ロイ・ストロング, 圓月勝博:訳, 桑木野幸司:訳
発行:ありな書房
この版元の本一覧
A5判 512ページ 上製
定価:7,200円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7566-0380-7(4-7566-0380-7) C0070
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年10月
書店発売日:2003年10月15日
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紹介

英国の美術史家ロイ・ストロングは、本書の初版を上木した七〇年代末葉当時、西欧の庭園史研究はまだ緒についたばかりであり、確たる方法論とてあるわけでもなかった状況の中を手探りで進み、膨大な資料を博捜渉猟のうえ、絶対王政の「理念」という導きの糸を手がかりに、イングランドへのルネサンス式整形庭園の導入とその展開という錯雑極まる主題を、一貫したパースペクティヴのもと見事に織り紡いでみせた。こうして本書が一五〇葉にもなんなんとする図版とともに提示した丹精な歴史的見取り図は、その時代・様式区分のたしかな鑑識眼、分析対象とする作品・人物選択の剴切さ、さらにはその明快なストーリー展開によって、いまだにこれを完全に凌駕するものは提出されていない。現在でもイングランドを中心にした西欧のルネサンス庭園史研究は、基本的にはストロングが描いたパースペクティヴに沿っておこなわれているといってもよい。西欧庭園史の原典と言える名著!

目次


一九九八年版への序

第1章 ルネサンス庭園
第2章 紋章学庭園——ハンプトン・コート、ホワイトホール、ノンサッチ
第3章 エンブレム庭園——ケニルワース、ティブルズ、ウォラトン、ウィンブルドン、ノンサッチ
第4章 マニエリスム庭園——サロモン・ド・コー
第5章 マニエリスム庭園——フランシス・ベーコンとその周辺
第6章 折衷式庭園——イサク・ド・コー
第7章 折衷式庭園——イニゴ・ジョーンズ、サー・ジョン・ダンヴァーズ、アンドレ・モレ
第8章 結 論——ルネサンスからバロックへ、そして魔術から科学へ
原  註
図版一覧
観念を盛る幾何の器——初期近代インテレクチュアル・ヒストリーとしてのルネサンス庭園史研究 桑木野幸司
花道を飾るデザイナー——庭園はルネサンスの爛熟を記号化する 圓月勝博
人名/庭園名索引

前書きなど

人工洞窟に展開する古代の神話世界、仕掛け噴水や楽を奏でる水力オルガン、機械仕掛けの自動人形、古代彫像の野外ミュージアム、植物/博物の百科全書的な展覧、哲学的瞑想に耽るメランコリーの境地、演劇的で官能的な饗宴という祝祭の場、これら美と快楽と科学が一体となる夢幻の郷、すなわち万象の生起する庭園という幾何の器に盛られた、エンブレム論、記憶術、古代機械論、蒐集文化論、祝祭論、神話学、博物学、美術史などの複合的な観念体系を明らかにする。

著者プロフィール

ロイ・ストロング(ロイ・ストロング)

ロイ・ストロングは、一九六七年から七三年までナショナル・ポートレート・ギャラリーの館長、一九七四年から八七年までヴィクトリア・アンド・アルバート美術館の館長を務め、その後は何の未練もなく公職から身を引き、フリーランスの作家として筆力衰えることなく旺盛な著作活動を今も続けている。現代イングランドのアート・シーンの仕掛け人として辣腕を振るったこの稀代の美術史家は、芸術と現実世界が相互作用をくりひろげる超一流美術館を拠点として、文化と歴史を図像と言語によって融通無碍に再構成するという贅沢極まりない知の冒険を思う存分くりひろげたあと、その間に蓄積した知見を一般読者に向かってなんの気兼ねもなく語り続けているのである。

圓月勝博(エンゲツ・カツヒロ)

同志社大学教授 専門は英文学

桑木野幸司(クワキノ・コウジ)

東京大学建築学科大学院 ピサ大学大学院 専門は庭園建築史

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