日本にスキーを伝えた将校レルヒ 知られざる生涯
新井博:著
発行:道和書院 この版元の本一覧
A5判 並製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-8105-2116-0 C3075
在庫あり
奥付の初版発行年月:2011年01月 書店発売日:2011年01月01日
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紹介

明治時代の日本にスキーを伝えたオーストリアの将校、テオドール・フォン・レルヒの評伝。2011年は日本スキー発祥100年にあたり、新潟県上越市をはじめとして盛大な記念イベントが計画されています。本書はまさにその主人公である日本スキーの父、レルヒの全生涯について、レルヒ研究の第一人者である著者が、彼の祖国オーストリアで収集した貴重な史料をもとに、丹念に追っています。レルヒは、どのような経歴の持ち主だったのか? 彼のスキーの経験は、どれほどだったのか? 何の目的で来日し、なぜ、日本で一本杖のスキー技術を紹介したのか? 等々、これまでの謎を解き明かし、人間レルヒの素顔に迫る力作。当時の写真や文書など画像史料満載、スキーファン必読の書です。

目次

第一部 来日以前のレルヒ
 第一章 幼少年期
 第二章 軍人として
 第三章 スキーとの出会い
 第四章 日本への派遣計画
第二部 来日中のレルヒ
 第五章 日本初のスキー講習開催
 第六章 レルヒが紹介したスキー技術
 第七章 日本でのスキー指導
 第八章 軍事視察と帰国
第三部 帰国後のレルヒ
 第九章 第一次世界大戦への従軍
 第十章 退役後のレルヒ
エピローグ
 一 その後の日本スキー
 二 日本のスキー発展に生き続けるレルヒ

前書きなど

 ヨーロッパで古くから行われていたスキーが日本に紹介されたのは、今から一〇〇年以上前の明治時代のことでした。一九一一年に来日して、新潟県の高田(現在の上越市)で一本杖のスキーを紹介したオーストリアの軍人テオドール・エドラー・フォン・レルヒ少佐(オーストリア・ハンガリー帝国=現在のオーストリア)は、日本スキーのパイオニアとして広く知られています。今日、レルヒの名前は小学校の教科書をはじめ多くの書物で紹介され、近代に入り西欧から来日した外国人の中で、黒船の提督ペリーや長崎のオランダ商館医シーボルトに続いて知られた名前の中に入るようになりました。
 また、レルヒが来日中に滞在した高田や北海道では、高田のレルヒの会、北海道の藻岩レルヒ会など、今日でもレルヒを顕彰するための市民の会の活動が活発に行われています。また、高田では毎年一月一二日に「スキーの日」を祝う式典が開催され、レルヒにより伝えられた一本杖のスキーを後世に継承すべく、二月には町をあげて伝承活動を行っています。
 ところが、高い知名度とは裏腹に、レルヒについてはこれまでに、来日中のスキー活動以外、ほとんど知られていませんでした。これまでに書かれた本を開いてみても、なるほどレルヒが日本でスキーを紹介している様子は、周囲の人たちとの関係を含めて書かれていますが、それを除けば、レルヒについては多くの謎が残されていました。
 本書では、これまで多くの謎に包まれていた日本スキーのパイオニア・レルヒの生涯を、できる限りレルヒや彼の時代の原資料(一次史料)に即して辿り、その歩みを明らかにすることによって、彼が生きた時代の状況や置かれた境遇、祖国と日本での経験など、さまざまな要素が複雑に絡み合いながら、オーストリアから日本にスキーが伝わり、日本スキーの発祥が成就したことを解明していきたいと思います。

著者プロフィール

新井博(アライヒロシ)

1956年栃木県生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(学術)。福井大学教育地域科学部教授を経て、現在、びわこ成蹊スポーツ大学教授。専門は体育・スポーツの歴史。

上記内容は本書刊行時のものです。
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