好奇心とタブー禁断の知識(下)
ロジャー・シャタック, 柴田 裕之:訳
発行:凱風社
この版元の本一覧
四六判 312ページ 上製
定価:3,100円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2508-0(4-7736-2508-2) C1020
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年03月
書店発売日:2001年03月31日
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紹介

 聖書・ギリシア神話から現代文学まで、物語の主役は欲望の解放と抑制のはざまでいつも揺れ動いてきた。アダムとイヴの〈幸福な堕落〉からカミュの〈不条理〉まで、人間の精神活動を左右してきたのは「好奇心」と「欲望」だ。第2部では、知識の本質とその限界を、神話や古今の文学作品を通して具体的に検討する。構想11年。著者の文学研究は、ついに、現代文明そのものへの批判として本書に結実した。ノーベル文学賞のソウル・ベロー氏も絶賛。

目次

●禁断の知識(下) もくじ
【第二部】——好奇心とタブー——
◆5 好奇心の向こう側
 プロメテウス以降 
 タブーから科学へ 
 イグノラビムス 
 魂の欲望 
◆6 エデンの園のミルトン
 アダムとイヴへの抵抗
 アダムとイヴの物語
 一定の限界内の知識
 叡智に至る下り坂
◆7 ファウストとフランケンシュタイン
 ファウスト神話
 相反する二つの流れ
 『ファウスト』
 『フランケンシュタイン』
 問題点を共有するその他の作品
 過剰の原理——ファウスト的人間
◆8 ラファイエット夫人とエミリ・ディキンソン
 クレーヴの奥方に見る禁欲主義
 エミリ・ディキンソンの唯美主義
 〈禁欲の饗宴〉のエピキュリアン
◆9 メルヴィルとカミュ
 ビリー・バッド——写実主義の寓意物語
 異邦人——ある内面の物語
 二つの例の比較
 共感の原理
 邪魔になる知識

▼Bibliography
▼索 引
▼参考邦訳文献リスト
▼訳者あとがき

前書きなど

 読むたびに圧倒される──ひとことで言えば、私にとって本書はそういう作品だった。それも当然だろう。なにしろ、全米図書賞やアメリカ科学芸術アカデミーの特別賞を受賞するなど、すでに高い評価を得てきたロジャー・シャタックの著述活動の、いわば集大成にあたるのが、この『禁断の知識』なのだから。ソール・ベローやハロルド・ブルームらも、本書を絶賛している。
 翻訳の途中で私が送った質問状に、シャタック氏はじつに丁寧で的確な返事をくださったが、それに添えられた手紙によれば、本書は「世の中と文学に関する自分の知識と信念を集約した、究極の成果」だという。最初は、文学作品にまつわる部分のみしか念頭になかったが、やがて、科学やサドについての章も書かずにはいられなくなり、「けっきょく執筆に11年を要し」、「何人もの編集者に出版を拒まれ」た末、ようやく刊行にこぎつけたのだそうだ。
 著者シャタックは、〈禁断の知識〉という概念に着目し、それを軸とする独創的な手法で、文学や科学など、広範な分野を考察し、人間社会の抱える問題を浮き彫りにする。すなわち、知識の探究・普及に一定の制限が課せらないと、災いを招きかねない、という危険性だ。知識が爆発的に増大し、その普及手段も、それを応用するテクノロジーも急速に発展し、しかも、倫理や慣習や宗教といった社会基盤が脆弱になり、欲望や感情を抑える力が弱まりつつある現代にあっては、この問題はいっそう深刻なものと言える。著者の警告が、私たちにとってどれだけ妥当なものであるかは、原子爆弾やヒトゲノム計画、ポルノグラフィーなどに関する記述を読んでも、昨今の身の周りの出来事を振り返っても明らかだろう。
(後略)→凱風社ホームページに全文があります。

版元から一言

好奇心と欲望を爆発させている子供たちもやがて感情を制御できるようになる。しかし現代社会では、大人になっても爆発の連鎖反応が続いている。

関連リンク

本の詳細

著者プロフィール

柴田 裕之(シバタ ヤスシ)


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