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マルチナショナル連邦制
不確実性の時代のナショナル・マイノリティ
原書: L’âge des incertitudes. Essais sur le fédéralisme et la diversité nationale
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年2月
- 書店発売日
- 2015年2月25日
- 登録日
- 2014年10月24日
- 最終更新日
- 2015年11月25日
紹介
2014年、イギリスではスコットランドの独立を問う投票があり、スペインでもカタルーニャの独立に向けての強い動きがあった。本書はそれらと深く関わるテーマを扱い、国際社会でいまだ強い支持のある国民国家という理念への対案として、マルチナショナル連邦制を提案している。20年前の1995年、ケベックはカナダからの主権獲得を目指した。それは実現しなかったが、それよりも遥か前から独自のアイデンティティを備えた国内ネイションとしての自己主張を続けてきた。それゆえ、ケベックはスコットランドやカタルーニャの独立運動の先駆けであった。1960年代以降のケベックの歴史は、独自性を訴えるケベックとカナダ国民の均質性を追求しようとする連邦政府およびケベック外のカナダのせめぎ合いと見ることもできる。その歴史の考察に立ち、そしてスコットランドやカタルーニャの現状を分析して、連邦国家が分裂することなくよりよい未来を目指すには、国民国家の理念を放棄してマルチナショナル連邦制を採用するべきだと著者は主張している。そして、マルチナショナル連邦制の根拠について、近代以前にまで遡り、そのあるべき姿について詳述している。これは米国型の連邦制とは違う行き方の提言なのである。
目次
(序章)ナショナルな文化、民主政、そして正当性
(第1章)多元的文脈における言語的多様性
(第2章)多元的ネイション国家をめざす新しい賭け―グローバリゼーションとシティズンシップ体制
(第3章)ケベックのシティズンシップ体制の諸要素―非公式憲法と能動的シティズンシップ
(第4章)自治の時―抑制からエンパワーメントへ
(第5章)共同体を結合させる―自治とエンパワーメントへ
(第6章)共同体間の和解の道を再考する
(結論)尊厳と歓待の政治に向かって
上記内容は本書刊行時のものです。