世界を批判的に受けとめるためにドキュメンタリー映画の地平(下)
佐藤 真
発行:凱風社
この版元の本一覧
四六判 376ページ 並製
定価:2,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2506-6(4-7736-2506-6) C0074
在庫あり
奥付の初版発行年月:2001年01月
書店発売日:2001年01月31日
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紹介

 下巻は、8つの方法論のうち後半を扱う5〜8章を収録。著者の筆先はどんどん研ぎ澄まされ、狭義の映画論にとどまらず、硬直した政治主義や啓蒙主義との訣別宣言、NHKが標榜する公共というあり方への体験的批判、虚実の境目に存在する「リアル」を捉えようとした作家たちの哲学などへと展開していく。こうしてドキュメンタリーとは、メッセージを伝える道具ではなく、現実世界を批判的に受けとめるためのものであると結論付ける。百年の関連年表も収録。

目次

【第5章】観察者 言葉からの解放
1、観察者に徹する 観客の中に生まれる批判的視点
2、聞き耳をたてる観察者 フレデリック・ワイズマン
 ◆作品論=二〇世紀のアメリカを映す鏡……『メイン州ベルファスト』
 ◆作家論=録音機を携えて撮影現場で空気になる
3、意義を押しつけない自主映画 野田真吉
 ◆作品論=陶酔を誘うダイレクト・シネマ……民俗神事芸能三部作『冬の夜の神々の宴』『ゆきははなである』『生者と死者のかよい路』
 ◆作家論=祭りの崩壊を見つめる鷹揚な眼差し
【第6章】挑発者 暴力装置としてのキャメラ
1、キャメラが現実を変える 作家主体の確立
2、キャメラを廻す随伴者 ロバート・クレーマー
 ◆作品論=アメリカの痛みに寄り添う映画……『ルート1』
 ◆作家論=映画は世界の痛みとどこまで共に生きられるか
3、加害者としてのキャメラ 大島渚
 ◆作品論=戦後日本の被害者意識を斬る……『忘れられた皇軍』
 ◆作家論=作家主体をもたぬディレクターは頽廃する
【第7章】時代の無意識 メディアの読みかえ
1、時代の無意識を抽出する アーカイヴ・ドキュメンタリー論
2、核戦略の虚妄を笑いとばすパロディ精神
 ◆作品論=ケビン・ラファティほか『アトミック・カフェ』
3、新聞記事だけを映像素材に、原子力政策の矛盾を衝く
 ◆作品論=土本典昭『原発切抜帖』
【第8章】イメージの収奪 〈見る〉ことの権力構造
1、収奪される側からの反撃——観光・民族学・審美主義に潜むヒエラルキー
2、ハリウッドの良心に潜む欺瞞を暴く
 ◆作品論=ヴィクター・マサエスヴァ『イマジニング・インディアン』
3、真なることへの批判精神
 ◆作品論=トリン・T・ミンハ『ルアッサンブラージュ』

 ●ドキュメンタリー映画・関連年表                       

前書きなど

編集者としては読者に、行間から発行する著者の「眼差し」を受けとめながら読んでもらいたいと願っている。それが本書の魅力の一つであろう。
6-6

版元から一言

編集者としては読者に、行間から発行する著者の「眼差し」を受けとめながら読んでもらいたいと願っている。それが本書の魅力の一つであろう。
6-6

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