『平家物語』の語り方「死の美学化」に抗する
高木 信:著
発行:青弓社 この版元の本一覧
四六判 264ページ 上製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7872-9187-5 C0095
在庫あり
奥付の初版発行年月:2009年03月 書店発売日:2009年03月31日
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紹介

『平家物語』は、700年の時を超え、能や歌舞伎、教材、小説・マンガと形を変えながら死を美学化するものとして享受されてきた。その固定的な視点・読み方を根本から脱構築して、「常識」を打ち破るものの見方を得る題材としての『平家物語』の可能性を示す。

目次

凡例

はじめに

第1章 教育/権力/物語――もう一つの〈源/平〉合戦
 1 〈失恋の美学化〉に抗して
 2 テクストは〈教育〉する
 3 もう一つの〈源/平〉合戦

第2章 「教えられるのか」/「どう学ぶか?」という問題構制――〈理論〉が拓く地平
 1 廃墟としての日本文学研究――〈戦前〉としての「いま」を生きる
 2 テーマをめぐって――「文学教育」をめぐる問題系
 3 〈学ぶ〉ということ――模倣と創造
 4 インタレストから〈理論〉へ、そして不可能性へ――諦念を越えて
 5 文学教育の抑圧性――いまブンガクは読まれていないのか?
 6 『平家物語』を〈教室〉から救い出せ!――〈死〉の美学化に抗って

第3章 知盛〈神話〉解体――教室で『平家物語』を読むことの(不)可能性
 1 教室で『平家物語』を学ぶということ
 2 知盛の享受史
 3 覚一本と延慶本の知盛
 4 覚一本の知盛の文脈
 5 知盛の見たもの/見なかったもの
 6 知盛の美学化が差別化する失敗者たち

第4章 〈父―息子〉の『平家物語』――アンチ・ヒーローとしての宗盛の可能性
 1 〈家〉から排除される宗盛
 2 〈家〉と『平家物語』
 3 戦場の宗盛(1)――〈主体〉になれない宗盛
 4 戦場の宗盛(2)――〈父―息子〉関係の悲劇
 5 〈父―息子〉関係の悲劇
 6 涙を流す宗盛と涙の対象となる宗盛 
 7 言いよどむ物語

第5章 〈貞女〉の檻――〈知〉にダブルバインドされた小宰相
 1 〈貞女〉死すべし――「男と女の間には」
 2 〈女〉/〈男〉の行く/逝く/生く道――「思いこんだら、試練の道を」
 3 〈貞女〉という拘束――「鍵をかけて時間を止めて、君がここから離れないように」
 4 〈貞女〉としての小宰相――「ねえ、言って、ちゃんと言って」
 5 〈地獄〉の妊婦――「時には母の ない子のように だまって海をみつめていたい」
 6 〈怨霊〉化する小宰相――「うらみます あたしやさしくなんかないもの」
 7 〈知〉のはざまの小宰相――「私、嫌いな男のタイプはフェミニストです」

第6章 熊谷直実の〈まなざし〉――死者の魂を分有する
 1 「敦盛最期」の冒頭部
 2 「狂言綺語の理といひながら」――覚一本の成立
 3 最期譚としての「敦盛最期」
 4 真/偽のコード――延慶本の場合
 5 熊谷の〈まなざし〉――覚一本の場合

第7章 建礼門院の庭――『源氏物語』を読む〈女〉
 1 狂言綺語の理
 2 建礼門院の庭
 3 鎮魂の位相

補章 マンガでよむ『平家物語』的世界――増殖する『平家物語』、あるいは物語へのとば口

初出一覧

あとがき

軍記物語章段名索引

軍記物語以外の本文一覧と索引

研究者人名索引

キーワード索引

著者プロフィール

高木 信(タカギ マコト)

1963年、滋賀県生まれ。1993年、名古屋大学大学院文学研究科満期退学。1993年─2008年、東海高等学校教諭。現在は相模女子大学学芸学部日本語日本文学科教員、博士(文学)。専攻は日本文学。著書に『平家物語・想像する語り』(森話社)、『平家物語・装置としての古典』(春風社)、共編著に『テクストへの性愛術』(森話社)、『読む。平家物語』(武蔵野書院)など。

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