父と元気な母が一緒に入れる介護施設はありますか?
●介護付有料老人ホームなら一緒に入居できるところもあります。
介護施設に入居するのですが、実家を売るべきでしょうか?
●親の性格などをよく考えて、最良の選択をしましょう。
地域にケアハウスができますが、終の住まいになるのでしょうか?
●「特定施設」に指定されていれば介護体制が充実している。
有料老人ホームに入居したのですが、倒産しないか不安です。
●情報開示がどの程度なされているかなどをチェックしましょう。
第3章 知っておきたいお金と制度
【交通費】
頻繁に通う私のために母が交通費をくれるのですが、もらってもいいのでしょうか?
●交通費を差し出されたら「ありがとう」と受け取るといいでしょう。
帰省手段は鉄道や飛行機です。安いチケットを買う方法はありませんか?
●交通機関各社のホームページは要チェックです。
帰省に高速バスを使いたいのですが、料金が安いぶん、疲れませんか?
●体調やスケジュールに合わせた利用がおすすめです。
介護のための帰省にかかる交通費の割引サービスはあるのでしょうか?
●「介護帰省割引」を実施する航空会社もあります。
【医療・保険費】
高齢者の医療費はどういうしくみですか? 窓口負担は下がるのでしょうか?
●老人保健制度で受診するのは75歳の誕生日の翌月から。今後負担はアップ。
高額療養費制度の対象になるのはどういう場合ですか?
●原則、月4万4400円(70歳以上・2006年10月以降)以上払った場合に戻されます。
介護保険の利用者負担ですが、1割でもけっこうな額になります。
●一定額を上回ると「高額介護サービス費」として支給されます。
親の使った医療費や介護費について税金の控除ができますか?
● 親を「扶養控除」としているなら、医療費控除もでき、介護費用も合算できます。
実家の親を「扶養控除」にするのと、「世帯分離」とどっちが得ですか?
●「世帯分離」が広がっているのは事実です。
介護保険と身体障害者手帳とを両方申請することができますか?
●障害が認められれば、医療費補助や税の減免が受けられる場合もあります。
【保険・金融商品】
民間介護保険に入ると遠距離介護にどれくらい役に立ちますか?
●商品ごと給付の条件、内容が異なるので、納得してから加入しましょう。
銀行や郵便局の介護貯金・介護支援定期預金って役に立つのですか?
●金利上乗せのほか、諸サービスが付加される商品もあります。
実家を担保に毎月の生活資金を借りられる制度ってどんなものですか?
●「リバースモーゲージ」というサービスです。国の制度としても実施してます。
【財産管理】
離れて暮らす母親に毎月お金を渡したいのですが、手数料がかかりすぎます。
●口座を工夫することで、振込み手数料が無料になることもあります。
お金の管理ができなくなったので、通帳を預かりたいのですが。
●通帳などの管理、公共料金などの金銭支払いの代行サービスがあります。
父は認知症でだまされてばかりいます。なにか方策はありませんか?
●「成年後見制度」で後見人を決めることも一案です。
【制度を利用】
ひとり暮らしの母の生活保護って、どういう場合に利用できますか?
●子が仕送りできる状況になく、生活が苦しく困っているなら申請しましょう。
親の介護のために会社を休める制度があると聞きましたが。
●介護休業制度は法律で定められていますから、取得することは可能です。
第4章 よりよい介護を行うために
【夫婦の連携】
一人息子ですが、帰省はひとりか、夫婦いっしょか、迷っています。
●できるだけ実子が中心になって親をケアするといいでしょう。
いずれ遠距離介護がはじまって留守がちになったら、自分の家族が心配です。
●いまから、家族皆の自立的暮らしを促しましょう。
自分の親の介護への出費は、配偶者に気がねしてしまいます。
●普段、夫婦間で親との付き合い方をすり合わせておくと遠慮も軽減します。
【きょうだい関係】
きょうだいには親元に通う発想がありません。私だけどうして?
●きょうだい平等といっても、できる範囲でかかわるしかありません。
きょうだいとはどのようにケアの担当を決めればやりやすいですか?
●「司令塔」を決めて、しっかり話し合いましょう。
弟夫婦と同居している母親がこっそり電話でさみしいとうったえてきます。
●弟家族に非があるとは限りません。長い目で見守ることも大事です。
【トラブル防止】
父親は兄と同居しています。兄は介護をしないので、父が不憫です。
●「高齢者虐待防止法」では、介護放棄や金銭搾取も虐待に含まれています。
車の運転があやうくなりましたが、運転をやめようとしません。
●高齢者の運転中の事故が多いことを親にも話して、自覚を促しましょう。
阪神や新潟の地震を思い出すと、実家の耐震対策が気になります。
●自治体によって、診断や工事、器具購入の助成をしている場合もあります。
親の家には怪しげな訪問販売業者が出入りしているようで、困っています。
●消費生活センターなどに相談をしてみましょう。
【最期を看取る】
親が遺言を書きたいというのですが。
●トラブルが予想されるなら「公正証書遺言」が安心、確実です。
父親が「わしの死後は海に散骨してくれ」というのですが……。
●節度をもった散骨などの自然葬は違法ではありません。
親が亡くなりました。葬儀はどのように執り行えばいいでしょうか。
●故人の遺志を大切に。地域のしきたりに添わねばならない場合もあります。
亡くなったときの当面の費用は、生命保険でまかなえるのですか?
●当面の費用は預貯金でまかなうケースが多いようです。
残された母親のために、私たち子は父の相続を放棄しようと思うのですが。
●財産があるときは「遺産分割協議」という手続きを行いましょう。
信託銀行が遺言書を預かり遺産分割まで手伝うサービスを聞きましたが。
●「遺言信託」では、遺言保管、分割完了までサポートしてくれます。
尊厳死について話し合うタイミングはいつがいいでしょうか?
●親が元気なうちが、話し合うタイミングです。
巻末資料 都道府県と政令指定都市の社会福祉協議会
都道府県と政令指定都市の精神保健福祉センター
都道府県の高齢者に関する総合的な相談窓口
前書きなど
はじめに
故郷で暮らす親はどうしているかしら……。
変わりはないだろうか。
日ごろは忙しくてばたばたしていても、ふと、故郷に思いを馳せ、そこで暮らす親の顔を思い浮かべることもあるのではないでしょうか。
思春期だったころまで、ま正面から向き合っていた親。あのころは親も元気で、ぶつかることも多かったでしょう。
いつからか、子も自分自身の人生を歩み、親と時間を共有することが減ってきました。
そして、いつの日か、親子の立場が逆転する日がやってくるのです。
それまでは、気にかけてもらう一方だったのに、子が親を気にかける立場となります。
久しぶりに帰省して、親の背中が小さくなっていることに気づいた瞬間かもしれません。
「入院した」という知らせを受けて緊急帰省したときかもしれません。
高齢少子化の進む日本で、65歳以上の高齢者の子どもとの同居率は5割を割っています。子の誰かが同居していても、その者に支援や介護をすべてまかせるわけにはいきません。別居する子の役目もあります。結婚している場合、夫婦両方の親と同居しているのはまれで、たいていどちらかの親とは別居です。
つまり、離れて暮らす親のケアはほとんどの子世代にとって他人事ではないでしょう。
親世代はできることなら生涯、住み慣れた家で住まい続けたいと望み、子世代も仕事や子どもの教育などを考えると、故郷に戻ることは容易ではありません。親に心身の衰えが生じてきた場合、通いのケアを選択する親子は今後も増えていくでしょう。
離れて暮らす親をケアするということは、いわゆる「介護」だけをさしません。
近くに暮らしていたら、特段考えることもなく家族が行う、ゴミ出し、重いものの買い物などから検討事項となってきます。
庭の草とりをどうしようとか、大事な郵便物の整理をどうしようとか……。
まだまだあります。
大地震が来たら、どうしよう。
車の運転が危なくなっている……、といった不安もつきまといます。
薬の管理はどうしよう。
受診させたいが、なんて言って病院に連れ出せばいいのだろう……。
悩みは、親との向き合いだけではありません。通いが始まると自分の同居家族のことが心配になったり、遠慮が生じたりすることもあります。
また、きょうだいと上手に協力しあうことができず悩むこともあるかもしれません。ずっと離れて暮らし、別々の所帯を構えたきょうだいが共に、故郷の親をささえていくというのは簡単なことではありません。
私は離れて暮らす親子の取材をはじめて15年ほどが経ちます。離れて暮らす親のケアの情報交換を行うNPO法人パオッコの代表をつとめると共に、これまで大勢の方にインタビューし、体験談を聞かせていただきました。親子の関係は百組いれば百通り。それぞれのケースは異なりますが、部分、部分では似た体験が含まれ、役立つ情報がいっぱいあります。
また、2000年に介護保険がはじまって以来、サービスが充実してきました。ただし、メニューはたくさんあるけれども、実際には使えるの? ということも少なくありません。
メニューは揃っているけれど、内容を理解することが難しかったり、利用対象とならず腹立たしさを感じたりすることもあるでしょう。
サービスは介護保険だけでなく、ボランティアや民間企業が実施するものもあります。本書では、大勢の子世代の体験や知恵とともに、役立ちそうなサービスを紹介しています。これらの情報を集め、コーディネートするのはからだが弱ってきた親世代には難しいと思うのです。自分たちにぴったり合う知恵やサービスを選択し賢く採り入れるのは、情報化時代に生きる私たち子世代の役割です。
目次を見ていただき読みたいところから読みすすめてください。そして、あなたの周りにも、いい情報があったなら、ぜひご一報ください。あなたの体験も、きっと誰かの役に立ちます。
本書が老親と離れて暮らす皆さまの一助となれば幸いです。
2006年 盛夏 太田差惠子
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著者プロフィール
太田 差惠子(オオタ サエコ)
1960年生まれ。介護・暮らしジャーナリスト。AFP(日本FP協会)。高齢化社会においての 「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点からの新しい切り口で執筆、講演活動等を行う。1996年、親世代と離れて暮らす子世代の情報交換の場として「離れて暮らす親のケアを考える会パオッコ」を立ち上げ、2005年法人化。現理事長。著書に『遠距離介護』(岩波ブックレット)、『遠距離介護デビュー応援ブック』(北斗出版)、『遠距離介護の上手なやり方』(かんき出版) など。
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