分析と提言日本農業 前編
梶井功
発行:筑波書房
この版元の本一覧
A5判 200ページ 並製
定価:2,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-8119-0241-8(4-8119-0241-6) C0033
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年09月
書店発売日:2003年09月08日
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紹介

本書は、1994年〜2003年の農業情報研究所で次年度の農業・農政展望を報告、講演を行なったものをまとめたもの。農業・農政と展望、2002年の農業・農政と展望、日本農業再生の基本課題、「食管制度改革の方向」提言について、など7編を収録。

目次

第1章 農業・農政を展望する(2003.1.1)
1.「消費者に軸足を移す農政」とは?
2.「生産者優先、消費者軽視の農政」だという認識が問題
3.「生産費・所得補償方式」の米価を考える
4.最劣等地で労賃の評価替えしたら高米価のはず
5.「生産者優先」はあり得なかった
6.WTO農業交渉で主張している方針を貫くこと
7.工業優先、農業軽視の方向に動きだした中国
8.「米政策再構築の基本方向」は対外的主張と大きなギャップ
9.「効率的かつ安定的な経営体」は矛盾した概念
10.大型の経営体がふえる展望は暗い
12.NIRA提言の妄説
13.理解できない株式会社の農業参入論
14.食料の安定供給の保障はどこへ行ったのか

第2章 2002年の農業・農政の課題(2002.1.1)
—充実した価格・所得政策の再構築が急務
1.アメリカ、2001年農業法案の波紋
2.稲作経営安定対策(経営所得安定対策)の行方
3.基準価格を変えるというが
4.豊作への対処は、「生産者団体の調整保管」で
5.備蓄米が価格形成に影響
6.生産調整をネガからポジに変えること
7.自給力強化の観点からみた生産調整政策
8.高単収別、府県別米生産量累積曲線が意味するもの
9.基準価格設定する場合の政策判断
10.価格政策と構造政策
11.効率的・安定的とされる5ha以上層の耕作農地は12%
12.不安定な5ha以上層の農家
13.規模拡大、経営上昇意欲の喚起に必要な価格条件
14.借地代が兼業零細農の所得を上回る条件
15.「多様な担い手」をどう活かすか
16.耕地分散を回避する地域集団としての取組み
17.飼料米を本格的に位置づけること

第3章 21世紀を迎えて日本農業・農村を展望する(2001.1.1)
—老齢化・耕地減など「暗」の要因への対処
1.さらに進む農業就業人口老齢化
2.耕地の減少、耕作放棄、不作付地の増大
3.都府県の5ha以上層が増加
4.東日本で大経営がふえる
5.心もとない「自給率の向上」
6.カロリーの算出基礎に問題
7.「耕地減、人口増、農業就業人口減」の展望ではおぼつかない
8.WTO交渉—「基本計画」実現にはWTO協定の改定が不可欠
9.不可解な中国のアメリカヘの譲歩
10.ミニマム・アクセス米の問題点
11.農地法の改正・株式会社への門戸開放
12.認定農家に限定しての所得政策とは?

第4章 2000年の農政展望(2000.1.1)
—新農基法が、未来への架け橋になるか
1.日本農業再建は可能か
2.「食料需給の見通し」での「新農政」の警鐘
3.農水産省の機構改革に注目
4.苦労した浜頓別・池田牧場
5.酪農には、牛・草・土の総合化が必要
6.持続型農業の確立には時間がかかる
7.大経営では単収が落ちる持続型農業
8.エサ米と麦・大豆の本作化を評価
9.米、麦、大豆などの所得バランスが鍵
10.集落営農が前提
11.集落営農の確立と農政
12.不足払い政策とWTOへの政府の態度

第5章 食料・農業・農村基本問題調査会の「中間取りまとめ」について(1998.3.1)
1.「はじめに」を読んで——甘い事態認識
2.農業の役割の基本的視点は評価できるが
3.食料の安定供給には、平常時と異常時とを区別すべき
4.高齢化社会の食料需給への影響を
5.「生命科学の進歩」を「経済の動向」に取り上げた意図は?
6.国際収支の展望も、もっと深刻なはず
7.農法の転換が求められていること
8.「消費者・国民のニーズ」についての判断
9.個別経営より地域での営農組織の強化を
10.農用地拡大、環境問題=現状維持もむずかしい
11.問われる「国内生産と輸入の組み合わせの中身」
12.「国民の選択」より「政策の選択」が大きい
13.国際協調を言うのならアメリカの輸出管理法こそ問題
14.担い手の確保には「生活条件をつくること」
15.食品産業の発展を手放しで評価してよいか
16.個別経営育成、営農組織強化を重視する
17.法人化には「一戸一法人の中身の充実」こそ必要
18.農地は「公共性の高い財」という認識の欠如
19.おかしい価格政策の認識
20.回転備蓄は市場圧迫の要因
21.内外価格差の縮小はできない
22.中山間地対策は峡谷型山村に焦点を

第6章 日本農業再生の基本課題(1997.1.1)
1.いささかお粗末・「基本法研究会」の報告
2.資本の要請は「農業労働力動員」
3.総兼業化は、労働市場のあり方
4.地価問題の対応策がなかった
5.農地法をテコに土地利用を規制すべきだった
6.旧地主への補償問題で対応遅れた農地行政
7.総生産拡大に消極的な研究会報告
8.混牧林活用のための利用権設定を
9.基礎的食料自給率アップ政策を
10.米価政策=所得政策は間違い、歪められた地代の算定
11.統制小作料なしでもおかしくした地代算定
12.農政の基本目標は食料の安定供給に
13.ウルグアイ・ラウンドで出した食料安保のステートメント
14.高能率・高生産よりも持続型農業への転換を
15.企業型経営より、家族型経営を
16.自立経営とは質的に違う「経営体」概念
17.集落営農組織でバックアップ
18.基礎的食料の自給目標を確立する
19.経済白書が米増産を強調したとき
20.WTOへの対応の明示を
21.農産物の輸入自由化政策への批判を

第7章 「食管制度改革の方向」提言について(1994.9.1)
1.形骸化した食管法に対する不信
2.細部は具体化の過程で検討
3.ウルグアイ・ラウンド合意の特別措置後の対策
4.特別措置の継続より関税化移行を
5.高関税を消費者が容認するか
6.250万トンもの自由米が生れるはず
7.放置できない価格体系の乱れ
8.食生活の中での米のウェイト低下
9.平時と非常事態を一本の法律で対処できない
10.平時は需給調整を基軸に
11.減反は選択制、参加者だけに不足払いを
12.詰めるべき問題は多々あるが

著者プロフィール

梶井功(カジイイソシ)

1926年、新潟県生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。東京農工大学前学長、東京農工大学名誉教授。主な著書に『梶井功著作集』全7巻(筑波書房)、『農業基本法制-問題点と改正試論』(編集、家の光協会)、『日本農業のゆくえ』(岩波書店)、『新基本法と日本農業』(家の光協会)、『もう一つの農政論』(農林統計協会)『WTO時代の食料・農業問題』(家の光協会)など多数。

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