発行:凱風社
この版元の本一覧
四六判 272ページ 並製
定価:1,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2906-4(4-7736-2906-1) C0037
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年04月
書店発売日:2005年04月20日
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紹介
日本テレビ系列・土曜連続ドラマ「瑠璃の島」(2005年4月放映開始)の原作。舞台は沖縄県西表島のほんのちょっと北に浮かぶ、面積約1平方キロの鳩間島。1982年当時の人口は41人、小学校の生徒はたった一人だった。三学期の終了とともに、この生徒もいなくなる……。廃校の危機を迎えた小学校の存続をめざして、島じゅうの大人たちが立ち上がった。マンガ「光の島」(尾瀬あきら作)の原作本でもある。
目次
プロローグ 闇のトゥバラーマ
第一幕 島分け
第二幕 シマ興し
第三幕 世願い
第四幕 島の生と死
第五幕 南島のリズム
第六幕 子供たちの秋
エピローグ 幻影
南島の死生観
資料◆鳩間島の盛衰——人口の推移と主な出来事
島の歳月をみつめて——鳩間島への手紙
増補・新版 あとがき
前書きなど
●テレビドラマの中の『子乞い』——新装普及版刊行に寄せて
空前の沖縄ブームが続いている。沖縄を訪れる観光客は毎年五〇〇万人を超えるまでになった。この先、まだ増えそうな勢いだという。
一人あたりの宿泊日数を平均三泊と仮定すると、頭数にして一五〇〇万人。毎月一〇〇万人を超える人たちが沖縄県内をかけめぐっていることになる。これは沖縄県の総人口にほぼちかい。
沖縄はいいわねぇ。冬でも暖かいし、海もきれいだし、食べ物も美味しいし……。
日本のどこにいても、最近はこんな声を聞く。書店には、いわゆる「旅本」を筆頭に、沖縄の居・食・住のガイドブックがズラリと並んでいるし、移住のための手引書も数多く出ている。テレビの世界もそうである。タレントに「元気なおじぃ・おばぁ」を訪ねさせ、長寿の秘訣をきいて感心したり、羨んだり……。そんな番組がやたらとめだつ。キーワードは判を押したように〈癒し〉。沖縄へ行きさえすれば病んだ心も身体も治ってしまう——といわんばかりだ。ともかく当の沖縄の人がとまどうほどの礼賛ぶりである。
たしかに、七色に輝くサンゴの海はこころをなごませてれるし、空の青さにも不足はない。中国など東南アジア諸国との長いあいだの交易ではぐくまれた、ヤマトとはひと味もふた味も異なる独自の文化は、旅人の好奇心を満たしてもくれる。現に、リピーターも多い。それはそれでよい。
でも、このようなつきあいかた、なんだか一方的で好きになれない。愉しんだり、満たされたり、癒されたりしているのは訪ねる側だけで、沖縄で生きている人たちはかやの外なのだ。
お互い、つまり本土と沖縄の関係は、いつまでもこのようなかたちではいけないと思う。つきあうならつきあうで、互いを認めあい、尊重しあい、ともに高めあう、そんな関係でありたい。そうでないと、ヤマトの人はいつまでたっても沖縄を利用するばかり、と言われつづけるだろう。
テレビドラマ「瑠璃の島」(日本テレビ系、四月中旬〜一〇回)は、そうした人と人とのあるべき姿や望ましいありかたを教えてくれる。ぼくが『子乞い 沖縄孤島の歳月』を書いたのはもう二〇年前。鳩間島の小学校の生徒がひとりぽっちになり、島外から親戚の子を借りてきたり、沖縄本島の養護施設の子を迎え入れたりして、たった一つの学校を存続させているときだった。いまでは全国各地から居場所を失った子どもたちが自分の意思でやってきて、島での生活を楽しみ、それぞれ自分らしさを回復して帰っていく。
はたして、この幼い子どもたちの心身を癒してくれるのは海や空の青さだけなのだろうか。
ドラマ「瑠璃の島」は、『子乞い』に描かれたきびしい孤島苦を生きる人々と共鳴しながら、四半世紀の時空を超える。
二〇〇五年三月二〇日 森口 豁
版元から一言
日本テレビ系列・土曜連続ドラマ「瑠璃の島」(2005年4月放映開始)の原作の普及版。『ビッグコミック・オリジナル』(小学館)で連載の「光の島」(尾瀬あきら作)の原作本でもあります。
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著者プロフィール
森口 豁(モリグチ・カツ)
1937年、東京生まれ。フリージャーナリスト。1959〜74年まで琉球新報社会部記者や日本テレビ沖縄特派員として米軍統治下の沖縄で暮らす。テレビドキュメンタリー『ひめゆり戦史・いま問う国家と教育』『島分け・沖縄鳩間島哀史』などの制作でテレビ大賞優秀個人賞などを受賞。
著書に『沖縄こころの軌跡』(1987年、マルジュ社)、『最後の学徒兵・BC級死刑囚田口泰正の悲劇』(1993年)、『ヤマト嫌い・沖縄言論人池宮城秀意の反骨』(1995年、いずれも講談社)、『安保が人をひき殺す・日米地位協定=沖縄からの告発』(1996年、高文研)、『復帰願望・昭和の中のオキナワ/森口豁ドキュメンタリー作品集』(1992年、海風社)、『沖縄 近い昔の旅 非武の島の記憶』(1999年、凱風社)などがある。
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