歴史、ポリティクス、表象クレオパトラという記号
メアリー・ヘイマー, 正岡和恵:訳, 橋本恵:訳
発行:ありな書房
この版元の本一覧
A5判 280ページ 上製
定価:4,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7566-0379-1(4-7566-0379-3) C0070
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年07月
書店発売日:2003年07月16日
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紹介

エジプト女王クレオパトラをめぐる、
二〇〇〇年にわたるファンタジーの連鎖を追い、
絵画、演劇、文学テクスト、革命、映画など
その時代における表象生成のメカニズムを探り、
文化的象徴とエロティシズムの狭間に召喚される、
クレオパトラ・イメージの真層を視覚化する!

目次

日本の読者に寄せて
謝 辞
序 章
第1章 その姿は女王さながら
第2章 主婦としてのクレオパトラ
第3章 ニュートンとクレオパトラ
第4章 空間の政治学——クレオパトラと市民王——
第5章 クレオパトラの寸断された身体
原 註
文献一覧
人名/著作名/事項索引

前書きなど

「クレオパトラ」という言葉は、公的権威や責任と女性の能動的なセクシュアリティの結合体を表わしている。この名前は、男性としてコード化しえない身体に、政治的権力を賦与するものだ。父権制のいかなる体系においても、この名前は法の侵犯を物語る。表象を通じてクレオパトラを呼び起こすという行為は、法を問い直し、社会秩序における女性の地位を明らかにすることを意味している。女性を定義づけ、女性の領域をローカルな社会秩序内に位置づけようとするそれぞれの試みが、クレオパトラを概念化する条件を不可避的に形成するのである。

著者プロフィール

メアリー・ヘイマー(メアリー・ヘイマー)

メアリ・ヘイマーはケンブリッジで教鞭をとったあと、ハーヴァード大学のデュ・ボイス研究所の特別研究員となり、同大学のアフロ・アメリカ研究学科にも所属していた。文学批評を主要な研究領域にしていたので、最初の著作はアンソニー・トロロープに関するものであった。トロロープについては数多くの著述をなし、彼の小説も二つ編集した。だが『クレオパトラという記号』を契機として、ヨーロッパ文化における女性について、表象について、女性の欲望の位置づけについて、女性と親密になりたいという男性の願望について問いかけるようになった。トロロープ研究からクレオパトラ研究への移行は、自らの書き手としてのありようの変化を画している。その後教職を離れ、フリーランスの作家かつ知識人として活動を始めた。少女時代に受けたカトリック信者としての教育をめぐり回想録を書いたが、その抜粋は「女性たち——文化評論」誌(Women : a cultural review)に掲載された。現在は、キリスト教と古典の伝統がどのような遺産をのこしたかについて文学、美術史、歴史にまたがる領域で著述をしている。一九九八年には、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』に関する研究書を上梓し、シェイクスピアはローマ文化の無批判な賛同者ではなかった、と論じた。二〇〇二年には『近親相姦——新しい視点』を発表した。この著作は、芸術家たちが近親相姦をめぐって公式見解とは異なる解釈をしていることを示すことによって、近親相姦にたいする一般通念に疑問をなげかけている。映画や小説から明らかになるのは、性的虐待は、戦争や政治的テロリズムなど、他の暴力の形態と共通の根を有していることである。

正岡和恵(マサオカカズエ)

成蹊大学文学部英米文学科教授 専門はシェイクスピア

橋本恵(ハシモトメグミ)

南山大学外国語学部助教授

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