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ゆがむメディア 北口 末広(著) - 解放出版社
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ゆがむメディア (ユガムメディア) 政治・人権報道を考える (セイジ・ジンケンホウドウヲカンガエル)

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発行:解放出版社
四六判
166ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7592-6722-8   COPY
ISBN 13
9784759267228   COPY
ISBN 10h
4-7592-6722-0   COPY
ISBN 10
4759267220   COPY
出版者記号
7592   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年3月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

小泉政権時代の劇場型政治と選挙報道、メディアの不祥事と問題放送、部落解放運動関連の不祥事や橋下大阪府知事の政策などこれまでの政治・報道の問題点をあげながら、メディアの果たすべき役割と責任、報道のあり方を論じる。

目次

序章 バブル政治を生み出したメディア──二つのバブルが危機を生む
時代が大きく転換する分水嶺の年/被害を拡大させるバブルの長期化/米国の金融危機は終わっていない/今回の不況は長期化する可能性が高い/バブル政治が三年以上も続いてきた/政治バブルを再現しようとしたが……/政策よりも磐石の政治基盤を/バブル政治の責任はメディアにも
第1章 時代を左右するメディア
1 選挙を左右するワイドショー―メディア・リテラシーの視点で
政党支持基盤の流動化/「自民党をぶっ壊す」というマジック/メディア戦略が勝敗を決する/ブッシュのように二者択一を迫る/ワイドショー政治の功罪/視聴率圧力と政治的バランス/デマの伝播と同様の経路/メディア・リテラシーの必要性
2 時代のヒーローとメディア──メディアや政権に責任はないのか
ライブドア現象が与えた影響/耐震偽装事件の背景と重なる/拡大の源泉はバブル的錬金術/ホリエモンは小泉改革の鏡?/スケープゴートにされた郵政労働者/小泉構造改革の犠牲者は誰か/経済格差拡大の悪影響
3 時代の空気をつくるメディア報道──権力・メディア複合体にならないように
メディアを制する者が選挙を/記者クラブ制度を改めるべきとき/情報操作を受けやすい体質・システム/「第四の権力」から「権力の僕」へ?/時代の空気を創る「悪玉叩き報道」/二重基準になっていないか/「情報という餌」は魔力である
4 今日のメディア・権力・市民──三者の関係性を再考すべきとき
テレビ離れ、新聞離れが進行/メディア・権力・市民の三すくみ状況/癒着・アンド・アンバランスになっていないか/日本独特の記者クラブ制度/大衆迎合的メディアを支持する市民/戦争賛美の社会状況がメディアを加速させた/権力チェックから権力関与になっていないか/経済的圧力がメディアを歪めていないか/司法判断に誤った影響を与えないか
第2章 メディアの不祥事と問題放送
1 前代未聞の差別放送──視聴率アップのために部落差別を利用していないか
前代未聞の差別放送/差別放送の具体的内容/関係者の謝罪放送/部落差別を利用していないか/被差別部落出身と断言してよいか/差別意識状況を認識しながら/タブー視と差別意識
2 看過できないテレビ報道──近年の毎日放送・報道番組を見て
近年の報道を視聴して/部落解放同盟を殊更に強調していないか/特定政党の宣伝に利用されていないか/視聴者に誤った認識を与えないか/法人側のどこに問題があるのか/なぜ解放同盟の肩書を報道したのか/二倍の補助金という表現に問題はないか/毎日放送一般基準等が遵守されているか
3 BRCのヒヤリングを体験して──毎日放送の問題点は指摘したが
三つの委員会を内部にもつBRC/聴いていない委員には驚いた/審査対象にする基準を明確に/センセーショナルな報道も不適切と/テレビ局の局による局のための機関か?/
真に弱者救済の組織にはなっていない/真に独立したメディア評議会の創設を
4 メディアとインサイダー取引──質的に異なる重大さをもつ
真摯なNHK記者は嘆いている/不当に一般化してはいけない/きわめて重大な事件である/メディア全体に大きな打撃/立場を悪用した公務員犯罪と同様/徹底した調査が求められる/すべてのメディア企業が教訓化すべき/教育とシステムの両方から取り組め/システムだけで防止はできない/現状の正確な把握が大前提
第3章 メディアと近年の部落問題報道 
1 不祥事報道とメディア──マスコミ報道に問題はないか
信頼を取り戻すために/「エセ行為」への取り組み/人びとの支持が存立の基盤/人権機関は社会の病を治す機関/人びとの努力を水泡に帰さないために/マスコミ報道を検証する
2 メディアと初期報道──初期報道に問題はないか
メディア報道に多くの疑問を抱く/集団過熱報道ではないのか/コメントも正確に掲載されない/初期報道に大きな問題/「悪」「闇」「腐敗」のレッテル貼り/メディアの部落問題認識を聞きたい/同和行政の必要性・内容を明らかに/部落差別撤廃に向けたメディアの役割は?
3 メディア報道と不当な一般化──同和行政の評価が歪められていないか
部落差別が現存するかぎり/基本的な認識すらない記者/時代の雰囲気だけで報道していないか/メディアが権力化していないか/思い込みで取材していないか/見出しを鵜呑みにする読者/一方的な視点での見出しや記事/不当な一般化を防ぐのもメディアの課題
4 ひとつの言葉・単語のもつ重み──「事実上の同和対策事業」とは何なのか
決定的な重要性をもつ単語/「従軍慰安婦」と「性奴隷制」/事実上の同和対策事業ではない/取り組みを大きく後退させる/事実上と報道した根拠は?/なぜ急に同和対策事業になったのか/発表報道よりも調査報道を/無関心メディアにならず差別の現実報道を
第4章 地方自治体における劇場型政治と小泉手法
1 財政再建が財政を悪化させないために──経済効率最優先が長期的不経済を生む
クローズアップされた「涙の答弁」/正当な意見表明ができなくなる/後期高齢者医療制度のようにならないために/正しい財政再建が誤った再建になるとき/ビジョンなき改革はただの削減になる/長期的な視点を堅持しスピードを/誤った改革は将来の世代にも泥をかぶせる/多面的な視点で財政再建を
2 「拒否権」は時に絶大な権力となるが……──橋下大阪府知事へのメッセージ
生活保護の申請すら受け付けられず/長期的視点で禍根を残さないように/破壊は簡単でも創造は長期を必要とする/判断基準とビジョンを明確に/知事の権限は大きく制限されている/「拒否権」という壁は政策創造の力にならない/これまで積み上げてきた基盤を大切に/府民の府民による府民のための大阪府政を
3 大阪府は「破産企業」ではない──人材悪化スパイラルを防げ
限度を超えた賃金カットは問題を残す/被害を受けるのは国民・市民/ダブルスタンダードは間違っている/破産企業というレッテル貼りはよくない/給与カットは評価・誇りのカットにも/正当な評価と報酬がなくては人は育たない/財政再建は多面的・長期的な視点で
4 朝日新聞がなくなれば世の中のためになるか──理解に苦しむ橋下知事の発言
橋下氏に八〇〇万円の支払いを命じた/「弁護士資格の返上」まで論じるのは?/自衛隊の対局は朝日新聞か/橋下知事にもイマジネーションを/メディアで働く記者にも想像力を/朝日新聞のコメントにも驚いた/テレビ報道のあり方にも問題
補章 政治の根幹が問われている──危うい文民統制と究極の愚策
政府の無能ぶりが露呈/危険な時代の兆候を感じる/過去に目を閉ざす人は/自由の敵に自由を与えることで/日本の未来を左右する問題/バラマキで景気浮揚はできない/景気浮揚策ではなく地方負担策/セーフティーネットの強化を/雇用創出につながる政策を
あとがき

著者プロフィール

北口 末広  (キタグチ スエヒロ)  (

1956年、大阪市生まれ。京都大学大学院(法学研究科修士課程)修了。
現在、近畿大学教授、部落解放同盟中央執行委員、同大阪府連合会執行委員長、大阪府同和問題解決推進審議会委員、大阪府人権教育推進懇話会委員、(財)アジア・太平洋人権情報センター評議員ほか。
 著書に『入門部落問題一問一答(1)』日本語版・英語版、『人権ブックレット55 人権社会のシステムを─身元調査の実態から』、『人権の時代をひらく─改革のヒント』、『人権の時代をひらく─創造へのヒント』『人権相談ハンドブック─暮らしに役立つQ&A』(共著)、『変革の時代─人権システム創造のために』、『人権相談テキストブック』(共編)、『必携 エセ同和行為にどう対応するか』(共編著)『格差拡大の時代──部落差別をなくすために』<いずれも解放出版社>など。

上記内容は本書刊行時のものです。