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ミュージアムと記憶
知識の集積/展示の構造学
原書: MUSEUMS AND MEMORY
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年1月
- 書店発売日
- 2009年1月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
書評掲載情報
2009-03-15 |
読売新聞
評者: 田中純(思想史家) |
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紹介
「サイト‐ガイスト(情報生成‐精神)」という新たな概念に導かれ、個人的記憶と集合的記憶の間で、衝突や相互作用や模倣が生じる、現実の、あるいは想像上の「情報集積場」として、すなわち、個人的なアイデンティティと集合的なアイデンティティとの間の、記憶と歴史との間の、情報と知識の産出との間の、相互作用の「生成場」として、ポスト・ミュージアムの構造とそれが表象/再現する新たな表象を解き明かす。
目次
1 序 論 ミュージアムと記憶について
I ミュージアムを通して考える
2 ミュージアム学の原‐集積‐組織構造
3 あるミュージアムとその記憶――歴史を回復する技/術
4 珍品奇物の陳列室と想像のミュージアム
II ミュージアムの中の記億
5 歴史と反歴史――写真展と日本のナショナル・アイデンティティ
6 記憶の現実化、歴史の変容化――ユーロ/アメリカン/インディアンズ
7 グローバル・カルチャー、そして近代の文化遺産――中国の故宮コレクションを再‐意識化する
III 蒐集家と制度
8 近代のムーサたち――ルネサンスの蒐集活動と想起熱
9 ドイツのミュージアムにおける古代派と近代派の論争
10 ミュージアムの美術をめぐる言説――世紀転換期のベルリンにおけるキュレイター的美術史の形成
原 註
解 題 ミュージアム(論)の彼岸
附 論 ジェフリー・ソナベンド『オブリセンス――忘却の理論と物質の問題』
人名/著作名/作品名 索 引
前書きなど
ミュージアムは今日、もっとも親しい文化的施設であるとともに、集積されたオブジェの展示場となっている。それらは、個人的な主体性/存在と集合的な主体性/存在が、すなわち記憶と歴史が、交差し相互に作用する場となっている。本書は、個人的体験および歴史研究から、ミュージアムの見学者、学芸員、研究者の記憶から、ミュージアムを考究するものである。加えて、さまざまな分野――歴史、人類学、美術史、そしてミュージアムに関する学問――の成果を表象しながら、自然史博物館からアート・ミュージアムを、あるいは国立のギャラリーから地方の歴史博物館を隔てる学問的境界を越境して論じる。さらには、ルネサンスから現代まで、中国を初めとする東洋からヨーロッパとアメリカまで、幅広い時と場所を自在に越境/横断しながら、知識の集積/展示の構造を明らかにするものである。
上記内容は本書刊行時のものです。