国連マクドゥーガル報告全訳戦時・性暴力をどう裁くか
VAWW-NET Japan:訳
発行:凱風社
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四六判 248ページ 並製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2503-5(4-7736-2503-1) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2000年12月
書店発売日:2000年12月05日
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紹介

「マクドゥーガル報告書」(最終報告書)は98年、国連人権小委員会で採択され、世界の注目を集めた。この報告書は旧ユーゴやルワンダなどを例に、女性への暴力の防止と加害者必罰の原則の確立を提唱し、付属文書で日本政府に対して「慰安婦」問題の責任者処罰と被害女性への国家補償を強く勧告している。本書ではさらに、2000年8月に採択された「最終報告書のアップデイト」と同年12月の「日本軍性奴隷制(慰安婦)を裁く女性国際戦犯法廷」憲章全文を収載。

目次

◆序にかえて—松井やより
 マクドゥーガル報告は戦時・性暴力と闘う世界の女性たちの強力な拠り所に

◆マクドゥーガル報告書—本文
 武力紛争下の組織的強かん、性奴隷制および奴隷制類似慣行に関する最終報告書
●1章 報告書の目的と背景
 1:目的/2:背景
●2章 犯罪の定義
 1:性暴力(強かんを含む)/2:奴隷制(性奴隷制を含む)
●3章 性奴隷制および性暴力(強かんを含む)を国際法の下で訴追するための法的枠組み
 1:人道に対する罪/2:奴隷制/3:ジェノサイド/4:拷問/5:戦争犯罪
●4章 個人の責任追及
●5章 戦争犯罪者を捜査し、訴追する責務
●6章 効果的救済を受ける権利と損害賠償を実行する義務
●7章 国内での訴追
 1:国内訴追の重要性/2:各国の国内法・手続きに共通の欠点
●8章 勧 告
●9章 結 論

◆マクドゥーガル報告書—付属文書
 二次大戦中設置された「慰安所」に関する日本政府の法的責任の分析
●1章 日本政府の立場
●2章 強かん所の本質と規模
●3章 実体的国際慣習法における優越的規範
 1:奴隷制および奴隷売買/2:戦争犯罪としての強かん/3:人道に対する罪
●4章 実体法の適用
●5章 日本政府の抗弁
 1:法の遡及適用/2:奴隷制禁止/3:強かんと強制売春/4:朝鮮の地位
●6章 救済措置
 1:個人の刑事責任/2:国家責任と賠償責任/3:勧 告
●7章 結 論
▼訳注 関連法律条文・関連事項……前田 朗

◆最終報告書へのアップデイト—本文
●1章 報告書の目的
●2章 現代武力紛争下の性暴力
●3章 国際刑事裁判所
●4章 特定案件を対象とした国際戦犯法廷
 A:旧ユーゴ国際刑事法廷/B:ルワンダ国際法廷
●5章 賠償を受ける権利
●6章 二次世界大戦中の日本の軍事的性奴隷制に関する展開
●7章 勧 告
●結 論

【付 録】
▼インタビュー—ゲイ・マクドゥーガルさんは語る—聞き手 松井やより
▼報告書を読んで—尹貞玉/インダイ・サホール
▼解説—前田 朗
 人権小委員会五二会期と『アップデイト』
◆二〇〇〇年版へのあとがき—松井やより
 「女性国際戦犯法廷」開廷までの道のり

◆日本軍性奴隷制を裁く「二〇〇〇年女性国際戦犯法廷」憲章全文

前書きなど

■序にかえて——VAWW-NET Japan 代表 松井やより

◆「慰安婦」が問い始めた女性への戦争犯罪

 戦後半世紀近くもたった一九九〇年代になって、日本軍性奴隷制の被害者にさせられた韓国の「慰安婦」が初めて長い沈黙を破って名乗り出たとき、女性の人権の新しい歴史が拓かれた。続いて声をあげたフィリピン、台湾、中国、北朝鮮、インドネシア、マレーシア、そしてオランダの被害女性たち……。それは加害国日本の責任を問い、正義の回復を求める声であった。その一人ひとりの女性の勇気に感動した女性たちが、それぞれの国で、そして日本で、「慰安婦」を支援する運動を広げ、歴史の闇に深く隠されていた女性への戦争犯罪を、国際社会全体の問題にまで浮上させたのである。
 「慰安婦」運動の九年間に、各国の被害女性たちが日本政府に要求してきたのは真相究明、公式謝罪、国家補償、責任者処罰などであった。そのうちいったいどれだけが実現しただろうか。日本政府は道義的責任だけはようやく認めたものの、法的責任は今なお否定し続けている。高齢になった「慰安婦」たちは無念の思いを残してつぎつぎに亡くなっていく。
 しかし、「慰安婦」たちがあげた声は世界中に届き、旧ユーゴやルワンダなどの内戦で性暴力の犠牲になった女性たちを勇気づけてきた。そして、これまで、「戦争だから」と見逃がされ、処罰さえされなかった戦時・性暴力を女性への戦争犯罪として裁こうという国際世論が大きなうねりとなっている。
(中略)
 「慰安婦」にさせられて苦しみ抜いたあげく、生還しても、孤独と貧困の戦後を生きねばならなかった何万というアジアの女性たちの苦痛と屈辱を未来の世代が二度と再び強いられることがないように、二〇世紀の女性への戦争犯罪に責任をもって向き合い、女性への暴力のない二一世紀を創りたいと切に願う。
→凱風社ホームページに全文があります。

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