発行:凱風社
この版元の本一覧
A5判 368ページ 並製
定価:1,700円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7736-2206-5(4-7736-2206-7) C0022
在庫あり
奥付の初版発行年月:1997年11月
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紹介
マヤの暦の正確さと数表記の複雑さは名高い。コットレルは太陽の黒点活動からマヤの数秘術の解読にたどりついた。ギルバートは、エジプトのピラミッドとオリオン星座の関連を指摘した『オリオン・ミステリー』の共著者である。二人は、マヤ暦が確固たる科学的な基礎の上に成り立ち、マヤ人が惑星の長大な周期と影響を熟知していたことを証明した。 【内容】 マヤの時と数/太陽占星学/水晶の頭蓋骨/大洋の彼方/アトランティス/金星の誕生と死/2012年12月22日/理論編
目次
はじめに
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プロローグ
1 マヤの謎——神秘の発見
モンテスマの帝国/メキシコ征服/サアグンの記録/旅人の物語/フンボルトの評価/ブロックによる紹介/マヤの発見/神聖文字の解読に向けて/パレンケの蓋
2 マヤの時と数——天空と時間の観念
ブラシュールとワルデック/マヤの暦の発見/マヤのロング・カウント/ロング・カウントとグレゴリオ暦/マヤの天文学
3 太陽占星学——アストロジェネティクス
占星学と太陽の関係/太陽の斑点/太陽黒点の成因/太陽からの風/天体発生学/太陽の巨大周期/太陽黒点とマヤ人
4 遺跡は語る——メキシコのモーリス・コットレル
メキシコの冒険/神々の死/コウモリの神の山/失われた町/パレンケの蓋/暗号の解読/過去の四つの時代/ヒスイのスカートをはいた女神/パレンケの蓋と『ポポル・ヴフ』/蓋の欠落した角/透明フイルムによる解読/アカデミズムおの酷評/メキシコの朝食/審問官との会見
5 知識の源——ガラガラヘビの土地
メキシコへの旅/テオティワカンにて/パレンケの遺跡/ウシュマルの雨の神チャク/チェチェン・イツァとケツァルコアトル伝説/トルテカの血の儀礼/ピラミッドに隠された暗号/注目すべき人物とので合い/ドン・ホセの教え/ガラガラヘビと暦の概念/ユカタンの聖パトリック
6 水晶の頭蓋骨——新しい火とチャクモール
ガラガラを振り鳴らす/マヤ人の火の儀式/マヤと古代エジプト/チャクモールと火の儀式/死の頭蓋骨/アステカ神話における頭蓋骨/海辺のチャクモール像
7 大洋の彼方——伝説の祖国
ヴォータンの伝説/カルタゴとフェニキア/古代エジプトの航海者/北アメリカからの証拠/テオティワカンとエジプトの関係/天国の門の伝説
8 アトランティス——オルメカと洪水神話
オルメカ人の都ラ・ベンタ/玄武岩頭部像とあごひげのある男/モンテ・アルバンの天文学的建築/アトランティス・大洪水以前の神話/失われた大陸/眠れる予言者/失われた大陸と「記録の間」
9 金星の誕生と死——太陽エネルギーとその影響
年輪年代学とは何か/文明の興亡と太陽活動/金星の誕生と死/大激変と崩壊の理論
10 二〇一二年一二月二二日——アトランティスの激変
第一の太陽の時代/第二の太陽の時代/第三の太陽の時代/第四の太陽の時代/第五の太陽の時代/不死鳥ケツァルコアトル/ケツァルコアトルのグノーシス的性格/パカル王の変容/浮上するアトランティス
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【理論編】
1 天体発生学
2A 天体発生学と占星学の12タイプ
2B 占星学の科学的説明——惑星は胎児の誕生に影響を及ぼすか?
3 太陽からの放射と、人体におけるホルモン分泌——生殖ホルモン生成のメカニズム
4 太陽黒点周期
5 マヤ文明の衰退
(1)小氷河期がマヤ人におよぼした影響/(2)宇宙線の増大による影響/(3)踊る人/(4)マヤの予言
6 破局と滅亡
7 マヤの数と数え方
(1)マヤ人が使った時間の長さ/(2)ハアブ/(3)カレンダー・ラウンド/(4)どの方向から絵文字を読むか/(5)ロングカウント
■マヤ人は小数点を使っていた
(1)マヤの数の数え方——まとめ/(2)マヤ人の角度の測定/(3)「187万2000日」周期/(4)マヤの謎
8 驚異のパレンケの蓋
第1レベルの解読/マヤ人による崩壊の筋書き/第2レベルの解読のまとめ/第2レベルの解読/第3レベルの解読/第4レベルの解読/内側の彫刻/第5レベルの解読/マヤ人の知的業績
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参考文献
訳者あとがき
前書きなど
■はじめに——田中真知
マヤ文明については多くの本が書かれているし、紹介もされている。密林に眠る堂々たるピラミッド型神殿群、なぞめいた石碑の数々、色彩豊かな絵文字などは、だれでもいちどは本や映像を通じて目にしたことがあるはずだ。また、その文化が9世紀頃を境に、にわかに衰退しはじめ、多くの神殿や都市が密林のなかに放棄されたのを聞いたことのある人もいるだろう。
マヤ文明には、数々の驚くべき特質があるが、とりわけ謎めいているのは、その複雑かつ正確な暦法だ。たとえば、マヤの暦によれば、二〇一二年の一二月二二日に、われわれの時代は終わりを迎えるという。そのこと自体は、比較的知られているものの、では、いったいどうしてそのような日付が得られたのか、そこにはどのような根拠があるのか、といったことになると、きちんと納得できる説明がないのが実状だ。
だが、本書の著者の一人モーリス・コットレルは、マヤ学とはまったく畑ちがいの太陽周期や太陽磁場の分析から、マヤの暦と現代の太陽理論とのあいだの奇妙な共通性を探り出した人物だ。コットレルのアプローチはまったく思いがけないものだが、その説に従うと、マヤの暦を構成する謎めいた数字に秘められた意味が、明快に浮かび上がってくるのも事実なのだ。
船の無線技師であったコットレルは、あるとき占星学上でいう「タイプ」が、実際に本人の性格と合致しているケースが多いことに気づいた。しかし、誕生時の星の位置が個人の性格に影響を与えるという迷信的な説明に納得できなかった彼は、遺伝子のタイプを左右する物理学的要因として、地球磁場に着目する。実際、地球磁場が細胞内のDNAに影響を与えることは、生物学的にも確かめられている。そこでコットレルは、地球磁場と、それに影響を与える太陽の磁場との関係を数学的に分析して、その因果関係を明らかにした。、この研究が彼独自の理論「天体発生学」(アストロジェネティクス)の基礎となった。
コットレルが明らかにしたのは、黒点周期をはじめとする、太陽活動のさまざまな周期だった。ところが、ひょんなことから、彼はこれらの周期が、マヤの暦の周期と驚くほどぴったり一致していることに気づく。マヤの暦は、キリスト教暦のような直線的な時間の流れを区切るものではなく、円環的・周期的な時間観念に基づいている。そこに長年の天文学的観察の成果が盛り込まれていることは、以前からいわれていた。しかし、コットレルは、そこにきわめて正確な太陽周期の数値がちりばめられていることを発見したのだ。
コットレルは、さらに考えを展開して、つぎのような仮説を立てる。
(1)マヤ人は、太陽活動の周期的変動がもたらす地球への影響を知っていたのではないか。
(2)そうだとすれば、マヤ人は、自分たちの滅亡についても、あらかじめ予測していたのではないか(実際、マヤ文明が滅んだのは、太陽黒点の減少期だった)。
(3)だとすれば、彼らはそのような地球の周期的カタストロフィーが、自分たちの滅亡後もくりかえされることを予見していたのではないか。
(4)マヤの『絵文字』や碑文には、そのような将来についての予言が、後生へのメッセージとして記されているのではないか。
コットレルは、メキシコ東部のパレンケにある「碑銘の神殿」の墓所を覆う「パレンケの蓋(ふた)」に注目する。そして、蓋に刻まれた謎めいた絵を独自の仕方で解釈して、そこに隠されたメッセージを読みとる。コットレルにしたがえば、「パレンケの蓋」はマヤの聖なる書『ポポル・ヴフ』の原本ともいるものであり、人間の歴史と今後の運命を象徴的な様式で記しているという。
コットレルのいうように、マヤの人びとが実際にそのような高度な知識を持っていたとしよう。だが、彼らはそのような知識をどこから手に入れたのか。それについては、本書のもう一人の著者エイドリアン・ギルバートが推理をめぐらせている(エイドリアン・ギルバートはギザの三大ピラミッドの天文学的配置をめぐる仮説を論じて話題になった『オリオン・ミステリー』〔邦訳・NHK出版〕の共著者である)。
ギルバートは、コットレルとは別の角度から、マヤ文明の起源を伝説の大陸アトランティスの失われた文明もとめる仮説を提示する。それはけっして新しい考え方ではないが、ギルバートは、マヤ神話の伝える内容と、アトランティスの滅亡の経緯を重ね合わせたシナリオを、ここに描いてみせてくれた。
コットレルとギルバートの説は、マヤ学の本流から見れば異端と見なされる考え方かもしれない。あが、太陽黒点と地球環境との影響関係をめぐるコットレルの発見は、現代人にとっても無視できない重要な問題をはらんでいるように思う。
本文にもちらっと取り上げられるが、一七世紀半ばから一八世紀初めにかけての約七〇年間、太陽表面から黒点がすっかり消え去った時期がある。この時期、地球の気候はいちじるしく寒冷化し、ヨーロッパではイギリスを中心にペストが大流行し、経済はすっかり停滞した。今日この時期は「マウンダー極小期」と呼ばれている。
黒点の減少は、太陽活動の低下を表している。人類史のなかでは、このような太陽活動の低下による寒い時代がくりかえし訪れている。だが、コットレルは太陽活動の低下はたんに地球の寒冷化をもたらすだけでなく、地球の磁場に影響を与え、地球表面に振りそそぐ宇宙線の量を増加させるという。マヤの滅亡も、このような地球環境の変化が不妊や出生率の低下をもたらしたせいだというのだ。
もちろんK、太陽活動の変化が、人類の歴史を左右してきた直接の原因だとはいいきれない。けれども、近年の研究から、太陽がわれわれの考えているほど安定した天体ではなく、その周期的変動に応じて、地球が大きな影響を受けてきたことを指摘する研究者は少なくない。そしてマヤ暦の完了する二〇一二年の一二月二二日とは何らかの形で、そのような周期的変動の大きな節目にあたっている可能性もあるのだ。
本書の著者たちは、いかにしてそのような結論に到達したのか。さっそくコットレルとギルバートとともに、マヤの高度な知識の謎をさぐる旅にでかけよう。
版元から一言
太陽の黒点活動の研究家コットレルと、神秘思想の版元・著者のギルバートは、マヤ暦が科学的であり、マヤ人が惑星の長大な周期と影響を熟知していたことを証明。
関連リンク
著者プロフィール
コットレル,M.(モーリス)(コットレル,M.(モーリス))
田中 真知(タナカ マチ)
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