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子どもは毎日が旬
好感、共感、親近感が人権力を育む
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年11月
- 書店発売日
- 2009年11月20日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
人権教育に長年携わってきた著者が、丁寧に子どもに向き合う教育についてユーモアを交えやさしく語る。子どもの見方、接し方、叱り方、心のつかみ方、家庭や地域の教育力など教育関係者や親に役立つ話題が豊富。
目次
第一章 心の窓を少し開いて
子どものくらし(主人公は子ども/子どもの叫び/まなざし/ごんぎつね/生活リズムの確立/元気な子ども/忘れられないこと/子どもの嫌いなこと/ペットの肥満/厳しい中でも学力向上を達成している子ども/子どものやる気)
大人のくらし(やわらかさ/ベストセラーの条件/心の窓を少し開いて/子どもの心をつかむ/ユーモアの大切さ/プラス思考/保護者の願い/家庭の教育力/地域の教育力/大人の責任/ほんとうの賢さ/人生に夢とロマンと目標を/大人の姿勢/「またか」から「当たり前」へ)
教職員に向けて(子どもが好きな先生/授業づくり/楽しい学校/子どもに学ぶ/子どもの心をつかむ/教育は人なり/見えない子どもの真の姿/これからの教育/子どもを叱る/やさしさも厳しさも愛情/教育改革の「イロハ」/確かな学力の定着/求められる「学力」)
第二章 人権は、好感・共感・親近感
人権・同和教育(生き方の見える同和教育を/同和問題とは/人権問題とは/同和教育と人権教育/同和教育のめざしてきたもの/差別の現実に深く学ぶことから/国際化と人権/部落問題学習の視点)
身近な人権問題(人権意識を問う/身近な人権問題/差別はなくなったか/「O-一五七事件」/人権侵害事象に学ぶ/ふたたび身近な人権問題/肌色)
わかることは、変わること(生活の中から/夏の出来事/働く者の視点を/生活でつながる/ともに学び、ともに育つ/わかることは、変わること/レッテル主義/男女共生/ふたたび人権意識を問う)
前書きなど
近頃、気になることがある。それは、高まる学力問題への関心を背景に、「学力が伸びる○○」とか「頭が賢くなる○○」などのキャッチをもとに商売をする者がいることである。こうした振る舞いに、心ある教育関係者は大きな違和感と失望感を抱いている。
学力保障や進路保障は、単にテストの点数にのみ一喜一憂するような「薄っぺらな」学力観ではなく、「どんな人間になるのか」という文脈の中でこそ追究されなければならない。
学力向上は、日々の授業改善・実践研究、一人ひとりに寄り添うきめ細やかな子ども理解・集団づくり、保護者・地域等との連携、そして何よりも教育職の「プロ」たる現場の先生方の団結力がもたらすものである。
もう一つ気になることは、学校や教員への不信感をことさらあおり、公教育への非難や恫喝で物事を動かそうとする風潮があることだ。しかし、そうした動きは、一時的に効果はあっても長続きはしない。
本著では、これらの今日的な社会状況を踏まえて、教員時代に出会った子どもたちのことや今後の人権教育のあり方などについて書いた。
一番、言いたかったことは、保護者・地域・行政などの教育に関わる人々が今一度「学校や教員を信用してみる」こと、教育改革に現場から取り組むこと、先生方に「教育のプロ」たる自信と誇りと達成感をもってもらうこと、人権教育を中心に丁寧に子どもに向き合う教育を推進することである。
いろいろあっても学校は元気である。毎時間の授業や生活指導など、多くの子どもたちは伸び伸び過ごしている。世間が思っているほど混乱も停滞もしていない。校庭は、毎日、明るい子どもたちの笑顔と歓声に充ち満ちている。
そして、学校には素敵な先生方がたくさんいる。一言で言えば、熱心でまじめで誠実。子どもにとことん関わり、職務意識にあふれる先生が少なくない。
何をおいても教育改革の担い手は学校現場の教職員である。先生が元気であれば、子どもの笑顔がもっともっと増えると思う。そうした意味で拙著が何かの励ましになれば望外の喜びである。
上記内容は本書刊行時のものです。