発行:彩流社
この版元の本一覧
四六判 370ページ 上製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7791-1293-5 C0097
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年10月
書店発売日:2007年10月04日
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紹介
何代もかけて完成させたイスラム文明の粋、アルハンブラ宮殿をキリスト教徒の手に明け渡したイスラムスペイン最後のスルタン。宿命に翻弄された、物悲しく、哀愁にみちた物語。プラネタ賞受賞の大ベストセラー。上巻。
著者プロフィール
アントニオ・ガラ(ガラ アントニオ(A))
アントニオ・ガラ(Antonio Gala)
1936年シウダ・レアルに生まれる。詩人、劇作家、小説家、ジャーナリストとして幅広く活躍。1959年「親しき敵」(Enemingo 地timo)でアドナイス賞を受賞。1963年『緑のエデンの園』(Los verdes campos del Eden)でカルデロン・デ・ラ・バルカ国民演劇賞を受賞。『さらば、アルハンブラ』の題で訳出した『深紅の手稿』(El manuscrito carmes秩jは最初の小説で、1990年プラネタ賞を受賞。2年で18版を重ねる大ベストセラーになった。その他成功した小説としては『トルコの情熱』(La pasion turca)があるが、圧倒的に多いのは戯曲である。
日比野 和幸(ヒビノ カズユキ)
著訳書等に『ラテンアメリカ短編集』(野々山真輝帆 編/ルベン・ダリオ他著/日比野 和幸 訳、彩流社、2001年、『アンダルシア紀行』(カミロ・ホセ・セラ著/日比野和幸・野々山真輝帆 監訳、彩流社、1999年)『イワシの埋葬 スペイン短篇選集』(野々山真輝帆 編・日比野 和幸 他 訳、彩流社、1996年)『赤い手の王』(G・A・ベッケル著/日比野和幸・野々山真輝帆監訳、彩流社、1995年)『ピレネー紀行』(カミロ・ホセ・セラ著、日比野和幸・野々山真輝帆監訳、彩流社、1993年)などがある。
野々山 真輝帆(ノノヤマ マキホ)
著訳書等に『ラテンアメリカ短編集』(野々山真輝帆 編/ルベン・ダリオ他著/日比野 和幸 訳、彩流社、2001年、『アンダルシア紀行』(カミロ・ホセ・セラ著/日比野和幸・野々山真輝帆 監訳、彩流社、1999年)『イワシの埋葬 スペイン短篇選集』(野々山真輝帆 編・日比野 和幸 他 訳、彩流社、1996年)『赤い手の王』(G・A・ベッケル著/日比野和幸・野々山真輝帆監訳、彩流社、1995年)『ピレネー紀行』(カミロ・ホセ・セラ著、日比野和幸・野々山真輝帆監訳、彩流社、1993年)『スペインを知るための60章』(野々山真輝帆著、明石書店、2002年)『アミーゴとつき合う法』(野々山真輝帆著、晶文社、1998年)『すがおのスペイン文化史』(野々山真輝帆著、東洋書店、1994年)『蜂の巣 新装版』(カミロ・ホセ・セラ著、会田由・野々山真輝帆訳、白水社、1989年)『スペイン内戦と文学』(彩流社、1982年)ほか多数。
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偶像を厳しく排除したイスラムは、抽象模様でめくるめくような装飾文化を発達させたが、写実となるとおよそ苦手で下手で、有名なアルハンブラの水時計を支える12頭のライオンも、まるで造形に失敗した狛犬のようであって微苦笑をさそう。そのイスラム建築美の粋を行くアルハンブラのある壁面に、アラブ風俗をした人物肖像画を発見した時の驚きは、いまも忘れない。これはとんでもない破戒行為なのではないか?その長年の疑問にやっと答えてくれたのがこの小説である。
「アンダルシアのイスラム教は、アリウス派キリスト教との混交で変質し、開放的で物わかりのいい、共存社会があった」(下巻)ともある。レコンキスタで失われたのは、その宗教・文化の寛容性である、と語り手であるスペイン・イスラム王朝最後のスルタンは嘆くが、異文化や信条への非寛容と教条主義への批判は、現代にもなお通じるだろう。
著者のGalaは、すぐれた文明史家でもあるようで、彼にはじめて教わることが多かった。
世界で一番世界遺産の数が多いスペインの魅力は、文化の混交にこそある。本の装幀が美しいのもいい。
フラメンコを踊る猫
コメント by 山中康男 — 2008/1/24 木曜日 @ 15:08:59
この本の真骨頂は、豪壮なアルハンブラ宮殿を舞台にした色彩的で詩的で文学的な物語の、さすがに劇作家の手になったその展開にある、と感じます。
1492年は、レコンキスタの完成と新大陸の発見の年。世界史的なインパクトは後者が大きいかも知れませんが、レコンキスタとは、8世紀にも亘る掛け値なしの、自分らの祖先が成し遂げた大偉業、とスペイン人なら誰でも誇りに思っていることでしょう。それをまやかし、と真っ向から抗議しているかのこの本が、どうしてスペインでベストセラーになり得たか。この作家の物語の上手さを証明している気がして、一言書かさせて頂きました。
コメント by 坂本興文 — 2008/2/16 土曜日 @ 16:07:13