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日本の右翼 歩 平(著) - 明石書店
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日本の右翼 (ニホンノウヨク) 歴史的視座からみた思潮と思想 (レキシテキシザカラミタシチョウトシソウ)
原書: 日本右翼問題研究

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発行:明石書店
四六判
572ページ
上製
定価 8,000円+税
ISBN
978-4-7503-4226-9   COPY
ISBN 13
9784750342269   COPY
ISBN 10h
4-7503-4226-2   COPY
ISBN 10
4750342262   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年7月
書店発売日
登録日
2015年7月24日
最終更新日
2015年7月24日
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紹介

戦前から戦後にわたるまで、日本の右翼団体と活動を俯瞰しながら、その思潮・思想の形成過程、運動と国家権力との関係や影響力など、多角的に日本の右翼を分析する意欲作。

目次

 日本語版への序文

序論【歩平】
 (一)右翼に出会った経験から
 (二)日本の右翼団体と右翼思潮
 (三)日本の「右翼」の概念について
 (四)戦前日本の右翼の運動と国家権力との関係
 (五)戦前日本右翼の影響力
 (六)世界的な右翼問題


戦前の右翼【歩平】

第一章 右翼思想と右翼運動の発生
 (一)国家主義と民族主義─右翼思想の起源
 (二)早期の右翼運動
 (三)国粋主義型「観念右翼」の基本特性

第二章 国家革新運動と二〇世紀初期右翼運動の変遷
 (一)国家革新運動中の右翼の両極分化
 (二)北一輝と大川周明の右翼思想
 (三)二〇世紀初めの民間右翼の思想
 (四)二〇世紀初期の日本右翼運動と思潮の特色

第三章 日本を戦争の道へ導いた軍隊ファシズム右翼
 (一)軍隊右翼が活発化した背景
 (二)少壮派軍人と右翼団体の軍事クーデター
 (三)右翼軍人と侵略戦争
 (四)大正末期から昭和初期の右翼の特徴
 (五)戦争体制下の右翼団体


戦後の右翼【王希亮】

第四章 米軍占領時期の右翼勢力
 (一)頑固派右翼に対する対策
 (二)右翼団体解散命令
 (三)東京裁判の右翼勢力に対する寛容と放縦
 (四)石原莞爾がマッカーサーに送った「建白書」
 (五)極端な民族主義団体の台頭

第五章 サンフランシスコ条約と右翼の蘇生、復活
 (一)民主化の逆流
 (二)寛大と単独講和のサンフランシスコ条約
 (三)旧右翼団体の復活及びその特徴
 (四)右翼復活後の社会活動

第六章 岸信介内閣の反動政治と右翼運動の高まり
 (一)岸信介内閣の逆行措置及び右翼との関係
 (二)新安保体制の確立と右翼促進運動
 (三)三池争議、安保闘争の余波及び右翼勢力の反撃

第七章 新右翼の登場と「民族派運動」
 (一)新右翼学生団体及びその極端な民族主義的政治観
 (二)三島由紀夫事件
 (三)「民族派運動」の展開とその特徴

第八章 七〇年代の右翼「昭和維新運動」
 (一)「七〇年危機」前の右翼団体の状況
 (二)右翼の「昭和維新運動」
 (三)右翼団体の資金問題

第九章 新保守主義時代の右翼
 (一)自民党政治の右傾化
 (二)新保守主義時代の右翼運動の新しい動向
 (三)新右翼と極端主義のテロ活動
 (四)戦後五〇年右翼の活性

第一〇章 文化教育界における右翼団体の形成及びその活動
 (一)文化教育界右翼団体の形成及び理論的観点
 (二)第三回目教科書攻撃の逆流
 (三)政府、議会、政権与党の高官、実力者と右翼団体は気脈を通じ、協力して歴史修正主義運動を推し進めた
 (四)教科書問題は終わっていない

結び【王希亮】
 (一)戦後右翼が繁殖し、育成される土壌
 (二)戦後右翼の継続とその基本的特性
 (三)戦後右翼と執政当局、政党、宗教の関係
 (四)戦後右翼運動の代表的人物とその思想

 訳者あとがき

前書きなど

日本語版への序文

 本書は日本の右翼問題に関する研究書であり、元々は中国の読者のために中国語で書いたものである。

 (…中略…)


 しかし、日本の読者に対して、我々が強調したいのはどんな問題だろうか。勿論、日本の読者と中国の読者は異なる環境下にあり、本書の中で、中国の読者から見れば見知らぬ歴史でも、日本の読者には普及している常識だ。従って、中国の学者として、我々は『日本の右翼』の分析を通して、日本の読者に我々の感得したものを伝えたい。つまり、日本の民族主義は戦前日本右翼の思想の源だが、日本の民族主義は戦前、次第に極端に、即ち戦争に向かって走った。戦後日本の右翼は、表面では、正当な個人の使命感と責任感を強調しながら、実は日本に必要な民族優越感の強調に進み、戦争責任を回避する種々の行動によって、その思想が戦時の軍国主義と密接な関係があることを暴露した。これにより、人々の警戒心を引き起こしたのは当然だった。
 日本の軍国主義はあの戦争を引き起こし、中日両国に巨大な傷害をもたらした。再びあのような戦争を起こさないために、中日両国の民衆が共同して歴史の教訓をまとめることが、特に必要だ。近年、中日両国の学者はすでに各種形式の歴史共同研究を展開している。
 もし、この本の日本語版が日本の学者の関心を引き起こすことができ、論争や討論を生むならば、戦後七〇年の最良の記念となるだろう。

二〇一五年六月   歩平

著者プロフィール

歩 平  (ホ ヘイ)  (

1948年生まれ。中国社会科学院近代史研究所研究員、前所長。中日共同歴史研究中国側主席委員、中国抗日戦争史学会会長。
2002年より中日韓三国学者教師共同編集東アジア近現代史主宰、中日韓三国「歴史認識と東アジアの平和論壇」主宰。2006年より中日両国政府間歴史問題対話、中国側主席委員担任。ロシア科学院名誉博士。兼任前横浜市立大学客員教授、新潟大学、慶應義塾大学客員教授、現在早稲田大学客員教授。
 主要研究分野:中日関係史、東北アジア国際関係史、日本の中国侵略史、抗日戦争史。
【単著】
『日本の中国侵略と毒ガス兵器』明石書店(日)、1995年
『第二次世界大戦期間の日本の化学戦』中国社会科学文献出版社(中)、2004年
『靖国神社と日本の軍国主義』中国黒竜江人民出版社(中)、2011年
『中越戦後――戦後日本の戦争責任認識』中国社会科学文献出版社、2011年
【共著】
『日本右翼問題研究』中国社会科学文献出版社、2005年
『東アジア三国の近現代史』(中日韓三国同時出版)中国社会科学文献出版社、2005年。第二部、2012年
『中越国境の東アジア近現代史』(中日韓三国同時出版)中国社会科学文献出版社、2013年
『中日共同歴史研究報告書』(中日同時出版)中国社会科学文献出版社、2014年

王 希亮  (オウ キリョウ)  (

1946年生まれ。黒竜江省社会科学院歴史研究所二級研究員、東北地方史及び中日関係史研究に従事。
【単著】
『日本による中国東北の政治統治』黒竜江人民出版社、1991年
『中国東北の特殊労働者の抗議暴動記録』黒竜江人民出版社、2002年
『日本政界の戦争観の研究』中国社会科学文献出版社、2005年
『東北陥落区の植民教育史』黒竜江人民出版社、2008年
『日本の戦争責任と歴史認識問題の研究』黒竜江人民出版社、2009年。
『歪曲された歴史の矯正――日本の歴史教科書問題の分析』黒竜江人民出版社、2011年
『日本の右翼勢力と東北アジアの国際関係』中国社会科学文献出版社、2013年
【訳書】
前田哲夫『第二次世界大戦期の戦略爆撃――重慶からロンドン、東京、広島への道』中華書記局、2007年
野田正影『虜囚の記憶』中国社会科学文献出版社、2014年

山邉 悠喜子  (ヤマベ ユキコ)  (

1929年1月、東京都生まれ。
1941年4月、父の赴任先「満洲製鉄」、中国東北部遼寧省本溪市に移住。
1945年12月、16歳、東北民主聯軍に参加。後に改名して「中国人民解放軍第四野戦軍後勤衛生部」勤務。
1953年帰国、東京都国立市に在住。
1980年代末より、東北黒竜江省・吉林省、遼寧省を中心に歴史調査。
1990年代より、「731部隊・毒ガス全国展」に参加。ABC企画委員会、元副代表。

宮崎 教四郎  (ミヤザキ キョウシロウ)  (

1930年生まれ、一橋大学卒、歴史学専攻。化学会社勤務などを経て、中国中央民族学院に留学し、中国語研修。中国東北部で歩平氏による旧日本軍の遺棄化学兵器調査などに参加し、同氏の著書などを翻訳。現在、ABC企画委員会共同代表。

和田 千代子  (ワダ チヨコ)  (

1948年生まれ。公務員退職後、自然食品店在職中に「731部隊展」「毒ガス展」実行委員会に参加・活動。
1999年頃から中国語を学び、2002年から1年間、黒竜江大学に留学。黒竜江省社会科学院の副院長(当時)歩平氏や王希亮氏など社会科学院歴史処の諸氏による抗日戦争跡地の調査研究に参加。
現在、731部隊遺跡保存・あらゆる戦争に反対する「ABC企画委員会」(核兵器、生物兵器、化学兵器の意味)事務局長。

齋藤 一晴  (サイトウ カズハル)  (

明治大学・関東学院大学・武蔵大学・首都大学東京・東京学芸大学・法政大学第二高等学校非常勤講師。
専攻:日本近現代史・歴史教育・東アジア歴史対話(日中韓共同歴史教材開発)
主な著書・論文
『中国歴史教科書と東アジア歴史対話』花伝社、2008年
「東アジア共通歴史教材の作成から東アジア史へ─歴史学と歴史教育の恊働のために─」『歴史学研究』歴史学研究会、2013年6月号など

奥村 正雄  (オクムラ マサオ)  (

1931年生まれ。早稲田大学卒、婦人雑誌記者、フリーライター、中国帰国者支援通訳などに従事。

上記内容は本書刊行時のものです。